映画館へ行こう その10 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女

初めに

2026年2月某日。劇場アニメ作品の機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女(2026年制作)を観て来ました。前作は円盤を借りて観賞しましたが、内容が思ったよりも良かったので期待を込めて、今作は劇場に足を運ぶ事にしました。ガンダムの劇場作品を観るのは小学生の時以来。仲間達と十人以上で観に行った機動戦士ガンダムF91(1991年制作)が最後です。この頃は本当に良い時代で、F91の公開前に特別番組がありました。友達の家で録画されたこの特番を観て、期待に胸を膨らませて劇場へ行きました。とても良い思い出です。

前日に予約を済ませ、当日は近場の喫茶店で適当に時間を潰し、余裕を持って劇場へ。物販に目を通しながら、入場前の暇な時間を過ごしました。予定は無かったですが、パンフレットの豪華版とやらがあったので思わず購入。私以外にも何人か並んで購入していました。上映前のそわそわする時間も有効に使えば、中々楽しい。

私は原作を読んだ事が無いので、人間・組織関係の把握に手間取ったり、度々分からない用語が出て来たり、理解が追い付かないまま物語が進行する事になりました。一方で、真っ新な気持ちで観賞出来ただろうし、先の展開が見えない分、自分で内容考察に頭を悩ませたり、予想するのが楽しい時間でもありました。それでは、映画の感想に移りましょうか。内容を知りたくない人は、記事を読まないで下さい。私は大のガンダム好きではないので詳しくないし、記憶違い、解釈不足もあるかもしれませんが、いつも通り忌憚の無い感想を述べましょう。用語等一部分からない事については、パンフレットを参照しています。

粗筋と言うか、大雑把な流れについて

前作ではマフティー軍ハサウェイ・ノアが操るRX-105Ξ(クスィー)ガンダムが、地球連邦軍の若きパイロット、レーン・エイムの搭乗機RX-104FFペーネロペーを撃退したところで終わっています。前作でオエンベリ軍が襲撃を受けている情報が出て来ましたが、今作は正にそのオエンベリが連邦軍の攻撃を受けている場面から始まります。名前も顔も出ないオエンベリの誰かが、連邦の襲撃を動画で記録しています。これが後に連邦の虐殺の証拠となるので、カメラを回し続けて宇宙に上げろ、みたいな台詞があったと思います。因みに、前作でハウンゼン356便をハイジャックしたのが(南瓜やピエロの覆面をしていた襲撃犯)、オエンベリ軍の者達です。ハイジャック犯が勝手にマフティー軍を騙っていたのは、前作で知るところです。オエンベリと言う地名(綴りはOenpelli)は実際に、ダーウィンの東側にあるようです。

まるで戦争の報道の様な場面の後、アラフラ海を漂うマフティーの支掩船ヴァリアントシーラックが登場。これら二隻は貨物船に偽装し、地球連邦海軍の捜索の目を搔い潜っていました。マフティーの次の狙いはアデレード会議です。連邦の厳しい監視の目が向けられる中、ハサウェイ達はキンバレー部隊の動向を探る為、オエンベリを急襲する事を決定します。ここでハサウェイの交際相手のケリア・デースとの確執があり、どろどろとした人間関係を垣間見る事が出来ます。

オエンベリに駐屯するキンバレー部隊への襲撃は、マフティーの圧勝に終わり、多数の連邦軍兵士を捕虜にします。そこでマフティー軍の面々は、キンバレーの非道の痕を目にするのでした。ハサウェイは捕らえた連邦軍に対し、オエンベリが後で報復するかもしれないと冷徹に告げます。しかしオエンベリ軍もまた、連邦の兵士達を切り刻んだり、虐殺を行ったようです。その事実を知って、簡単に動揺してしまうハサウェイ。非情になり切れないハサウェイは一部を捕虜とし、他は食料を与えて無傷で島に置いて行きます。

オエンベリ軍と多少衝突する事があったものの、最終的に共闘関係を結んだマフティー軍。ダーウィン空港の襲撃は、マフティーから兵器供与されたオエンベリが行いました。そこで危険を察知して「降りたくない」と叫ぶギギと、直感で空港着陸を中止したケネス。難を逃れた連邦軍の面々は、ギギの評価を改めるのでした。同じ頃、痴情の縺れでハサウェイの元を去って行くケリア・デース。その後、サード・ギャルセゾン撃墜、ヴァリアント撃沈など、訃報が続くマフティー軍。紆余曲折を経て、最後の舞台はエアーズロックへ。中継地点「へそポイント」に集結するマフティー軍。「マフティーが観光地にいる訳ないだろう!」と叫ぶレーンを尻目に、ギギの言葉に従って威力偵察に向かうキルケー部隊。間も無く、戦の火蓋が切られます。ハサウェイが搭乗するクスィーガンダムは難なく連邦のグスタフ・カールを退けますが、続いてレーンが操るTX-ff104アリュゼウスとの死闘が始まります。

音楽について

映画のせいではありませんが、私がこの映画を観た劇場の音が小さく、もっと音量を上げても良いと思いました。また、空調の設定温度が低いようで、空気が冷えて落ち着きませんでした。環境って大事ですね。映画館は構造上、近所迷惑を考えなくていいので、もっと大音響で聴きたかったです。

閃光のハサウェイは、音に拘った映画だと思います。80年代のガンダム作品と比べると、音質の向上が著しく感じます。音楽だけでなく、様々な効果音が非常に洗練されており、細かい気遣いがあったと思います。宇宙世紀の時代であっても装輪車がまだ全盛のようで、移動手段として車が度々登場します。走行音はガソリンエンジンではなく、電気自動車であるのが分かりました。細部を気にするのは大事ですね。

