初めに
新しくPENTAXのKFを購入したので、専用のストラップが必要となりました。以前からSIGMA用で使っているkisou（キソウ）のストラップが具合良いので、今回もこのブランドの商品を購入しました。以前はacru（アクリュ）と言うブランド名でしたが、いつの間にか変わっていました。
このブランド、商品をあまり在庫として置いておらず、受注生産みたいなのが多いです。以前はよくカメラバッグも作っていましたが、最近は殆ど見かけなくなりました。今回購入したのはカシェ・バルジのビロウドの森と言う商品です。
外観・機能
黒い洒落た封筒が商品と同梱されていました。よくあるお礼の手紙です。商品は黒い布袋に収納されてきました。商品名に「ビロウドの森」とあるように、光沢を押さえた暗く深みのある緑色をしています。
肩に当たる部分が幅広になっており、肩への負担軽減になっているようです。但し、構えた時はこの部分はずれるので、あくまで運搬時にしか役立ちません。
カメラへの取り付けは簡単で、ストラップの取り付け金具の上からテープを通して潜らせ、バックルを通して釦で留めるだけです。迷う事は無いと思いますが、kisouの公式ページに取り付け方法が書かれています。ストラップの長さ調整は出来ないので、体格やカメラに合わせた細かい調整は出来ず、人の方がストラップに合わせるしかありません。
以前購入した古い方はかれこれ8年は使っていると思いますが、多少の痛みはあるものの今でも充分機能を果たしています。kisouのストラップは耐久性が充分あるかと思います。
カメラを購入するとナイロンのストラップが付いてきたりしますが、使い込むほどに味わいが出る革のストラップの方が、よりカメラにも愛着が湧くのではないでしょうか。三脚を使う程ではないけれど手振れを押さえたい状況下で、ストラップを使って保持するのはかなり有効です。
渋鞣しとは
鞣しとは動物の皮革を腐敗から守り、柔軟性を持たせる処理です。このブランドの牛革は基本的に「渋鞣し」で作られていると思います。今だと「フルベジタブルタンニン」とわざわざ横文字を用いていますが、植物の渋＝タンニンを使った鞣しは古くから使われている鞣しの手法です。渋鞣しは皮の製造に時間がかかり、高価な物になります。
安い革だと「クロム鞣し」が使われています。クロムと言っても3価クロムで、6価クロムは使われていません。中国など一部の国・地域では、今でも6価クロムが使われているかもしれませんが・・・6価クロムは毒性が高く、トヨタ自動車でも6価クロム鍍金のボルトなどは使用禁止になっています。巷では3価クロムは無毒である、と言う情報が多いかと思います。しかし、紫外線や高温など一定の条件下で3価クロムが6価クロムに変化する事が確認されています。また、一部の情報筋では3価クロムを無毒ではなく「弱毒」と言う表現を用いている場合があります。やはり、鉱物・金属の扱いは慎重になった方が良いでしょう。
より安く、大量に生産して拡売すると言うのは利権構造の代表です。農業でも農薬・肥料を使わずとも成立できるのは歴史が証明しているのに、それらが無いと農作物が育たないとか価格が高騰すると言った嘘が罷り通っているのと同じです。無害で環境を汚染しない渋鞣しが広く浸透し、置き換わる事を切に願います。服飾は全産業中、第2位の環境汚染産業です。洗濯をする度にマイクロプラスチックが海洋に放出されると言う話もあります。マイクロプラスチックの自然環境への影響はまだ未知数ですが、服の素材も綿や麻など、化学繊維を使わない物に帰還すべきかと思います。
kisouについて
ネット情報を検索すると分かりますが、この会社は対応の悪さが指摘されています。納期に時間がかかる事は最初から分かっていたので、こちらは承知しておりました。商品は無事、納期通りに届きました。しかし、発送前（制作に着手する前）に請求だけ先に来たのには驚きました。恐らく少人数で制作しているので、納品まで時間がかかるのは仕方がないと思います。私の場合、納品に約3か月かかりましたが、注文した翌月には請求が来ました。ストラップ1本の製作に12週もかかるとは思えないので、注文を受けた時点で請求が発生しているのだと思います。決済システム上の問題かも知れませんが、普通は発送の完了をもって請求を立てるのが常識かと思います。実際に、私が買い物をするネット通販の大半はそうだと思います。商売って誠実さが必要ですよね。amazonですら、発送前に請求を寄越したりしません。特に納期に時間がかかるような取引の場合、客に対して悪戯に不安を与えるような行為はどうかと思います。こちらが送信したメールを2回も無視されました。kisouに対しては今回の件で不信感が募りました。
最後に
物としては上等かと思いますが、経営体制に関しては難ありだと思います。何かお洒落なサイトなので興味を惹かれる人は多いかと思いますが、在庫品以外の注文に関しては注意が必要です。商品の評価以外の部分が多くなりましたが、今回はこれにて。
