初めに
2024/10/16開封、価格は4,330円。度数43.2度、容量700ml。産地はメキシコのオアハカ州(プエブラ州でも作られているとか)、モンテロボスのメスカルです。以前バーで飲んで美味しかったので購入しました。メスカルを購入するのは二年ぶりの二本目でした。
モンテロボスの名前の由来は、オアハカ州のセロ・モンテロボス山脈。商品名の通り、エスパディン種のアガベを地下で焙煎し、少量ずつ蒸留されています。ラベルに記載されている「JOVEN(ホベン)」とは、所謂NAS=No Age Statementの事を指します。
色・香り、味わい
色は無色透明。開栓した瞬間はテキーラっぽい香り。グラスに注ぐとテキーラとは明らかに違う野性的な香りが漂い、発酵臭や煙の香ばしさが感じられます。瓶の前面ラベルの「NOSE」の説明書きにはgrass、wet soil、honey、ashと表示されています。私には香りは大地だとか草よりも、チーズのような発酵臭と蜂蜜・・・かどうかは分からないが、とても良い甘い香りが占めていると思います。次第に新鮮なアガベの香り、香草のようなすっとした感じも伝わって来ます。
上記画像にある通り、注ぎ口が大きく横に広がっており零しそうなので、最初は径が大きいニートグラスを使いました。瓶は厚みがあり、ずっしりと重い。かなり重い瓶です。
口に含んだ瞬間、ピートとはまた違った香ばしさが即座に広がります。少しゴムのような香りが感じられますが、エンピリカルみたいな人工的な感じはしません。アガベを焙煎しているので、きっとその時にこの香ばしさの元が誕生するのでしょう。
アルコールはやや強く喉がかっと熱くなるが、引っかかる程ではありません。土の匂い、青々と茂った草のような香り、野性味と自然の力強さを感じられます。豊かな甘みがありますが、締めは香辛料的な刺激を伴い辛口で終わります。何となく余韻に、すっとした香草のような感じがあると思います。
甘さは結構あると思いますが、締めが引き締まっているので芯が通り、凛々しさのある酒だと思います。非常に均衡が取れています。ラベルの「FINISH」にはchocolate、green pepper、burned woodと表記されています。chocolateと言う単語がありますが、カカオの香りと言うより私には、中にリキュールが詰まったチョコレート(ボンボン)みたいに感じました。酸味があるのも影響していると思います。香辛料的な刺激がありますが、胡椒よりもgreen pepperとあるように、青唐辛子みたいな、ちょっと鋭い感じの刺激かと思われます。後は木炭だとか焼いた紙のような香り、煙草みたいな香ばしさが確かに存在しています。苦みが少しありますが、程良い感じで気にならないと思います。
これを飲んでいた時、気温はそこまで高くなかったので揮発は遅い筈ですが、香りが飛ぶのが早い気がしました。注いだらあまり時間をかけずに、さっと飲んでしまうべきでしょう。
メスカルは一見テキーラと印象が違いますが、アガベの香りは共通しており、途中からテキーラのような香りも感じられるようになりました。よく賞味すると野性的なメスカルの風味の間に、テキーラの性格が見え隠れし、どちらも味わっているような気がして何だかお得な感じです。
モンテロボスが持つ甘さはお菓子のような甘さより、熟した果実のような気がします。テキーラよりも癖が強い酒ですが、上手く相性が合えば引きずり込まれます。気が付くと注ぎ足している魔性の酒です。
残り少なくなってくると、最初の方のかなり甘い感じは殆ど消え、辛口で果実感がある味わいに変化しました。ブランデーっぽい風味と言えばいいのか、面白い変化をしたと思います。あてにミックスナッツが良い感じでした。
最後に
序盤・中盤・終盤と複雑に味わいが変化し、非常に楽しませてくれました。メスカルはテキーラと同じく、流通量のせいか最近は高価な物が多いですが、この商品は良心的な価格だと思います。この価格にして、ちょっと信じられないぐらい美味い!!少し高いですが、常飲用として手元に置きたいぐらい美味いと思います。モンテロボスの商品群では安い方ですが、これより価格が上の商品には手を出さず、もうこれで満足して良いのでは?と思わせてくれました。クラフト〇〇って紛い物が結構多いけれど、これは本物でした。大変美味しかったです。ご馳走様!
記事公開 2024年12月8日