特に戦闘場面で使われる音には熱が籠っています。前作同様、ミサイルは「ボッボッボッ」と低い破裂音です。接近するミサイルの警報も同じ音で、けたたましく鳴っていました。私はモビルスーツ戦のミサイル弾幕の描写が好きです。弾幕を躱したと安心する暇も無く、次の攻撃でまたすぐに警報が鳴るなど、戦闘の緊張感がよく出ていました。ビームライフルの発射音も前回と同じで、低く唸る様な、やや電子音を感じさせるもの。バルカンの音も同じです。軽快な打刻音の様な感じで、発射速度がよく分かります。閃光のハサウェイは距離による音の変化や、着弾の音等が非常に細かく、効果音を聴くだけでも楽しいと思います。

主題歌については、明らかに洋画を意識していると思います。挿入の機だったり、映像的な演出がそれを感じさせました。冒頭ではSZASnoozeと言う曲が使われ、最後はガンズ・アンド・ローゼス(Guns N’ Roses)Sweet Child O’ Mineがかかりました。今回は始まりも終わりも洋楽の曲でした。開幕のクレジットは英語表記でしたが、あそこは日本語にして欲しかったです。終わりのガンズはどうかと思いました。私はガンズは古臭くて田舎いと思いますし、明らかにこの作品に合っていません。アメリカのロックバンドって、泥臭くて大味なものが多いですよね。

映像について

繰り言になりますが、閃光のハサウェイは洋画の作り方を意識していると思います。洋楽を使ったり、文字起こしだったり、OP挿入の仕方や映像の見せ方など。それはこれまでのガンダム作品に無かったものかもしれません。
前作でも思った事ですが、やはりCGIとセル画が合っていない。「本物の歯と詰め物が絶対綺麗にくっつかない」のと同じで、とても違和感があります。CGIを使わないといけない必然性が無いと思います。言っては悪いですが、日本のCGIはお粗末なので猶更。クスィーが水中から浮上して、機体から水が海面に落ちるところとか、本当に安っぽく見えました。揺れるカーテンもCGIですが、そこは力を入れるところではないでしょう・・・恐らくヴァリアント艦内やダバオ空軍基地なども、CGIが使われていたと思いますが、建造物の方は余り違和感が無く、綺麗だと思いました。
夜間の戦闘で曳光弾が軌跡を残すところや、爆発、モビルスーツが着陸する前に地面が火で照らされるところ等、手抜きが無く細かい。そして美麗。爆発は一回だけでなく、間を置いて何段階かに分けて爆発するとか、実に細かい。戦闘描写はとても秀逸です。前作同様、夜間の場面では暗くて何が起こっているのか、分かり辛いところが多かったです。これは円盤になった時、解消されると思います。劇場の方が、円盤の映像より暗いと思いますから。

それから、戦闘が非常に高速で行われ、こま割りの多さ等からも、初見では全容を把握する事は難しいと思います。これも、円盤になった時に確認するのが楽しみな要素です。古いガンダム作品と違い、モビルスーツをはっきりと見せたり、分かり易い格好良さで目を惹くやり方ではないと思います。モビルスーツは主役ではなく、作品を完成させる為の一要素に過ぎないと言うか。個人的には、もっとモビルスーツの姿をはっきりと見せてくれた方が嬉しいです。

人物の描き方については、見た目が幼く感じます。せっかく生々しい戦闘描写や、古い熱血アニメから脱却した様な大人の雰囲気があるのだから、人物をもう少し濃く描いてはどうかと思います。ガンダムに限らず、日本の漫画・アニメは子供が主人公とか、若者が目立つ気がします。漫画の「聖闘士星矢」とか「ぼくらの」は子供(十代)ばっかりですよね。海外の映画は大概、おじさん・おばさんが主人公ですからね。そう言うところが、人物の作画にも表れているのかもしれません。

感想あれこれ

ここでは物語の展開等について、適当に思いつくまま、自由に感想を述べたいと思います。初めの方でジュリア・スガ(色黒で三つ編みの少女)がオーバーオールのみで下着を着けておらず、「男だけがトップレスになっても許されるのが気に入らない」みたいな事を言っています。確かにその通りですが、そこでOPが始まるのは笑うところでしょうか。ヴァリアント艦長のブリンクス・ウェッジが終始、上半身裸でいるので(美しくない)確かに不満があるのでしょう。ブリンクスが薄着なのは多分、一応の理由があるのでしょう。マフティーの支掩船ヴァリアント(パンフレットによると「支援」ではなく「支掩」表記)は貨物船に偽装しています。ブリンクスが「発電量でばれる」みたいな事を言っており、連邦の偵察機が消えるまで冷房を切っていました。確かに軍用空母と、民間貨物船では大きく出力が違うでしょう。しかし、モビルスーツやギャルセゾンの発艦・着艦で機体が出入りしているので、その時に連邦軍のレーダーでばれるのではないか?と思うのですが。そこは例のミノフスキー粒子の出番なのでしょうか。そう考えると、前作でメッサーやクスィー等が洋上の拠点ロドイセヤ(今作で放棄)に帰投した際、連邦軍に捕捉されなかったのも頷けます。

途中、ブライト・ノアが有能な艦長と言う事で招集されますが、彼は除隊願いを出しているようです。「届け」ではなく「願い」なので、ブライト自身まだ迷っているのか。原作を知らない私でも、これが残酷な未来を暗示しているのは明白でした。愛妻のミライ・ノア(旧姓ヤシマ)に見送られ、ブライトは「久しぶりにハサウェイに会うか」みたいな気持ちのようですが、自分の息子が命を取り合う敵となるからです。実を言うと、私は原作の結末だけは先に知ってしまったのですが、映画でその部分は変えないで欲しいと思います。

