初めに
2024/12/31開封、価格は9,720円。度数46.0度、容量700ml。産地はスコットランド、瓶詰め業者のブラックアダーの商品です。大晦日に開封。年末・年始用の贅沢品として購入しました。庶民に一万円の酒は間違いなく高いでしょう。

商品名の由来は、有名過ぎるギリシャ神話の怪物キメラ。正確には蛇ではないのですが、次の年は巳年なので相応しい一本です。私が利用する通販サイトでよく見かける瓶詰め業者で、たまにバーに置いてある事も。前から気になっていたので、見た目で購入しました。ブレンドウィスキーですが、モルトウィスキーのみ使用しており、贅沢な商品になりましょうか。使っているモルトウィスキーの蒸留所名や樽は不明。
色・香り、味わい
色は明るい黄金色。開栓するとほんのりとピートの香り、甘い蜜の香りがします。飲むとアルコールは極めて円やかで、やや若い印象。最初に香しい木香、それから林檎のような果実感と穏やかなピートの香り、締めに適度な香辛料。香辛料の余韻は長く続きます。色と木香の具合からして、使っているのはバーボン樽でしょうか?販売店は「パンチの強さ」と説明しているが、むしろ大人しい味わいだと思います。ピートの強さはタリスカー程度と思われます。
飲み進めていくと甘みが強くなって、熟した果実のような感じが増したと思います。何となく、度数を落としたストイーシャのような印象。私が以前飲んだストイーシャより度数が低いが、濃厚さと言うか、味わいの深さが劣らないのはブレンド技術の妙でしょうか。


キメラはもっと度数が高い商品もありますが、これでも実に満足出来るだろうと思います。度数を高くするのは若さを補う為だったり、色々理由があると思いますが、この商品は46.0度で実に美味く、しっかりとした品質であります。原酒が良いのだと思います。
三日目、四日目ともなると次第にチーズ・・・と言うか仄かな発酵臭や、酸味も感じられるようになりました。GarbageのVersion 2.0(名盤ですね)を聴きながら、気持ち良く飲ませてもらいました。
明けて五日目、長かった休暇はこれで最終日。少し夜更かしをしつつ酒を楽しみました。改めて評価すると、果実感はやはり林檎が適切だろうと思います。瑞々しく、新鮮で爽やか香りが立ち上り、目の前に切ったばかりの林檎があるような香しさ。素晴らしい。
マルガット・ロサード
おまけで、同じ頃に開栓したスパークリングワインの事も。最近お気に入りのマルガットですが、定番品より少しだけ高いロサード・セコについて。これも連休の楽しみとして購入しました。
液体はとても美しい色をしています。ロゼと言うより、少し柿色に赤みがさしたような色。煌めく宝石のように奇麗です(写真だと伝わりませんが)。開栓直後に瓶の口から立ち上る、とても華やかな香りが印象的。グラスに注いだ後より、封を切った時の鮮烈な香りが好印象で、香りの良さはこれまで飲んだスパークリングワイン中で一番かも。



注ぐと、弾ける様にしゅわしゅわと言うより、派手にごぽごぽ!と音を立てました。セミ・セコと比較すると甘さは控えめです。母親も飲み易いと言っており、気に入ったようでした。
最後に
ブラックアダーは瓶や外箱のデザインが何となく軽いと言うのか、偏見で侮っていたところがあります。正直なところ、そこまで期待していなかったのですが、期待を裏切る程に良かったと思います。この商品は、値段に見合った美味さがあると思います。蒸留酒は液面が下がるにつれて味が変わる事が多いですが、これは不思議と最初から最後まで、味が変わらず安定していたように感じました。同社の他の商品を試してみたい欲求が湧く程、良い出来だったと思います。ご馳走様。
記事公開2025年2月1日