初めに
今回のお題は、私の自家用車であるスイフトスポーツについて。購入したのは2017年の10月で、所謂フルモデルチェンジ後の初期型になります。現行の型はRSですら、車体剛性が前型のスポーツより高いと思います。性能については、車に詳しい諸氏が解説し尽くしているでしょうから、個人的な使用感や体験談などを提供します。
車は優れた道具であると思っており、それなり愛着があります。また、運転自体は好きですが、専門的な事は詳しくない素人なので、あくまで素人なりの個人的な見解です。発売されてから既に数年経過しているので今更ですが、記事にしました。忌憚と脚色の無い、生の声を届けるのが信条のブログなので、使用者の本音を聞かせたいと思います。
自動ブレーキについて
車雑誌では高評価され批判的な意見は全く見られませんが、実際にはそれなりに問題が起きています。新型スイフトは、安全装置として自動ブレーキが採用されています。カメラとレーザーレーダーで接近する車を感知していますが、結露などで視界が塞がれると作動しません。勿論これは仕方ないのですが、過敏なのか横を通過する自転車や、全くぶつかる危険性が無い時でも作動することがあります。不意を打たれると結構驚きますし、逆に危ないです。初めて採用された機能なので、まだ発展途上なのでしょう。
ハンドルとパドルシフトについて
ハンドルは前型が全面革張りで、凹凸の無いまん丸とした形状だったのに対して、現行型は一部プラスチックの部分が露出しており、全体的に内側が括れた形状になっています。以前のやや太かったハンドルに比べて、個人的にはこちらのほうが滑り止めが効いて操作し易いと感じます。また、各種操作ボタンが付いているので使い勝手が良いと思います。

現行品からパドルシフトが採用されていますが、これが5年の間に2回壊れました。正確にはギアを下げるボタンは問題無く、上げるボタンのみが最終的に殆ど反応しなくなる不具合が発生しました。原因はよく分かりませんが、内部にかなり配線が詰め込まれているので、それが悪さしているのかもしれません。私の場合は2回とも、無償で直してくれました。現在は部品の型番が変わっており、改良が進んでいると思われます。
運転席と給油口について
運転席は所謂バケットシートですが、長年使った感覚で言うと、例えバケットシートであっても体がずれたり安定感が無くなる時は結構あるので、そこまで重要ではないと思います。本格的なスポーツ仕様の改造(4点式シートベルト等)をすれば、がっちりと固定されるかも知れませんが。細身の私であっても、厚着している時は窮屈に感じるので、体格の良い人なら体が収まらないかもしれません。



座席の前後動は、足元の金具がかなり大げさに出っ張っているので操作し易いです。半面、乗り込む時に足が引っかかることがあります。これは私だけかもしれませんが、私はふんぞり返って座るのが嫌いなので、座席をハンドルの方に出来るだけ近付けて、背もたれをかなり垂直に近い位置まで立てます。それが原因だと思いますが、乗ろうとして足を掛けた時、たまにレバーを軽く踏んずけてしまう事があります。
給油口の蓋の開閉スイッチは運転席の足元にあります。たまに給油口の蓋に鍵が無く、外側から押すことで自由に開けられる車種がありますが(旧式のホンダのステップワゴン等)、悪戯されると怖いのであれはやめて欲しいですね。スイフトスポーツは中のスイッチを開けると半開きになるので、給油後にしっかり押して閉め直すだけです。
エンジンの始動について
エンジンをかける時に気になる点があるので説明します。新型スイフトは、シフトがパーキングに入っていて、サイドブレーキを引いていても、ブレーキペダルを踏まないとエンジンがかかりません。個人的には、非常に使い辛いです。パーキングに入れて、サイドブレーキが効いているなら、ブレーキを踏まないでも危険性は全く無いと思います。この類の「お節介機能」は、人の危険予測・危機管理を鈍らせるだけなので止めた方が良いです。