今作ではマフティー軍の脇役にも焦点があてられ、前作では見えなかった人間関係等が明らかになって来ます。前作では名前が分からなかったり、殆ど喋る事無く終わった人物達が多かったと思いますが、その辺りに少し時間が割かれていました。私は人間関係の掘り下げは物語に厚みを出すので、そこに時間を割くのは良い事だと思います。しかし露骨な男女関係については、ガンダムと言う作品に本当に必要か?と思います。私は好きじゃない。原作がそうであるなら、仕方ないですが。

次に、私がこの映画で最も重要な要素の一つと考える「人間関係」について。この映画は登場人物や組織が多く、中々複雑。想像していませんでしたが、とんでもなく人間関係がどろどろとしていて、ところどころ男女の肉体関係がはっきり分かる場面があります。連邦もマフティーも恋愛話が好きなようで、周りはギギとケネスの関係や、ギギとハサウェイの関係に興味津々のようでした。劇の最初の方でケリアは「ギギががクェス(クェス・パラヤ)を消してしまうかもしれない」とイラム・マサムに言っており、ハサウェイの過去について皆が知るところのように見えました。個人(故人)の繊細な情報をそう簡単に教えていいものかと思いますが、命を賭けて戦う仲間達には、包み隠さず全て話してしまったのかもしれません。
ハサウェイは「ケリアとジュリアの相性が悪い」と評価していましたが、二人を組ませた後にジュリアから「彼女(ケリア)は悪い娘ではない」みたいな事を言われていました。口止めされていたけれど、ケリアがマフティーを抜ける事も教えていました。ハサウェイに伝えはしたけれど、マフティーを去る彼女の意思を尊重して、ケリアを止めなかったところを見ると、思ったより二人は仲良くなったのかもしれません。そこはハサウェイの見立て違いとなりました。

ハサウェイの指導力とか牽引力はさておき、人望と言うのか、人柄の良さが慕われる理由かもしれません。もっと言えば慕われるより、親しみ易いが適切かも。オエンベリとの交渉であった通り、マフティーはオエンベリに対空ミサイルを供与しました。空港襲撃の場面では、オエンベリがジャベリン(モビルスーツではなく実在のミサイル)みたいなミサイルで攻撃するところが映し出されています。ハサウェイは約束を守る男。オエンベリの虐殺の後、仲間を大勢殺されて連邦に対して恨みがあるでしょうが、捕虜は生きたまま捕らえ、人質交換に数名連れて行くだけでした。他は食料をちゃんと残した上で、五体満足の状態で島に置き去りにしています。いずれ救助されたでしょう。これはハサウェイがきっと非道に扱う事を嫌っての事だろうし、逆に言えば彼が間に立たなかったら、キンバレー部隊の連中がどうなっていたか分かりません。そして「生かす」選択に反対しなかったオエンベリ軍も、野蛮なだけの軍隊ではなかった。きっと説得に応じて怒りを収めたのでしょう。これはハサウェイの人間性がもたらした結果だと思います。

考察①ハサウェイ・ノア対レーン・エイム

ここからは、自分なりの考察をしたいと思います。繰り言になりますが、原作を知らず、ガンダムについて詳しくないので素人意見です。

この映画最大の見せ場であろう、ハサウェイとレーンの二度目の対決。ここは緊張感があって手に汗握る戦闘が繰り広げられましたが、途中でハサウェイがアムロ・レイの幻影に捕らわれるところがあります。この部分が思ったより長く、水を差された感じ。これのせいで完全に流れが切られてしまいました。計測していませんが一分・二分ではなく、もっと長かった筈です。この場面を挿入してもいいですが、もっと短く出来なかったのであろうか。因みに予告動画でνガンダムが最後に映し出されていましたが、あれがこの幻影の場面です。歓喜している人達が沢山いましたが、残念ながら実機として登場した訳ではありません。ハサウェイがアムロの幻影を見たきっかけは、損傷したアリュゼウスの中からRX-94量産型νガンダムが現れたからでしょう。実際ファンネルらしき物(ファンネル・ミサイル)も背中に付いてたので、νガンダムそのものに見えたかもしれません。

ハサウェイが精神的に安定していない原因について、私は正確な答えを知りませんが、クェスを失った事だけが原因ではないと思います。今ハサウェイが戦っているのは父親も所属している地球連邦軍。かつては自分もそこにいたので、裏切っている負い目などもあるのでしょう。それから、チェーン・アギを殺してしまった罪の意識もあるでしょう。それらが綯交(ないまぜ)となって、心を噛み乱しているのではと推察します。

私の予想では、機体性能では恐らくクスィーが少し上。操縦技術もハサウェイの方が上かと思っていました。へそポイントの決戦では、ハサウェイが殿を任せられて仲間を逃がします。その時に地上にビームライフルを発射していましたが、あれは何だったのか。証拠となる物資等を破壊していたのか、それとも「自分はここだ」と敵に知らしめるのが目的か。後にパンフレットに目を通すと答え合わせが出来ましたが、地上への砲火は陽動だったようです。キルケー部隊のパイロットの方がキンバレー部隊より優秀なのか、やや善戦していましたがやはり前座程度。ハサウェイに危なげ無く退けられてしまいます。ここからは本物のパイロット同士の対決が始まります。

