ペンタックス PENTAX KF 18-55WR レンズキット

初めに

今回の記事はPENTAX KF 18-55WRレンズキット(以下KF)について。凡そ一年ほど前、愛用のカメラSIGMA dp0 Quattro(以下dp0)が故障してしまい、修理期間中の繋ぎの為に購入しました。何故ペンタックスを選択したのかと言う理由は、先ず一眼レフカメラの中でも同社の製品は安いと言う事。それから私自身の性格の問題で、ニコン等の誰でも使っている有名どころの製品は使いたくない天邪鬼だと言う事。キャノンやソニーは嫌いですし。フジフィルムは高いですしね。

ペンタックスは以前、本格天体望遠鏡の製造を行っていた時期があります。今だと安物ならケンコー、入門用であればビクセン、高級品ならタカハシがあります。確か、ペンタックスは本格的な赤道儀(天体の追跡に重宝する架台の事)を備えた商品を作っていた筈です。ビクセンとタカハシの中間ぐらいでしょうか。残念ながら天体部門からは撤退してしまいましたが、同社の接眼レンズにはお世話になりました。私は一時期、友人と共同購入したビクセンの天体望遠鏡で星見をしていた事があり(庭で観ているだけでしたが)、その時に使ったペンタックスのレンズ性能に満足していました。特に導入(目当ての天体を補足する事)に使っていた広角レンズの使い勝手が良く、視界の広さと明るさから容易に目標を捉える事が出来ました。大分年月が経ちましたが、思い返している内に再び天体観測をしたくなってきました。私の居住地だと街明かりが強く、光害のせいで殆ど星が見られません。お金があれば長野県に家を建てて永住したいものです(長野県の阿智村が星見で有名)。

話を戻すと、ペンタックスは天体望遠鏡を作れるぐらいには光学に関する知見があり、値段は手頃でも悪く無かろうと思った次第です。また、以前から使っている同社の小型カメラOptio WG-2燃費の良さに感心しています。1~2年ぐらい充電せずに放置しても、平気で使えます。これが私が人生で初めて購入したカメラでした。その後、2016年にdp0、それから去年にKFを購入。そして、この記事を書いている今現在はSIGMAのfpも手に入れました。fpはまだ使い始めなので、もっと時間が経ってから記事にしたいと思います。

デジタルカメラとしては三台目で、初の一眼レフカメラ。一眼レフはミラーレスと違って本体が嵩張るものの、ミラーレスより安価に作れます。レンズキットにしたのはすぐに使いたかったのと、出来るだけお金を掛けたくなかったので。

これまで使ってきた経験から、ゆるりと語らせてもらいます。益体のない記事にならないよう努めていますが、カメラと写真の知識は乏しいのでそこはご愛嬌。

内容物

外箱に部品ごとの生産国がちゃんと表示されています。本体はフィリピン製、レンズはベトナム製など。電源プラグが中国製とか、結構生産国がばらばらです。カメラやレンズは緩衝材でしっかり保護されています。

以下は内容物一覧。カメラ、レンズ、充電一式、ストラップ、説明書類が同梱されています。ストラップは社名の自己主張が強く、あまり使いたい気分にはなりません。

ついでにキオクシアのSDカード(日本製)とマンフロットのアルカスイス互換プレート(イタリア製)もKF専用で購入。記録媒体やストラップ等は使い回しが面倒なので、一台ごとに揃えます。

キオクシアはSDカードは日本製だけど、microSDは台湾製だったりばらつきがあります。

外観

私はとにかく物事は全て単純な方が好きなので、dp0と比較して釦とか色々外回りに沢山付いている本機の外観には軽く眩暈がします。お笑い漫画界の重鎮である岡田あーみん先生は、スクリーントーンの種類の豊富さに酔い、その場に倒れそうになったとか。どうでもいい話ですが。

構えた時に手が触れるであろう場所が、滑り止め加工されているのが確認出来ます。地味な見た目と造形ですが、安っぽさは感じられません。

無駄に機能が沢山付いていても使いこなせないし、使う心算もないので、機能を絞ってくれれば外面もすっきりすると思うのですが。一眼レフと小型カメラだとこうも外観が違うのかと驚きでした。

機能、操作性

次に、機能や操作性について。手持ちのdp0とKFを比較しながら、率直な感想を述べたいと思います。本当は、センサーが同じAPS-Cの一眼レフと比較出来たら良かったのですが。

dp0を使った後だとずっしりと少し重く感じましたが、慣れたらどうと言う事はありません。本体形状に優れ、グリップの保持性も良く、ストラップでしっかり体に固定すれば手振れを抑制出来ると思います。

右肩のスイッチをONにすると写真撮影、ビデオカメラの絵に合わせると動画撮影です。真ん中がシャッター釦です。この時、写真撮影だと緑色、動画撮影だと赤色に周りの輪っかが点灯・明滅します。電源が入っているのが一目瞭然です。シャツターの切れはdp0の方が良い印象です。シャッターを切った後、記録に時間がかかるdp0と違い、KFは連写出来るのでとても新鮮でした。

dp0は電源釦を押した時だけ一瞬緑色に光り、その後消灯してしまいます。液晶画面が露出していれば良いのですが、撮影時はビューファインダーを装着しているので画面が見えません。液晶画面が見えないと電源が入ったままなのに気付かない事があり、使い終わった後に電源の切り忘れによる電池切れが起きる事があります。夏だと冷房が効いた部屋でも本体がかなり熱を持つので、ぱっと見で電源が入っているのが分かる方が良いと思います。