それから原因は不明ですがエンジンをかける時に、ブレーキペダルの硬さが異なる時があります。ぐっと強めに踏み込まないといけない時もあれば、軽い時もあります。乗り替えて間もない頃、エンジンがかからず手間取った事があります。単純に踏む時の力のかけ方の問題で、一分程度か或いはそれに満たない遅れが生じただけでした。どうでもいい個人の体験の話ですが、これが若しかしたら私の命を救ってくれたかもしれません。少し出遅れて会社へ向かったのですが、いつも通勤に使う片側一車線の少し狭い道路で、車が横向きになるぐらいの衝突事故現場に出くわしました。通り抜け出来なかったので、仕方なく引き返して別の道で通勤しました。現場はつい先ほど事故が発生した様に見えて、考え過ぎかもしれませんが、この僅かな遅延が私を事故に巻き込まれるのを防いでくれたかもしれません。
ドライブとマニュアルモードについて
自動車の運動力学についてはさっぱりなので、何となくの感想ですが。前の型(ZC-31S)も乗っていましたが、出足の速さが違うと思います。現行型もオートマチックを購入しましたが、ZC-33Sはトルクが高いせいでしょうか?ドライブモード時にペダルを踏んだ時、少し鈍重な感じがあり、前型より軽快な感じがしません。なんでも、2,000cc以上の車と同等のトルク(スイフトスポーツは1,400ccターボ)があるとか。一旦加速すれば、その後の伸びが良いのであまり気になりませんが。
普段は出足の軽さを求めて、マニュアルモード(パドルシフト)を使っています。しかし、マニュアルモードは1速発進なので、これが問題になっています。ハンドルを切るとパドルシフトのレバーも傾くので、角度によっては操作がし辛いことがあります。ブレーキを踏んで停止した時は、1速まで戻ります。例えば右折時にハンドルを切った時、1速発進だと全く加速しないので手間取ります。私の場合は曲がる時に一時停止した場合、すぐにドライブモードにシフトを変えて対応しています。
また、マニュアルモードと言っても電子制御されているので、機械式のマニュアルならギアを変えられるような状況であっても、繋がらない事があります。繋がらなくてもエンジンが止まらないので問題はありません。変速については回転数で見ていると思われます。極端な話で言えば、回転数さえ達していれば変速可能なのだと思います。
一度、少し怖い体験をした事があります。少し急な上り坂を走っていた時に、3速から一気に5速まで急加速した事があります。自分ではボタンを押したつもりがしっかり押し切れていなかったようで、ボタンを押した瞬間に4速をすっ飛ばした模様です。つまり、回転数さえ上がっていれば、過程を省略出来るのでしょう。2→3→4ではなく、2→6も可能なのではないでしょうか。試したことはありませんが。上り坂だったのが幸いですが、下りならもっと加速がついて事故に繋がっていたかもしれません。
シフトレバーについて
現行の型は上から下へシフトが真っ直ぐ並んでいますが、前型はゲート式でした。これがまた頗る使い勝手が良いのです。手元を見ないでも、直感的に正確なシフト変更が出来たので重宝していました。4速から3速に下げたい時は右に入れるだけで良く、さらに2速へ下げたい時はそのまま下へ引くだけです。少し交通の流れが悪い時や緩い傾斜を下る時は3速、急な坂や積雪・凍結がある時は2速など瞬時に切り替えられるので、とても使い勝手が良かったです。
個人的にばりばりのスポーツ車を求めていないので(そもそもスイフトスポーツはお手軽な大衆車ですが)、機械式マニュアルもパドルシフトも要りません。スポーツの世界でも、両手が使えるという理由から機械式マニュアルは減ってきています。ゲート式のシフトレバーを復活させて欲しいです。
価格・維持費について
価格については、性能を考えると安いとしか言いようがありません。カーナビゲーションなどをつけても220万円程度で購入出来ます。逆にスイフトスポーツと同程度の性能であるヴィッツGR(現在の呼び名はヤリス)が40万円近く高いのが目につきます。ヤリスGRMNのような高級本格スポーツ車を求めないのであれば、スイフトスポーツで充分です。
