初めに
何でも細かく記事にする当ブログですが、今回はパソコン関連商品について。パソコン関係の記事は初だと思います。私はよく保存した動画をパソコンで観ますが、メディアプレーヤー等の最初から入っている動画再生ソフトの性能が悪く、何か良い物はないかと探していました。


そこで購入したのがサイバーリンクの商品PowerDVD23 ULTRA(以下、PowerDVD)です。台湾の企業らしく、外箱にMade in Taiwanと書いてあります。この業界では有名なようで、動画再生ソフトを検索すると大概これが出てきます。パソコン関連は疎いのであまり探し回る事はせず、さっと決断して購入しました。実売価格は一万円前後。たかが再生ソフトにしては高いと感じます。いつも通り、忌憚の無い感想を述べたいと思います。
機能について
最近は音楽でも書籍でも、何でもかんでもダウンロードで購入。現物が手元に残らず、データのみと言うのが多くなっています。私は実体の無い物、形の無い物は基本的に一切信用しません。音楽は音を聴くだけでなく、円盤を所有する事も喜びで、ジャケットの絵やピクチャーレーベル、歌詞を自分の目で見て楽しむものでしょう。何故それが分からないかな、と常々思います。この商品はダウンロードコードが書かれた紙が入っているだけではなく、ちゃんと円盤が付属していました。今時感心です。

円盤をパソコンで読み出すと、表示された容量は398Mでしたが、実際にインストールすると1Gぐらいの容量があります。インストール、プロダクトキーの入力など、所要時間は10分程度。ソフトの起動は極めて速いです。ショートカットを押して、ものの一秒程度。一方、YouTube動画の再生は結構時間がかかります。動画のURLを貼り付けて、動画のリンクを取得するところまでは速いのですが、再生までに15秒ぐらいかかります。動画が再生されたと思ったら「バッファー中」と表示が出て、すぐに止まってしまう事もあります。たまに動画がねばっこくなったり、一瞬だけ早送りしたように再生する事もあり、動作の安定性には疑問があります。PowerDVDでYouTubeを再生すると広告が一切表示されないので、それに関して言えばストレスが無くなり、非常に重宝します。しかしながら、せっかく役に立つこの機能も、動作の不安定さで利益が相殺されています。非常に残念。
メニュー画面の表示に関しては、改善されたので嬉しく思っています。パソコンに最初から入っている「メディアプレーヤー」や「映画&テレビ」等の再生ソフトは、再生時に下のメニュー画面が動画に重なり、私はこれが大嫌いなのです。下記画像にある通り、サイバーリンクは動画再生時にメニュー画面が干渉しないので、大変助かります。細かい違いですが、凄く気になっていた事がすっきりしました。


PowerDVDをインストールすると、余計なソフトも勝手にインストールされます。YouCam10と言うソフトが入っていたので、私は即削除しました。不要なソフトはパソコンの動きを悪くする事もあるので、私は全部消してしまいます。

clmediaserverと言うソフトも入っていましたが、これも私には必要ありません。設定⇒アプリ⇒スタートアップで、常駐ソフトのスタートアップ設定を無効に出来るので、このソフトは無効にしました。お節介機能は止めて欲しいですね。そして、ここから保存場所まで飛べるので、さっさと削除しました。
画質と音質について
右クリック⇒設定⇒ビデオエンハンスメントから画質と音質を弄る事が出来ます。はっきり言って、驚くほどの改善はありません。ビデオエンハンスメントを利かせた画面と、既存の画面を分割して比較出来る面白い機能があります。下記画像(アーガイルの製品化早く!)は、右がエンハンスメントを利かせた方になります。一見すると右の方が綺麗に見えますが、場面によりけりなので、全体的に綺麗になる訳ではありません。逆に粒子の粗さ等が目立つ場合もあるので、お金を掛けたDVDのリマスターとは違い、只の胡麻化しだと思います。基本的に「明るく・精彩に・くっきりと」を強調する処理をしているようなので、見易くなるのは確かですが、画質そのものを向上させたり、画面の汚れを除去するような性能は無いと思われます。改善と言うより調整でしょうね。