それから、電池やカード挿入口の蓋の開閉はとても滑らかで確実。この辺りもKFの方がdp0より優れていると思います。電池蓋は、カメラマウントを装着しても干渉しない構造になっています。当たり前ですが、SIGMAのfpは、マウントが当たって蓋が完全に開かない構造欠陥があるので・・・

私がdp0の操作に慣れているのもありますが、個人的に露出とシャッター速度の調整ダイヤルは、一か所にまとめられている方が使い易いです。KFはシャッター釦の前に速度調整ダイヤルが、ファインダーの横に露出調整ダイヤルが付いています。慣れの問題かもしれませんが、KFは時々手元を見ないと調整し辛い事があります。

画質

画質をdp0と比較した時、ぱっと見では劣るものではありません。表現力ではdp0に引けを取らないと思いますが、写真を拡大して細部まで見た時はdp0の方が奇麗なのが分かります。被写界深度が浅いのか、私の眼には前後の奥行きと言うより、被写体を中心として放射状にぼけるように見えます。好き好きですが、ぼけ方はdp0の方が好みです。

KFは焦点を合わせる時、赤色の四角い光がぱらぱらと散って、焦点が合った時に「ピピッ」と音がします。大体その時に撮れば良いのですが、ビューファインダーで拡大して焦点を確認出来るdp0程正確ではありません。

それから、キットレンズの望遠の解像度は悪いです。そんなに良いレンズを使っていないと思いますが、画質が荒く見えるので私は使うのを止めました。焦点距離18mmで撮った時の画質は良好です。

動画はまだ殆ど撮っていないので何ともですが、画質はそれこそウェアラブルカメラの方が良いと思います。それから、上高地で動画撮影をした時は、妙に周囲の雑音を拾っていたと思います。動画撮影の機能は無いよりはまし、と言う感じでしょうか。

写真

KFで撮影した写真を適当に掲載します。私は基本的に写真を加工するのは好きではなく、JPEGでも高画質設定なら充分奇麗だと思うので、RAW現像はしません。ホワイトバランスは殆どが自動任せで、たまに色残しを使う事があります。

ブログに上げる際は自動的にプラグインが圧縮するので、画質が多少落ちています。なので、実際の画像はもう少し奇麗だと思います。もっと腕の良い撮影者ならカメラの性能を引き出せると思いますが、参考までに。

KFは暖色系なので、被写体によっては色鮮やかで生き生きとして見えると思います。明るい被写体との相性が良いかもしれません。

私は無駄撃ちが好きではないので、一枚一枚を丁寧に撮る目的のSIGMAのカメラと相性が良いと思いますが、KFも中々良い画を出してくれます。

鉱物、空、植物、人工物と色々撮りましたが、それぞれの質感が良く表現出来ていると思います。もっと良いレンズに替えたら、もっと奇麗に映ると思いますが・・・

下記画像はKFとdp0の比較です。SIGMAは寒色系と言われているみたいですが、KFの方は暖かい色が出ているのが確認出来ます。花の色と石臼の色を見比べると良く分かります。

下記はかなり寄って撮影した写真です。こうして見ると、dp0はかなり接写に強いのが分かります。同じ距離で撮ったKFの写真はかなりぼやけています。

dp0の方が冷たい印象ですが、実際に肉眼で見た時に近いかと思います。だからと言って、KFの味付けが強いと言う訳ではありません。ホワイトバランスが自動でも最初から温もりのある画になるので、そのような画が必要な時は便利かもしれません。

手振れ

振れ補正が無いdp0と違い、こちらは「ボディ内手振れ補正機構SR」なる機能が搭載されています。どんなレンズでも対応しているそうです。暗い室内だとさすがに手振れが発生しますが、同じ条件ならdp0と比較して発生頻度は低いと思います。明るい屋外なら、余程乱暴に撮らない限りは手振れの発生は無いでしょう。

燃費

シャッターを切る度にみるみる電池が減っていき、自己放電も極めて早いdp0と違い、KFの燃費は頗る良好です。自己放電も少ないと思います。購入してから一年近く経ちますが、まだ多分二、三回ぐらいしか充電していないと思います(使う頻度も低いですが)。

気になった点

初めて一眼レフを購入したので全く知りませんでしたが、この手のカメラには視度調整レバーと言う物が存在するようです。下記画像の赤丸で囲った部位です。

去年の静岡旅行ではdp0とKFの両方を携行しました。KFを取り出していざ撮影とファインダーを覗いた時、視界が妙にぼやけて故障かと焦りました。結局その場では原因がよく分からず、ホテルで落ち着いた時に調べてようやく分かりました。鞄から出し入れする時にこれが不用意に接触するらしく、ちょっとした事で動いてしまうようでした。使い方によるとは思いますが、簡単に干渉しないような構造にした方が良いと思います。これまで使ってきて、気になったのはこれぐらいで、他に不具合は無かったと思います。

最後に

dp0とは性能も用途も違うので、これはこれで繋ぎ以上に活躍の場を見つけて大事に出来ればと思います。レンズキットの実売価格は安い時で10万円を切っていたと思うので、これから一眼レフを購入する人には悪くない商品だと思います。

誤算だったのが、SIGMAのPENTAX用レンズ(Kマウント)は種類も在庫もかなり貧しい状況にある事。申し訳程度の品揃えの上、在庫が殆ど無い。キットのレンズを外して単焦点レンズに替えようかと思いましたが、中古市場を探すしかなさそうで。SIGMA好きなので、他社のレンズに食指が伸びないのです。ズームレンズを装着したfpは動画も撮れるのでKFは不要、そんな簡単には行かず。SIGMAのカメラは動体に弱いので、KFの活躍の場はまだあると思って中々手放せません(あまり動体は撮りませんが)。まだ暫くは遊ばせてもらおうと思います。

記事公開 2024年8月11日

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