ハサウェイはアリュゼウスのミサイルによる波状攻撃を華麗に捌き、少しずつアリュゼウスの装備を破壊していきます。爆炎の中から飛び出した敵ミサイルを見るや、回避は不可能と即座に判断。避けるのではなく加速前進して突っ切るなど、状況判断に優れ、肝が据わっているところを見せつけるハサウェイ。レーンも負けておりません。地上からミサイルの援護射撃を受け、それに合わせて放たれたクスィーのビームを回避。「あれを避けるのか」と驚くハサウェイ。結局ハサウェイが押し切り、装備を剥がされて量産型νガンダム本体のみとなったレーン。この時既に勝敗は決していたのでしょう。大人と子供程の差がある機体で、完全に出力で負けているでしょう。クスィーも装備が尽きたのか最後はビームサーベルで勝負。レーンも隠し武器の様なビームサーベルを出して、最後まで勝負を諦めませんでしたが、惜しくも二度目の敗北を喫してしまいました。運良くギギが戦闘に介入した事で、レーンは命拾いしました。ギギの登場でハサウェイは我に返りましたが、幻影に捕らわれたままの彼なら、あのままコクピットを焼き切って殺していたでしょう。この後、再会したギギとハサウェイが接吻して終わるのはどうかと思いました。この作品のこう言うところは好きになれません。

考察②ハサウェイの謎に包まれた強さについて

前作から非常に不思議に思っていた事ですが、ハサウェイが根拠不明の強さを手に入れている件について。これも原作を読めば背景が分かるのかもしれませんが、一体全体、ハサウェイは何処で軍事訓練を受けたのでしょうか?只の素人が、武装したハイジャック犯達を華麗に制圧できる訳がないし、私が知る限りハサウェイが軍属であったのはごく短い期間で、何処でモビルスーツの操縦を覚えたのでしょうか?これらの疑問について考察したいと思います。

今作の初めの方で、マフティーの面々が船を使ってCQB訓練をしている場面があります。記憶違いでなければ、指導に当たっていたのはガウマン・ノビルだったでしょうか。パンフレットによるとガウマンは「数々の大戦を戦い抜いてきたベテランパイロット」と説明があるので、明らかに軍隊出身者でしょう。ガウマンを始めとして、豊富な実戦経験を持つ者達がマフティーに入り、後進の育成をしていると考えれば、ハサウェイのCQB技術の高さも頷けます。

ではハサウェイのモビルスーツの操縦技術は、何処で磨いたのでしょうか?如何せん目立つので、何処でも簡単に訓練する事は出来ないでしょう。機動戦士ガンダム 逆襲のシャアに於いて、ハサウェイがクェスと一緒にシミュレーターを使った訓練をしていました。お互い何機撃墜したとか無邪気に笑い合っていましたが、その後ハサウェイは勝手にモビルスーツに搭乗し、初陣でギラ・ドーガを撃墜しています。恐らく、パイロット特性は高いのでしょう。マフティーに参加した後、実機を使った訓練が出来たかどうかは分かりませんが、シミュレーターを使った訓練ぐらいは何とかなったでしょう。

ハサウェイはシャアの反乱後に除隊、植物観察官の研修と鬱病の治療の為に地球へ下りました。この観察官と言うのは、良い身分偽装になりそうですね。ホンコンの実習中にケリアと出会って恋仲になり、その後マフティーの指導者クワック・サルヴァーと面会します。私は最初このクワック・サルヴァーと言う単語を聞いた時、組織名かと思いました。ハサウェイがマフティーに参加するきっかけを作ったのがケリアだと言う設定があるので、恐らくケリアが彼をクワック・サルヴァーに引き合わせたのでしょう。そこで地球連邦政府の実態を理解したハサウェイは義憤に駆られ、マフティーに深く関わって行きます。彼が「地球を汚染する人間の排除」を掲げるシャア・アズナブルの思想に傾倒したとしても、不思議ではありません。

しかしハサウェイがシャアと決定的に違うのは、振れない芯の強さや人間関係の処理では大きく劣るところ。そして牽引力やカリスマ性が、圧倒的に不足しているところでしょう。善悪は別として、ハサウェイが可能な限り、関係無い人々を巻き込まないように戦っているのに対し、シャアはアクシズ落しを平気でやりました。未遂に終わったものの、目的の為なら手段を選ばないやり方は、ある意味徹底していると同時に、狂ってもいます。シャアは人間関係は割と淡白で、後を引かない様に見えるのも大きな違いでしょう。逆襲のシャアでナナイ・ミゲルと付き合っているようでしたが、深い繋がりは無いようでした。事故とは言えララァ・スンを殺したアムロとは、機動戦士Zガンダムで一時共に戦いもしたし、その場に応じて人付き合いが出来る。そして、人間関係の清算はさっと行える様に見えます。そう言うところが、嫌われる原因になるかもしれませんが。

モビルスーツの操縦技術から脱線したので話を戻しますが、やはり実機を使った訓練が出来ないのであれば、実戦で成果を上げられない気がしますが・・・モビルスーツは動作の多くを自動に頼っていると思うので、操縦に関しては若しかしたら、結構簡単に出来てしまうのかもしれません。現実世界でも自動運転とか言っていますし、中・高生の糞餓鬼が生成AIを悪用したり、サイバー攻撃を仕掛ける世の中ですから。100年、200年先の未来なら、自動車を運転する感覚でロボットの操縦が出来るのかもしれません。実際、アムロもシーブック・アノーも、初めから手柄を立てていましたので。簡単に操作出来る、便利で危険な玩具を与えられたら、そりゃテロでも騒乱でも簡単に起こせるでしょう。ガンダムはあくまで空想科学なので、細かい事を気にしたら駄目かもしれません。しかもサイコフレームみたいな化学と言うよりも、幻想世界の産物みたいな要素もあるので。結局、今ある知識だけでは、ハサウェイの操縦技術の高さについて答えを出せませんでした。