前型はスポーツでも走行中に車体がぎしぎしと軋んで頼りなかったのですが、現行の型は車体剛性にとても安心感を覚えます。何のかんの文句も言いましたが、加速や足回りにブレーキ性能、外観(好き好きですが)、サスペンションなど性能面では満足しています。日本は公道も駐車場も狭く、山地が多いので、スイフトのような小型で走行性能の高い車は、最も適していると思います。ヴェルファイアのような無駄にでかくて格好悪い車は消えて欲しいですね。はっきり言って邪魔以外の何物でもありません。車は移動手段にすぎず、居住空間ではないので、居心地の良さは拘るところではありません。どうしても税金を取りたいのなら、高級車や無駄に図体がでかい車の所有者からたっぷり徴収すべきです。
ガソリンはハイオクですが、レギュラーと比べても10円程度の違いなので、日頃から長距離を走らない人以外は大して変わりません。それよりも現在の問題は、石油元売りへの補助金が消費者価格に反映されていない(元売りの丸儲け)事でしょう。2023年8月現在、ハイオクの価格がついに180円を突破しました。トリガー条項を発動しないのは復興財源に充てるため、と言っていましたが、その復興財源を今度は防衛費に回そうとしています。政策の支離滅裂ぶり、岸田の無能さが際立っています。ガソリンには原油税、ガソリン税、消費税、暫定税率と4重の課税がされています。道路特定財源が一般財源化されたので、何のための税金なのか。払いたくないですよね。経費削減の為、私はついに、夏場に車内の冷房使用を極力抑えることにしました。朝・夕の気温が高くない時間帯だけですが、少し我慢して冷房を切っています。他の人はあまり真似しないように。冷房を使うだけで燃費は10%低下、馬力は5馬力程下がります。こんなことは人生で初めてです。
話を戻しますと、燃費は前の型より少しだけ向上していると思います。使用環境により大きく異なると思いますが、私の場合リッターあたり2~3kmぐらい向上しました。
排気量が1,600ccから1,400ccターボに変更されたので、税金は少し安くなっています。タイヤはスポーツタイヤなので、交換する時に標準装備の物と同程度の物を求めるなら、4本で12万円ほどかかり、結構値が張ります。前の型では知り合いの店に頼んでも8万円ほどかかりました。今は何でも値上がりしているので、負担が大きいですね。それから、今の型はターボ車になったのでエンジンオイルの交換は定期的に行いましょう。交換しないまま走り続ければエンジンが壊れます。
最後に
スイフトスポーツの購入を検討している人達へ。スイフトスポーツはマイルドハイブリッド化が控えており、現行品の安全装置の精度や、パドルシフトの問題を考えると、モデルチェンジを待った方が良いかもしれません。個人的にはそう思います。現行品は勿論の事、その前の丸くて可愛いスイフトも素晴らしいので、あえてそちらを選ぶ人もいるでしょうが。
電気自動車やハイブリッド車が今後、勢力を伸ばしてくることが予想されており、現行の型は最後の純粋なエンジンを搭載したスイフトになるかもしれません。もっとも、充電池は寒さに弱いので、個人予想としては世界が思っているよりも、電気自動車の普及は進まないと考えています。化石燃料の消費は大幅な削減が必要ですが、結局のところ、個人が使う分にはガソリンでエンジンを回す車が一番安上がりで、環境への負担も少ないのではと思います。それよりも安価で、グリーンエネルギーを使った交通機関の普及や、人口抑止の方がよほど気候変動対策になると思います。
街中を走っていると、車の価値が分からなそうな主婦らしき人達が、スイフトスポーツを運転しているのが多く目につきます。スイフトスポーツは本当に車の価値が分かる人、価格に見合った性能を期待している人、運転するのが好きな車好きの人達にこそ乗って欲しい傑作です。走行を楽しめる大衆車として、これほど優れた物は他に無いでしょう。
記事公開 2022年12月21日
最終更新 2025年9月24日