酒と人生、バー通い 其の二

  • 2022-03-20
  • 2023-04-15
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2022/3/12、去年の7月から随分と間が空いてしまったけれど、久しぶりにバーへ行きました。蔓延防止という意味の無い政策のせいで、しばらくバー通いは敬遠していました。閉店時間が20時と極端に早いためです。昼から酒を提供している店もありますが、余り気が進みませんでした。まだ日が高い内から酒を飲むことに抵抗がある訳ではなく、外で酒を飲む時は夜が深まった時間、20時ぐらいから3時間ほど飲んで、日付が変わる前に帰途につくのが私の好きな飲み方というだけです。でも、解除を待っていたらいつまで経っても飲みに行けないと思い、考えを変えて思い切り楽しむ事にしました。

この日はまだ春でもないのに、初夏のようなとても暑い日でした。上着を羽織って、30分ほどかかる少し長い道程を歩きましたが、汗ばむほどの陽気でした。途中で上着を脱いで片腕にかけながら、黄砂によるものか、大気汚染のせいなのか分からない霞んだ空や、遠くの景色を見ながら思いました。私が子供の頃、空の青はもっと深く暗かったと記憶しています。夏でも早朝は少し肌寒くて薄暗かったのを覚えていますが、今は大気中の塵が光を反射するのか、以前よりも空が明るくなった気がします。畑や田圃の光景はあまり変わりないのですが、それでも何か確実に、年々失われているものがあると感じています。僅か10年か15年ほど前は、4月でも冬のコートを着ていることもあったのに、いよいよ気候がおかしくなってきた。何か手を打たないといけないのに、何もしないのが人類なのだなと寂しく思います。

馴染みのバーへ行く前に、前から気になっていた店を初めて利用しました。店内はほどよく暗く、明るい店が嫌いな私は入ってすぐにとても居心地が良さそうに感じました。バーは店によって本当に性格が違います。照明の明るさや雰囲気、敷居の高低(見た目的な入り易さ)や、扱う酒の傾向など本当に特色が現れて実に面白いです。最初に立ち寄ったA店は、珍しくはないかもしれませんが、ジンの揃えが豊富なのに驚かされました。私がよく利用するB店は店主によると「ジンはカクテルの材料なのであまり高価なものは仕入れない。ストレートで飲むお客さんも少ないから、瓶が空になるまで時間がかかる物にあまり投資をしない」とのことでした。だからと言って、B店主が拘りの無い人と言う訳ではなく、マティーニはロンドンヒルのジンと、セイクリッドのヴェルモットを使って作っています。

画像にはありませんが、まずは王道のカクテルであるマティーニ、続いてジントニックを作ってもらいました。使用するジンとヴェルモットは「その日の気分や気候で決めている」らしく、特定の銘柄に固定されていないようです。通常、三種類のジンを混ぜて作っているらしく、それだけで私には風変りに感じました。私が無知なだけかもしれませんが。ただ、ショリゲルは好んで使うことが多いと言っていました。グラスはカクテルグラスではなく、細長の「映画で死んだ仲間を謹んで飲む時によく使うようなショットグラス」?に酒を注いでくれました。複数のジンを混ぜて作っているだけあって、味に複雑さがありながらしっかりまとまっていて、今まで飲んだ中で一番美味いマティーニかもしれません。

ジントニックも美味しかったです。自家製のトニックを使っているらしく、色は無色透明ではなく、黄色っぽい感じでした。近隣の障がい者支援の事業所から無農薬の野菜やハーブを買って材料に使うこともあるらしく、その事からも好感が持てました。酒の勉強のために欧州へ赴いたり、日本に正式な流通で入って来ているジンは、ほぼ全て試しているなど、勤勉であり本当に好きでやっているのだなと思わせる人でした。

その後、上の画像にあるブルターニュ地方の蒸留所、ゴルヴェロのオリオン1672とフェルディナンズの5周年記念のジン(ハーフ)をストレートでいただきました。どちらも大変美味しかったです。普段はどれだけ飲んでもほとんど酔わない私ですが、この日は何故か回りが早く、一店目で既に酩酊感がありました。よって、かなり記憶に欠落があって、画像もぶれていたりあまり綺麗に取れていませんが悪しからず。

続いてB店。まずはいつも通りに旬の素材を使ったカクテルを注文。この日は甘夏のカクテルでした。店主とコニャックやカルヴァドスの話が始まって、その内に古いカルヴァドスを勧めてくれました。ブラーのカルヴァドスを二種。左のは年数を忘れましたが、下の画像、右の物は瓶詰が1922年。つまり100年前!!両方ともハーフで出してくれました。大変貴重なお酒ですが、A店の合計よりも安く出してくれました。A店主も「B店の○○さんは、反則的な安さで出している」と言っていました。現在と素材の質も違うでしょうが、だからと言って「100年前の味がする」と言う訳ではなく、現代に流通している物と大きく変わらないと感じました。私の舌は頼りにならないかもしれませんが。気の利いたことを言えないので、ただ美味いとしか説明できません。保存状態が良かったのか、劣化は全く感じませんでした。今後二度と呑む機会はないでしょうから、記念として記憶に残しておきます。

その後、時事的な話題としてロシアのウクライナ侵攻や、政府のお粗末なコロナ対策の批判などに花を咲かせ、景気よく飲みました。西側のNATO拡大は面白くないでしょうが、それでもウクライナを攻撃する動機としては弱く、正当性はないでしょう。イラクを攻撃したアメリカには批判されたくないでしょうが。イラクには侵攻するのにウクライナには派兵しないとは、戦争拡大(大国間の戦争勃発)を恐れているというより、金にならない戦争をしたくないとしか見えません。困っている国があれば、騎兵隊として馳せ参じるのが国連の役目でしょうに。ミャンマーも中国も放置とは情けない・・・

久しぶりに外で飲む酒でかなり饒舌になって、自分でも驚くほど酩酊していて何を飲んだのかもはっきり覚えていません。画像にある酒は飲んだ物もあれば飲まなかった物もあります。シャトー・ド・ブルイユのモルト、ボウモア、アーマー、QE2(クイーンエリザベス2号)などは飲んだ筈ですが・・・QE2などはこちらが頼んでいないのにシングルぐらいの量で注いで出してくれました。多分ですが、それは会計に含まれておらず、奢ってくれたように思います。はっきりと覚えているのは、この日飲んだものは全て美味しかった。

ハーフで飲んだものも多かったですが、少なくとも2店合わせて11杯は飲んだと思います。別れの挨拶はいい加減だったような気がします。隣で煙草を吸う人がいたせいか、気分が悪くなったので逃げるように帰ってしまいました。私は大の煙草嫌いで酒を飲む時に臭いを嗅ぐと、ほぼ確実に悪酔いします。A店はバーにしては珍しく禁煙だったので助かりました。

足元を少しふらつかせながら無事家に辿り着いたら、そのままベッドに倒れ込みました。時間は午後9時。すぐに眠りに落ちてしまって、目覚めたのは午前3時過ぎ。それから慌てて「お風呂入らないと!」と思い、汚れを落としてから、ビールを飲みながらたこ焼きを食べました。前日に買っておいた物を食べ忘れていたのです。あれだけ酔っていたのに僅か6時間ですっかり酒気が抜けてしまう自分に呆れつつ、飽きもせず向かい酒をしながら早朝に再び眠りにつきました。こういう日がたまにはあっていいでしょう。

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