考察③マフティー軍に手を焼く地球連邦軍について

仮にも圧倒的な軍事力を誇る地球連邦軍が、何故「寄り合い所帯」に過ぎないマフティー軍に手を焼くのか。政治と同じで戦争も野合じゃ駄目です。これも謎であり不思議な要素です。シャアの反乱後、連邦軍の規模は縮小、練度は低下し、実戦経験のある部隊も少なくなったとか。「平和を望むなら戦争に備えよ」と言う格言があります。日本の歴史で言えば、天下統一で太平の世の中になった江戸時代に於いては、剣道の華法化が進みました。しかし幕末で再び剣が隆盛したところを見れば、ずっと武を殺さず守り続けていた事に相違無いでしょう。大きな戦争が無いのであれば、軍備縮小は当然かもしれませんが、最低限の備えをしない馬鹿はいないでしょう。

マフティーが保有するのは劇中で確認出来る限り、数える程のギャルセゾンとメッサー、クスィーが一機のみ。他は二隻の船、ヴァリアントとシーラックがある程度。ポケットの中の戦争に毛が生えた程度でしょう、実際のところ。クスィーガンダムの調達はクワック・サルヴァーが裏で手を回したとして、その資金源が不明であったり、アナハイム・エレクトロニクス社が「テロ組織」に売却する理由が分かりません。まさか最終的に行き着く先が分からない、と言う事はないでしょう。アナハイムはペーネロペーを連邦に売っているのもあり、正に死の商人と言うか、本当に碌でもない企業だと思います。私は戦争で一番悪いのは、戦争をしろと命じた奴と武器を売った奴だと思います。

ケリアが中盤で断りなくマフティーを去る場面がありますが、勝手に抜けだしたり敵前逃亡するのは、正規の軍隊であれば軍法会議ものでは?情報の漏洩があっても困りますし、有り得ない話です。全体的に緩~い印象が強いマフティー。本当に「学生運動の延長」ぐらいな感じしかしません。実際マフティーは「つい最近まで学生でした」と言う感じの若者達が多いですね。その緩い組織が仮にも正規の軍隊相手に、大立ち回り出来るのが非現実的と言うのか。説得力に欠けているので、相応の説明が必要でしょう。

前作で言えば、ハウンゼンのハイジャックの件にしても色々と疑問が湧きます。どうして搭乗客が重要人物ばかりなのに、周囲にモビルスーツの護衛が無かったのか。機内に対テロの精鋭部隊を待機させても良かったですし、とてもおかしいですね。設定に穴が多い気がします。素人目にもマフティーの狙いは明らかなのに、閣僚達が滞在するホテルへの攻撃を許してしまったのも、非常にお粗末。ハイジャック事件があった以上、その後の警戒態勢は最大まで引き上げられるべきですし。腐敗した上に平和惚けした連邦はその程度、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが。因みに、連邦軍の弱体化が警察権の拡大に繋がり、刑事警察機構(マン・ハンター)の権力が拡大したようです。警察権の拡大とは言っても、物語の中で刑事警察機構は地味な存在で、左程重要性を感じませんでした。

ハサウェイ・ノアについて

ここからは主要な四人物について、自分なりの見解を述べます。ハサウェイは男性らしく、実に欲望に(肉欲に)忠実なところもあります。ジュリアの無防備な格好を見て、目のやり場に困ったり。ケリアとはギギと出会う前から付き合っていたようですが、ギギの事が頭から離れず、ケリアに冷たくしたのかもしれません。私は原作を知りませんので、それ以前に関係が悪くなっていた可能性も。前作でケリアと会った時に見せた表情が、そう感じさせました。ケリアがマフティーを去った時、ハサウェイは慌てて追いかけていたので、多少の未練はあったのでしょうか。この時のハサウェイは悪く言えば情けない、良く言えば人間らしさが出ていたと思います。植物観察官と言えば、ギギがアマダ・マンサン教授に電話(公衆電話がまだある)を掛ける場面がありますが、あれはどうやら教授本人ではないようです。私は気付かなかったので後から調べたネット情報ですが、クレジットに「アマダらしき男」と表示がされており、これは原作と展開が異なるようです。あの場面は電話を傍受している様に見えましたが、既に連邦から協力が依頼されていたのでしょうか。マフティーの居場所を特定する為、関りがある人達に網を張っていたとしてもおかしくありません。詰まり、連邦(と言うかケネス)が既にハサウェイがマフティーだと確信していたのでしょう。

ハサウェイは精神安定剤でしょうか、薬を処方されているようです。イラムもそれを気遣ってか「先に寝ていてくれ」とハサウェイに休息を取らせ、自分は残務処理に向かう場面がありました。ケリアとの関係は周知の事らしく、男女関係についてイラムから突かれていました。ハサウェイは「肉欲」と言っていましたが、これはクェスを失った隙間を埋めるために、別の女性を求めていたのでしょうか。しかしマフティーの指導者としての責任があり、責任と女性関係、過去の幻影との間に挟まれて悩んでいました。レーン・エイムとの戦いの最中、νガンダムとハサウェイを責めるアムロの幻影を見ますが、これはチェーンを殺してしまった事に対する、罪の意識の表れかと私は思いました。
オエンベリ軍と闘った連邦軍の兵士達を捕虜にして、「オエンベリが後で報復するかもしれない」と冷徹に告げるハサウェイ。しかし連邦軍の証言から、オエンベリ軍も連邦の兵士達を切り刻んだり、虐殺を行ったのが判明します。そんな事簡単に予想出来ると思いますが、ハサウェイは少し動揺しているようでした。そこで連邦への嫌悪が少し薄れてしまったかもしれない。そこがハサウェイの甘いところであり、同時に優しさでもあるのでしょう。捕虜になった連中の中に、キンバレー・ヘイマン大佐もいたと思います。現実の話を持ち出すのは無粋かもしれませんが、これはガザの戦争と同じ。イスラエルがやっている事は間違いなく虐殺ですが、それは民間人を多数手にかけたハマス(ハマース)も同じ。数の問題ではなく、虐殺は虐殺です。
ハサウェイは若い頃より落ち着きがあり、オエンベリ軍の面々と会話する時も、努めて冷静に見えました。マフティーを装うオエンベリに対し「もう少しインテリかと思った」みたいな少し皮肉の様な事も言いますが、喧嘩腰ではなく冷静な分析でしょう。逆に「コクピット越しでしか惨状を見ていないお前達に何が分かる」と言われたガウマンが怒っていました。これはモビルスーツで戦うマフティーに対して、銃火器で戦うオエンベリなりの皮肉返しでしょう。ハサウェイは最終的にオエンベリを味方に引き込みますが、これはハサウェイの人柄のお陰だったり、出会いの良さがあったかもしれません。
綱渡りの様な作戦が多く、艦内でマフティーの面々に対して「自分達にやれる事をやった自己満足だけ」みたいな事を言っていたでしょうか。その後のハサウェイの発言は「すまんがみんなの命をくれ」と言ったブライトに重なるところがありますが、人望とか牽引力だとかは、全く比較にならない程劣っているでしょう。ブライトと言えば、声優の鈴置洋孝さんが亡くなっていたのを、つい最近知りました。今の声優さんは全然違和感が無いので、全く気付きませんでした。

