初めに
2024/11/23開封、価格は6,880円。度数46.0度、容量700ml。産地はスコットランド、アイラ島のキルホーマン蒸留所です。キルホーマンの誕生は2005年。アイラ島に124年ぶりに出来た蒸留所です。
マキヤーベイのフェノール値は50ppm。年数表示はありませんが、3年から5年熟成した原酒(バーボン樽90%、オロロソシェリー樽10%)をヴァッティングしています。正面のラベルの表示を確認すると、冷却濾過と着色はされていません。
静岡のバーVICTORYで飲んで美味しかったので、もう一度飲みたくて購入しました。キルホーマンのスコッチを初めて飲んだのは2019年。バーで飲んだ2009ヴィンテージと、自分で買ったロッホゴルムになります。購入するのは実に五年ぶり。
色・香り、味わい
色は黄金、蜂蜜色。香りは甘い果実と良いピートが感じられます。酸味の強い果実ではなく、糖質の高い果物みたい。南国系の果実と言うか。ブナハーブンのストイーシャやポートシャーロットもそうですが、ピートを利かせたアイラモルトは、果実の香りがする傾向にあるような。
マキヤーベイは真っ青な外箱に輝く「h」の金文字が凛々しく、センスが良い。金と青の色の相性は良いと思います。威風堂々とした瓶や箱のデザインがとても好きだ。ところで、元々貼ってあるラベルが見えなくなるので、輸入販売元が上貼りするのは止めて欲しい。説明書きを読みたいので。これは簡単に剥がれたので良かったですが、よく下のラベルも一緒に剥がれる事があるので。
最初の一口はピート、木の香り、それらが合いまった香ばしさが押し寄せてきました。余韻に塩気あり。三口目ぐらいから豊かな甘みが。外箱の説明に「toropical fruit」とあるように、確かに南国系の果実感があり、少しレモンのような柑橘も感じられます。バニラや香草のような爽やかさもあると思います。
口当たりは軽く、アルコールは強くも弱くもない感じです。一杯目が終わったら、すぐに注ぎ直しました。熟成感はほどほどだが、中身がすかすかした感じはせず、心地良い若さの中に芯が通っている感じがします。香辛料の刺激や僅かな苦みもあり、全体的に均衡が取れ纏まっていると思われます。色んな表情が見えて面白い。
ピート香は原酒の若さ故か、数値以上に強く感じます。少し前に飲んだポートシャーロット10年ヘビーピートが、フェノール値40ppmなのと比較してそう感じました(ポートシャーロットより強い)。ピートの香りは余韻として長く留まります。舌に香ばしさと、マキヤーベイの名を思い出させるような仄かな潮を感じます。後半ほど甘く、美味しく感じられました。これはかなり良い出来だと思う。
ハイボールとオンザロック
私は滅多にやらないが、ハイボールとロックでも飲んでみました。先日職場の飲み会で、アードベッグとラフロイグのハイボールを提供する居酒屋があり(そんな店は珍しいと言うか初めて見た)、それが意外と美味く感じたので。リーデルのロックグラスに丸氷を入れ、マキヤーベイを30ml。ウィルキンソンの炭酸で八割程満たしました。味わい濃厚。少し塩っぽく、割ってもピートの香りが依然として強く残っていました。もう少し炭酸が多くても美味しいかもしれない。たまには良いものですね。
ロックで飲むと酒が氷負けせず、甘さがふわっと広がるようで悪くない。不思議と滑らかで柔らかく感じ、香りも大人しくなった印象でした。やはり私はニートが好みですが、癖のあるアイラモルトを初心者に勧める時、少しは飲み易いかもしれません。
最後に
ポートシャーロット同様、美味しくてついどんどん杯を重ねてしまった。ポートシャーロットに引けを取らない出来だと思います。ロッホゴルムを飲んだのがもう五年以上前で、その時はキルホーマンの印象は芳しくなかったと記憶していますが・・・当時より私の味覚は鋭くなっていると思いますが、キルホーマンの品質自体が上がっているのかも。この品質なら納得だ。
キルホーマンにはもっと高価な商品群がありますが、これなら「お布施価格」ではなく、求めやすい値段で楽しめるのでお勧め出来ます。今回は珍しく、ハイボールとロックでも楽しみましたが、やはり真の愛好家はストレートで飲むのを強くお勧めします。美味しかったです。ご馳走様。
記事公開 2025年1月11日