音質に関しても画質と同じ事が言えます。エンハンスメントを利かせると音圧と言うか、出力は増しています。音がでかくなります。機能を調整しない場合でも、メディアプレーヤーで再生した時より出力が高い気がします。エンハンスメントと言う表現は適切ではなく「質の向上ではなく変化」と捉える方がしっくりきます。例えば、シンバルの場合は音の主張が強く、しゃりしゃり煩く感じます。映画を再生した時は人の声等に、本来は存在しない音の反響が出たりして、不自然に聞こえる事もあります。何と言うか、エンハンスメントの数値を上げる程、音が雑な感じになっていくと思います。画質と音質に関して、過度な期待は寄せない方が良いでしょう。
ピン留めについて
購入した人達の多くが、この機能を目当てにしているかもしれません。YouTubeの動画のURLを貼り付け、無料で動画を落とせるサイトは至る所にあります。しかし、それらのサイトでは画質に制限があったり、実際に落とせない事がままあります。PowerDVDは基本的に、アップロードされた動画の画質の上限(HDだけでなく4Kも)まで対応しています。これだけでも、かなり恩恵があります。私も主にバンドのライブ映像等を中心に、ピン留め機能を活用しています。
ピン留めは動画の容量次第ですが、高画質で再生時間が長い動画はかなり時間がかります。低解像度で時間が短い動画は一瞬ですが、1Gぐらいの容量の動画は30分かかった事もあります。ピン留めした動画はキャッシュに保存され、ハードディスクの容量を消費します。なので、無制限にとはいきません。
ピン留めにかかる時間について、私はある実験をしました。PowerDVDも通信を使う以上、通信速度がピン留めの所要時間に影響するのではないか?と思ったからです。同じ動画のピン留めを、5GHzと2.4GHz両方の通信速度で違いを比較してみました。何度か試しましたが、結論を言うと通信速度はピン留めの速度と全く関係がありませんでした。通信速度が速ければ、ピン留めの処理が速くなる訳ではないようです。専門外なので理屈は全く不明で分かりませんが、私の推測では容量に対して保存にかかる時間が固定されているのでは?と思います。
ピン留めした動画の保存場所を出すには、ちょっとした手順が要ります。デスクトップ画面からだとWindowsキー+Rで「ファイル名を指定して実行」の小窓が出てくるので「AppData」と打って検索。そこから長いですが、最終的に「TempPV」と言うフォルダが見つかるまで、フォルダを次々に開いて行きます。Local⇒CyberLink⇒PowerDVD23⇒Caches⇒PowerDVD23Cache⇒TempPVの順です。TempPVの中に、適当な名前でピン留めした動画のフォルダが作られています。一から開くのは面倒なので、ショートカットをスタートにピン留めしておくと便利です。
ピン留めした動画は殆ど遅延無く、一瞬で再生されます。また、動画をどこまで観たか記憶しているので、途中再生が可能です。しかし、ピン留め自体に時間がかかる事と、ハードディスクの容量を消費し続けるので、本当に便利とは言い難いところがあります。私の場合はピン留めしたら動画を保存し、すぐにピン留めを外します。よく観る動画は、外付けのハードディスク等に保存するのが一番良いでしょう。
他に気になる点として、ピン留め機能に一部不具合?があります。例えば、動画の解像度が144P~360Pまである場合でも、何故か240Pまでしかピン留め出来ない事があります。また、ピン留め自体が(一時的に)出来ない事もあります。これらについては目下原因不明です。
不具合について
不具合と言っていいのか、一部の動画で「この動画は再生できません」と表示される事があります。原因がよく分からないですが若しかしたら、年齢制限が掛けられている動画(残酷な動画や性的な動画)がたまにありますが、その手の動画が跳ねられているのかもしれません。
それから前述しましたが、動画再生中に「バッファー中」の表示が頻繁に出て動きが悪く、ストレスが溜まります。フリーズしてソフトが動かなくなる事もたまにあります。起動こそ速いものの、全体的に動作の滑らかさに欠けています。
最後に
購入してもう少しで半年になりますが、思い返すと余りPowerDVDを使っていないと気付きました。広告が出ないとは言え再生まで時間がかかるのと、その後の動作の遅さや不安定さがあるので、本家本元のYouTubeで観る事の方が多いのが現状です。鬱陶しい広告が出たらページを再度読み込んで、強制的に広告を消す方法もありますしね。私はこのソフトの役目は、動画保存用としか見ていません。動画の保存に関しても画質さえ気にしなければ、URLを入力してダウンロードするサイトの方が余程速い。画質や音質は世間の評判からある程度予測していましたが、評判通り目を見張る程のものはありませんでした。私はこの商品は値段相応の価値は無いと思いますし、他人にお勧めはしません。私の場合は充分役に立ってくれているので、買って良かったかなと思います。
記事公開 2025年8月3日