ギギ・アンダルシアについて

ギギは自由気ままに愛人生活をしている様に見えて、実際は何か目的を持って動いているのが次第に分かって来ます。物語の途中で客室乗務員のメイス・フラゥワーがケネスに雇われますが、ギギはそのメイスと出くわします。あそこでメイスに対抗していた意味は何なのでしょうか。メイスに耳元で「大佐はああ見えて(ごにょごにょ・・・)」と何か言っていましたが、激高したメイスから強烈な平手打ちを食らい、メイスは怒りに肩を震わせて建物から出て行きます。ケネスは「やっぱりか」みたいな反応でしたが、少々怒ってもいたでしょう。あの場面は女同士の対決の緊迫感や、側にいた女性の居心地悪さが伝わって来ました。メイスはメイスでケネスを「おじさん」呼ばわりして、ギギに対抗心を剝き出しにしていました。最終的にギギはハサウェイを選びましたが、途中まで本当に、ハサウェイとケネスを秤に掛けていたのかもしれません。ギギがハサウェイとケネスに近づいた(ケネスもまたギギを側に置きたかった)理由が分かりませんが、ギギがケネスの近くにいるのにメイスが邪魔だったのでしょう。わざわざ喧嘩をふっかけて追い出すぐらいだから、何か目的があっての行動だと推察します。単純に嫌がらせ?とか愉快目的の可能性もありますが・・・

原作を読んでおらず、私には彼女の行動の目的等、諸々が謎のままです。自分の愛人生活を嫌っているようで、お洒落などはしっかり楽しんでいるのが面白いところ。ニュー・ホンコンの伯爵別邸では、商品カタログに目を通し、そこからアイドルみたいな音楽が流れて、さながらギギのファッションショーの様なものが展開されました。ああ言うのを世間では「萌え」と言うのでしょうか?私はよく分かりませんが。ギギの別邸滞在の場面は、そんなに時間を使うべきところではないでしょう。あれは無駄に長かったと思います。ギギの存在意義が見えてこない以上は正直なところ、彼女がとても浮いた存在に見えてしまいます。ガンダム作品は萌えを売りにするものではないので、そう言う意味でも浮いて見えます。掴み所が無い感じがよく出ていると思いますが、余り好きになれない人物です。

ケネス・スレッグについて

ケネスは前作で感じた印象のまま変わらず。部下に「貴様の進退をかけて臨め」と仕事を急かす鬼上司ぶりは今回も健在。レーンには「人質作戦」を取らなかった事に対し、鉄拳制裁を加えています。今時、あんな扱きは無いと思いますが。ケネスは自分に自信を持っているのがよく分かりますが、それは冷静な自己分析であり、奢りを感じさせない確かな実力を醸し出していると思います。意外と謙虚なところもあり、ギギとの会話で「肉体と精神の欲望から離脱云々」と口にしており、その欲望に捕らわれた「オールドタイプ」であると自分の事を見ています。そしてそれはハサウェイも同じであると。確かにハサウェイも「肉欲」と言う言葉を口にしています。

女好きなのは間違いなく、ギギに接近する一方で、ちゃっかりメイスと付き合ったりもしています。去って行ったメイスについて「追い出したのか」とギギが何かした事を即座に見抜いていました。「やっぱりか」と言う表情を見せており、最初からこうなる事は予想済みだったかもしれません。去る者追わずの姿勢ですが、メイスは本気ではなく遊びだったのでしょうから、この事実を知ればレーンに「汚い大人」と言われそうです。

ギギからの評価はそこそこ高いようです。オエンベリ軍のダーウィン空港襲撃の後、ギギは「あれは(襲撃から即離脱出来たのは)ケネスが運を引き寄せた」と語っています。実際、ギギが「ここには降りたくない!」と叫んだ時に即座に着陸中止を命じ、危険が迫っている事を感じ取っていました。これは勿論ギギの力でもありますが、ギギの能力を正しく評価し、理解しているからに他ならないでしょう。言わば、ギギの使い方を心得ているのだ。最後にギギが「捕虜」としてハサウェイに連れ去られた後、残念そうではあるが未練は無さそうでした。そこは彼の人間関係の淡白さだけでなく、軍人としての役割が優先したのでしょう。私は一番ケネスが現実的で、行動の善悪は別として、好感が持てる人物だと思います。

