ミークルトール ザ オリジナル5年

初めに

2025/5/10開封、価格は7,200円。度数50.0度、容量700ml。産地はスコットランドのスペイサイド、グレンアラヒー蒸留所です。フェノール値は35ppm、冷却濾過はしておらず無着色です。ファーストフィルバーボン樽、アメリカンヴァージンオーク樽、ライウイスキー樽の合わせて三種の原酒で構成されています。バーで一度飲みましたが、印象に残ったので購入しました。

この記事を書いている現在、梅雨入りして六月とは思えない程の暑さがやってきました。私は現在の異常気象を気候変動ではなく気候危機と呼んでいます。暑さと湿気で嫌になりますが、美味い酒でも楽しんで元気を出しましょう。

色・香り、味わい

封印を剝がす時、ぎざぎざで鋭かったので注意です。ご丁寧に、ラベルにミークルトールの発音(mee-kuhl tor)が表記されています。色は明るい琥珀色。開栓すると仄かなピートの香り。瓶の口から匂いを嗅ぐと、確かに宣伝通り珈琲っぽさはあるかもしれない。グラスに注いで嗅ぐと、少しの発酵臭と香辛料を感じます。宣伝程には複雑な香りは感じられないが、エスプレッソと言うより、私はチョコレートの方が強い印象を受けました。そして、香りの中に桂皮の様な爽やかさと、つんと鼻を突く酸味を感じます。ピートの香りの中に、今は失われたアードベッグの麻薬的な怪しさが、少しだけ垣間見えた気がします。非常に良い香りです。

春になってからこれまで、酒の肴に春の花を紹介して来ましたが、これが最後。左が牡丹、右が木香薔薇だと思います。木香薔薇は中国原産で、この画像の品種は白木香薔薇でしょう。花言葉は「純潔、初恋、素朴な美」。

続いて左上からクレマチス紫片喰(むらさきかたばみ)、木香薔薇です。紫片喰の花言葉は「喜び、輝く心」。一番下の木香薔薇は、一枚目の木香薔薇とは少し花と葉の形状が違う気がします。今年も短い春の爽やかな陽気と、奇麗な花達を楽しませてもらいました。

次に味わいの評価を。度数は50度と高めで、アルコールの強さがそのまま伝わって来ます。先ずピートの香ばしさが先行し、次いで果実感、最後に鋭い香辛料の刺激がやって来ます。宣伝には味わいを「濃厚なチョコレート、ヘザーハニー、桂皮」などと評価していますが、私は最初どうしてか果実的な印象を覚えました。チョコレートのような風味は余韻が消えかかる頃に感じられたり、よく舐める様に味わうと、舌先にチョコレートの味わいがあると思います。

若くて荒々しい印象ですが、高めの度数で補われる事で、飲める水準に達しているようです。これがもっと低い度数であれば、5年では出せないかもしれません。最初の一杯目の印象はまずまずのところ。ここからどう変化するのか楽しみです。

唸る程美味くはないが、不思議と飲む手が止まらない。この日は休日出勤で、労働の後に飲む酒に喜びを感じました。最近、仕事が原因でストレスが増していますが、傷を癒すかの如く酒が体に沁みたのかもしれません。二杯、三杯と進む毎に、チョコレートのような甘さや香ばしさが増してきたように感じました。余韻に少し塩っぽさと、ほろ苦さがあり、上手く形容出来ないが後味はすっきりせず。淀みと言うのか、舌がざらついて野暮ったさがあります。まだまだ発展途上、可能性を秘めたスコッチに感じます。締めの強い香辛料の刺激のせいで、甘さより辛口が目立ちます。辛口は嫌な感じではなく、しっかりとした骨格があり、もっと探求したくなります。三分の一程消費すると、熟成感が増したと思います。数字にするなら5年以上10年未満と言ったところでしょう。味わいは濃く重たい部類に入ると思います。

バーで最初に飲んだ時に感じた、独特の個性は健在。ピート香と心地良いほろ苦さ、辛口で香辛料の刺激が強く、チョコレートのような味わいもあって渋い印象。ピートはあっさりしており、余韻には殆ど残らないと思います。後半の刺激の強さがそれを打ち消しているのかもしれません。ピートとはまた違った、チョコレートや珈琲のような香ばしさがあるのが、この商品の特徴でしょう。

ジェンマ・ディ・ルナ

おまけでスパークリングワインの紹介を。イタリアのジェンマ・ディ・ルナ。可愛らしい瓶が目を惹いて購入しました。液体は明るい狐色。開栓後、瓶の口から匂いを嗅ぐと苺ジャムみたいな香りがしました。モスカート種は甘い葡萄のようですが、成程確かにとても甘い香りがします。葡萄の強い糖質を思わせる濃い香りです。少し薄荷の様なすっとした香りもあります。

この商品は甘口と言う事ですが、同じ甘口でもマルガットのセミセコより甘く感じました。マルガットの方がさっぱりした味わいだと思います。ラベルに「みずずしい桃やオレンジの花を思わせる・・・」と説明がありますが、確かにこの少しねっとりとした甘さは桃の様な感じでしょう。口の中でとろみを感じ、甘さと相まってこれ単体で飲むべきだと思います。決して食中酒には向かないでしょう。悪くないが、費用対効果とすっきりした味わいと言う点で、マルガットの方が良いと思います。

最後に

品質は良い方だと思いますが、5年物にしては高価で費用対効果が少し悪いかと。同価格帯でピート軽めの競合商品は他にもあると思います。しかし、悪くはない。一度飲んでみる価値はあるでしょう。美味いか不味いかで言えば、はっきり美味いと断言出来ます。ご馳走様でした。

記事公開 2025年6月16日

最終更新 2025年6月18日

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