坂本これくしょん 長財布 「双月」

初めに

今回紹介しますのは、福島県会津若松市に店を構える坂本これくしょんの長財布で御座います。創業は1900年(明治三十三年)で、本物の漆や螺鈿を使った装飾品や、革製品を作る事を生業としています。漆は取り扱いによっては手肌がかぶれてしまうので、現在は樹脂製の漆もどきもあるそうです。

出会いは全くの偶然で、とある店を訪れた際に委託販売されていた、坂本これくしょんの商品達を目にしたのがきっかけです。見た瞬間に惹き込まれ、この機会を逃してはならないと思い、よく選び抜いて購入しました。私は普段あまり現金を持ち歩かないのですが、その日は偶々万札がいくらか財布に入っており、運命だと感じました。本当に幸運だったと思います。

ところで、委託販売の相場は大体三割なのですが繁盛している作家さんはともかく、駆け出しの人には負担が大きいですね。一万円の商品が売れても、委託料を取られると七千円しか戻ってきません。私が販売店なら、買取で対応すると思います。

外観・機能

この長財布につけられた名前は「双月」。読んで字の如く、冷たい双子の月が色違いの箔で表現されています。まるで写真のような月面を思わせる左の月と、光を反射する煌びやかな右の月が、絶妙の配置と造形で施されています。数ある商品の中でも特に目を引いたのが、この双月でした。単純にして至高。究極とは時に陳腐であり単純なのです。下記の様に拡大写真で見ると、表情の違いが良く分かると思います。光が当たると左は鈍く金色に輝き、右は眩しく銀色に輝きます。

本体は牛革を使用しており、生産国は日本製です。会計の時にこんな素敵な財布がすっと出てきたら、何とも雅でありましょう。この商品は定番品ではないのか、現在公式オンライン販売で取り扱っていません。限定品なのでしょうか。いずれにせよ、これもまた天の思し召しでしょう。

購入から数年経過しているので使用感がありますが、上記に財布を開いた写真を掲載しました。中身はファスナー付きの小銭入れが1か所、カード入れが14か所、紙幣入れが6か所あり、収納力抜群です。先ずは左のカード入れの部屋から説明します。カード入れは幅にゆとりがあり、抜き差しが容易に行えます。それでいて、脱落する様な緩さは無く、絶妙な塩梅ですカード入れがしっかりしているので、財布本体がファスナーで閉じる仕様でなくても安心です。カード入れの裏側に紙幣を収納出来ますが(左右2か所)、写真にある通り紙幣の頭が少し出る様な深さです。私はこの収納は普段使いません。

右の写真は隣の部屋で「坂本これくしょん」の型押しが右下に確認出来ます。ここは左に小銭入れがあり、上下から挟む様に紙幣入れが2か所あります。私はここによく紙幣や領収書を突っ込んでいます。反対側にお札入れが2か所ありますが、こちらも全く使いません。型押しがある方の手前の収納は、紙幣の頭が少し出るぐらい浅い作りです。

豊富な収納があって豪華ですが、私には勿体ない作りです。本体がファスナーで閉じない仕様なので、鞄に入れる際にたまに引っかかる事がありますが、閉じる仕様よりも使い易いと思います。開放型だとお金をさっと出せる利点があるのと、ファスナーを閉じた時に紙幣を挟んでしまう事もないので。この商品は見た目と機能が両立した、素晴らしい財布だと思います。

最後に

和の雰囲気を纏った小物、革細工が欲しい人。他では見られない個性を求めたい人にお勧めします。福島は震災で多大な被害を受け、今も完全復旧には至っていません。見捨てられていますから。今財布が欲しいとか、装飾品を買いたいと思っている貴方。安物買いの銭失いをするぐらいなら、貢献と思って坂本これくしょんの商品を購入しましょう。良いものは長持ちしますよ。

私の大好きな服の超一流ブランド、kiryuyrikは震災後に連絡がつかなくなった、東北地方の服飾関係者がいると聞きます。商売どころではなくなってしまったのか、或いは不幸にも命を落としてしまったのか・・・大変だとは思いますが、坂本これくしょんのような職人さん達が留まり、郷里の力になっていることに感動を覚えます。機会があれば、今後も同ブランドの商品を買いたいと思います。

記事公開 2022年9月21日

最終更新 2026年8月13日

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