レーン・エイムについて

レーンはケネスの「縁起担ぎ」を露骨に嫌っており、「大人達」と言う表現も使っています。レーンは22歳らしいので、彼も既に大人だと思いますが。彼の言う大人とは「世慣れた人間」としての意味でしょうか。彼が双眼鏡で遠く離れたギギを覗いていた時、レンズ越しに彼女と目が合う場面があります。偶然と言えばそれまでですが、しかしレーンは驚愕していたので、はっきりと視線が合った(合わせられた)と感じたのでしょう。ギギ、恐ろしい子・・・縁起担ぎを嫌っていながらも、ギギが持つ力を何となく感じているようでした。

レーンは恐らくと言うか、間違いなく自尊心と負けん気が強いのでしょう。初戦でハサウェイに負けたのは「人質作戦を命じられたから」と、敗北を素直に受け入れられない姿を見せました。しかし私はこの男子が嫌いじゃない。実際、パイロットとしては非常に優秀なのでしょう。優秀でなければ金がかかった試作機のパイロットを任せられる筈が無いし、「実力と結果が全て」な感じのケネスなら、無能な人間は即切り捨てるでしょうから。そんな彼は二度目の勝負にも負けて、サーベルで徐々にコクピットを焼き切られる恐怖を味わいました。命を拾いこそしたものの、その後立ち直れるのか?
声優の小野賢章(おのけんしょう)さん(ハサウェイ役)はパンフレットのインタビューで、レーンが主人公っぽいと言っていますが、果たしてそうでしょうか?むしろ出番が少なく、負け戦ばかりで不遇ですよね。私も汚い大人なのか、ケネスが一番感情移入出来ました。ハサウェイ・ギギと同じぐらい、ケネスの存在感が強かったと思います。レーンは次の作品で報われて欲しいです。

モビルスーツについて

今作では前作と同じ機体が登場しています。新型はアリュゼウスだけかと思います。アリュゼウスとはギリシア神話に登場する人物の名前です。ガンダムはモビルスーツに神や悪魔の名前が付いている事が多いですね。シャイターンとかアビゴルパラス・アテネ等がそれに当たります。前作でペーネロペーが損傷したため、練習機を代わりに使う事になったのでしょう。若しかしたら、これがクスィー対アリュゼウス戦の勝敗を分けた一因と言えるかも?パンフレットによるとペーネロペーはケネスが「マフティー掃討用の切り札」として配備を進めた機体のようです。「ペーネロペーが配備されるまでの練習機として急造された」のがアリュゼウス。前述した通り、アリュゼウスの中身はRX-94量産型νガンダムです。アリュゼウスとの比較で出力はクスィーがやや上。そしてクスィーの装甲が全てガンダリウム合金なのに対して、アリュゼウスはガンダリウム合金(本体)とチタン合金セラミック複合材(外装)です。因みに量産型νガンダムとは言うものの、アリュゼウスの基となる機体なので多少改修されています。

閃光のハサウェイは登場モビルスーツの種類が少ないのが残念です。その上、今作は殆どクスィーとアリュゼウスの独壇場でした。前作ではガウマンが操縦するメッサーが結構活躍しましたが、今作は連邦軍のモビルスーツを撃墜したのは、殆どクスィーだったと思います。実際の戦争では、一人の人間や超高性能の非量産機が無双と言うのは有り得ない。一人の将が天下分け目を左右するとか、そんなものは戦国時代に終わっています。それを言ったらお終いですが、もう少し名も無いパイロットや量産機が、クスィーに食らい付いて善戦して欲しかったです。過去の作品ではもう少し、丁寧な描写があったと思いますが。Zガンダムのカミーユ・ビダンも非常に優れたパイロットでしたが、何度も死にかけていましたから。

私はクスィーの様な超高性能機よりも、メッサーやグスタフ・カールみたいな量産機が好きです。前半に吊るされたメッサーが真上からの視点で映されたり、モノアイが横に動く時に、機械的な重い稼働音を響かせているのが芸が細いですね。ギャルセゾンは1番機とか1号機ではなく、ファーストやセカンドと呼ばれています。オエンベリに出撃する時はセカンド、ファーストの出撃順だったと思います。出撃前の「〇〇出ます!」はガンダムでお約束の台詞ですね。私は「ビルギット、24!出るぜ!」が一番好きです。
敵機がカーソルで表示されるようになったのは、どのガンダム作品からでしょうか。あの表現はとても良いですね。敵の数や脅威が一目で分かるし、緊張感が伝わって来ます。前作でハサウェイがエメラルダ・ズービンに「最後にもう一度索敵しておけ」みたいな事を命令し、さっと索敵をすると、遠くに不明機(ペーネロペー)がカーソルで現わされていました。閃光のハサウェイは敵との交戦距離がかなり遠くに感じる場面もあり、離れた位置から相手を補足しているのがよく分かります。

総評

結論を言うと、劇場で観るだけの価値はあったと思います。概ね満足。IMDbによると上映時間は108分。私が観た劇場の案内だと約2時間でしたが、開始前の宣伝動画が10分ぐらいはあったと思うので、大体そんなところでしょう。前作より10分長いですが、実際その様に感じたし、尺が足りない感じが無くて良かったと思います。

この映画は専門用語や固有名詞、色んな地名が出て来るので、原作を知らない人や、事前に情報を得ていない人には全てを把握するのが難しいでしょう。クワック・サルヴァーとか言われても分からないですよね。原作を読んでいる事が前提のようなところもあるかと。ギギの別邸の場面や、ハサウェイが幻影に悩まされる場面をもう少し短くして、映画全体の尺をもっと長くする。その上で初見の人でもある程度理解出来るように、人物や組織の説明に時間を割いた方が良かったと思います。アニメ映画は時間が短い作品が多いですが、二時間越えでも良いじゃないですか。

それから、必要な部分を思い切って省略した場面もあると思います。先述したヴァリアント撃沈や、サード・ギャルセゾン撃墜が正にそれです。サード・ギャルセゾンのキャプテンのヘンドリックス・ハイヨーは生還しましたが、メッサーのパイロットのハーラ・モーリーロッド・ハインはいつの間にか死んでいました。もっと彼らにも光を当ててやれよと思います。もう一つ不満なのが、やはりCGIの多用でしょう。こちらとしては滑らかに動く、セル画のアニメが観たいのですよ・・・

省略された部分が多いものの、話の展開自体は非常に分かり易く、肝心のモビルスーツ戦の高速戦闘や絶妙な距離感、カメラ回しはとても良かったと思います。それぞれの思惑があって行動する登場人物達の動向は目が離せないし、足りない部分は自分で考え、予想する楽しみがあったのは否めません。私はどうでもいい事には全く見向きもしないし、どうでもいい人間には何も頼まないし怒りもしない人間です。映画の記事の中では多分、今回が一番文字数が多くなったし、割いた時間も一番多くなりました。これだけ書きたい事が湧いて来るなら、悪い映画じゃない筈です。

豪華版パンフレットについて

「初めに」のところで少し触れましたが、パンフレットと入場者特典について書いておきます。私は劇場に行くまで何も知りませんでしたが、一週目入場者にはイラストカードが貰える企画がありました。このカードは二種類ありますが、私はケネスとレーンの組み合わせでした。この二人はハサウェイ・ギギの組み合わせより好きなので良かった。

豪華版はパンフレットと特別冊子の二冊組みです。劇場の物は、松竹のネット通販で売られている物とは少し違うようです。この豪華仕様のパンフレット、個人的には3,000円の価格設定は高い(頁数少ない!)と思いますが、これもお布施と思えば良いでしょう。紙質は良いと思うし全頁色付きなので、それなりにお金が掛かっていると思います。

中身は登場人物とモビルスーツの紹介、用語解説、声優陣のインタビュー、話の展開についての簡単な説明等です。特別冊子の中身は絵コンテなど。絵コンテは、熱心なガンダム好きの人なら垂涎物かもしれません。私は特別冊子の方は余り価値を見出しませんでしたが、パンフレットの方は良かったと思います。私は元々原作を知らないので、モビルスーツや用語の解説は助かるし、話の流れのおさらいも出来たので概ね満足しました。

主要な声優人達の作品に対する思いが知れるのも良い。気になったのが人物紹介について。マフティー、オエンベリ軍、刑事警察機構は公式サイトやパンフレットに手厚く情報がありますが、何故か連邦関係者に関してはケネスとレーン、それからブライトとミライが載っていただけです。連邦もかなりの登場人物がいた筈ですが、おざなりな感じでした。ケネスの側近みたいな眼鏡の人とか、気になる人物いましたよね。彼は笑っている様で、目が全く笑っていないのが怖い。ケネスに付いて行くぐらいだから、有能で冷酷と思われます。他にも、レーンと同じ部隊の若いパイロット達とか登場人物が沢山いるので、そちらの紹介も少しあると有難かった。それから、組織や人間関係が複雑なので、相関図があると尚良かったです。

最後に

どうでもいい話ですが、映画を観終わった後、モスバーガーで遅めの昼食を摂りながら映画を反芻しました。これより少し前に、ケンタッキーで久しぶりに和風チキンカツバーガーを食べましたが、この和風バーガーは味付けが甘過ぎる上に、変な酸味があります。一緒に食べた鶏肉は、ざくざくとした衣が無駄に付いていて、これも美味くない。こんなに不味かったっけ?と思いました。マクドナルドは嫌いだし、バーガーキングも大した事ない。モスバーガーはいつも温かい状態で提供してくれて、冷めた物は絶対に出さないし、ハンバーガー系のファーストフードの中では一番でしょう。

昼食を済ませた後、帰りにギネスとカヴァを購入。家に帰ったら記憶が鮮明な内に、今日観た事をギネスを飲みながら記録しました。映画を観て「ああ、面白かった」だけで終わるのではなく、内容について振り返って記録しておくのは良い事です。酒も同じで「飲んで美味しかった、満足した」ではなく、私は全て細かく記録しています。こう言うのは知的財産になりますので。そして自分の経験を人に伝えようとする時、出来るだけ間違いが無いように正確な情報を伝える必要があるので、そこで自分の頭が鍛えられるし、良い事だらけです。

思うに、富野由悠季(とみのよしゆき)氏は先見の明があります。ガンダム生誕は私が生まれるよりほんの少し前、もう少しで半世紀になります。閃光のハサウェイの原作が作られたのが三十年以上前。戦争の背景は基本的に「政治構造と経済格差」である事。それが未来でも継続しています。そして地球が汚染されて宇宙に住むようになった人類の未来は、今私達が抱えている気候危機が向かう先と重なります。ロボットアニメでありながら現実味があり、他人事ではない「今そこにある危機」。終末時計は残り85秒となりました。ガンダムはそもそも、子供向けではなく大人の為のアニメなのでしょう。前作から早五年。ちゃんと三作目出来るのでしょうか?それまで私が生きているのか、日本が残っているのか。サンダーボルトも続編早くお願いします!洋画だけれど、アーガイルも円盤発売早く!

記事公開 2026年3月9日

最新情報をチェックしよう!
>最強のWordPressテーマ「THE THOR」

最強のWordPressテーマ「THE THOR」

本当にブロガーさんやアフィリエイターさんのためになる日本一のテーマにしたいと思っていますので、些細なことでも気が付いたのであればご報告いただけると幸いです。ご要望も、バグ報告も喜んで承っております!

CTR IMG