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ササキ工芸 スイッチプレート

初めに

我が家は築40年以上の木造平屋で、いたる所に老朽化が進んでいます。木造建築の瓦屋根ですので、重い瓦の負荷や木材の特性などで歪み・しなりが出るのでしょうか。戸の締まりが悪くなったり、窓の隙間が広くなったり色んな問題が出てきています。最近になり、廊下の3路スイッチの効きが悪くなってきたので、スイッチの交換ついでにスイッチプレートも新調しようと決めました。安っぽい上、変色もするプラスチックが嫌いなので、古い木造建築に相応しい木製の物を選定。そこで候補に上がってきたのがササキ工芸と言う会社の製品です。価格は一枚2,000円程度でした。

スイッチ交換

元々付いていたスイッチにはNATIONALの文字が、取付枠には松下電工の文字が確認出来ます。既に存在しない社名に時代を感じます。スイッチは螺子で締め付ける仕様で、現在流通している差し込むだけの物と違い、これまた古さを感じます。

新しく用意したのはPanasonicの3路スイッチと取付枠。どちらも日本製です。基本的にPanasonicの電材は全て日本製だと思います。スイッチは落ち着きのある色の方が良いので黒にしました。Panasonicの表記では3路スイッチがC、片切りスイッチはBとなっています。取付枠は錆びたり腐蝕している可能性があったので、スイッチを取り外して使い回すのをやめて一緒に購入しました。

ちゃんと基本を守り、停電させてから検電器で確認を取った後に作業開始しました。やることは簡単で、配線を外して新しい物に差し直すだけ。すぐに終わる予定でした。しかし、作業完了後に試験すると思わぬ事態が。片方のスイッチを入れても全く反応せず、もう片方でしか入り切りが出来ない状態になりました。Aは自由に入り切り出来るが、BはAが入っている時にしか操作出来ないと言う具合です。交換前は普通に使えていたので困惑しました。

言葉だけだと分かり辛いので図にしました。エクセルで製図しましたが、妙に動きが悪いのと、お節介機能に目を瞑れば良いソフトだと思います。家計簿や年賀状の作成から、Snipping Toolを併用した画像加工まで色々と重宝します。

さて、下の結線図1はごく一般的な繋ぎ方です。電気工事士の試験でも、このように繋がないと多分落ちると思います。

次は常識通りにつないだ結果、片側が入っている時にしか点灯・消灯が出来なくなった結線図2です。文系の頭なので理数系に関して頭の回転が鈍く、絵を起こさないとよく分かりませんでした。3路スイッチAの方が母線と繋がっているので、A側が3に入っている時にB側も3に合わせれば点灯・消灯が可能です。対してB側は電圧が乗っていない方なので、A側が1になっている時はB側で1にしようが3にしようが永遠に点きません。本来は、どちらか一方の0に常時電圧が掛かっているのが基本です。

どうやら最初に我が家の電気工事をした人は、VVFの赤色を母線の黒色と繋いだようです。今から40年以上前ですが、今と常識が違うとは思えないのですが・・・

片側でしか操作出来ないようにする、と言うのも何か意図があってやっているのなら構いません。しかし通常の使い方で言えば、例えば階段の照明を1階と2階両方のスイッチで入り切り出来るのが便利な使い方です。いくつかのサイトでこの応用的な使い方が「普通です」みたいな書き込みを発見しましたが、全く普通ではないので知ったかぶりは止めて欲しいです。

最後に、線を繋ぎ直して正常に動作するようになった結線図3です。最終的に使用出来れば問題ありませんが、なんとも気持ち悪いです。マイナスドライバーを突っ込んで誤結線を直す時、思いのほか固く全然抜けてこなかったので難儀しました。線を外す前に、どのように繋いであったか確認しなかった私も悪いのですが。他人の施工は信用しない方が良いでしょう。

電気屋が使う言葉に「くしあみ」と言うものがあります。黒・白・赤・緑の頭文字を取って繋げた言葉です。芯線を使う時の優先順位なのですが、緑は基本的に接地用なので、使うとしたら最後になります。なので3路スイッチの結線も、通常は若番から黒・白・赤となります。つまり、0=黒、1=白、3=赤の順です。当然ながら、二つのスイッチで色と番号を統一します。

よく工場で信号などを取る時には、足りなかったり後日増やしたい時の為に、余裕を持って線を引っ張ります。欲しい信号が二つであっても4芯の電線を引くとか、そういう具合です。余った線は予備線として、テープを巻いて処理します。工場の制御盤の繋ぎ等で時折見かけますが、この順番を無視して緑の線を先に使う輩がたまにいます。今回私が遭遇したのも、このような非常識な施工です。無駄な事に拘りを持つ必要は無いので、基本を忠実に守って欲しいものです。

本題

ここから本題のスイッチプレートの話に移ります。ネット通販で購入しましたが、ウォールナット材の物が品切れで、オーク材の方しか選択の余地がありませんでした。包装はビニールのみの簡易的なもの。今の時代、ごみにしかならない過剰な包装より、こちらの方が正しいと言えるでしょう。螺子は黒塗りと銀色の二種類が付属しています。私は目立たない黒を選択しました。

表面はウレタン加工がしてあります。家具など木工製品はだいたいウレタン加工かオイル加工ですが、私としては、無加工の無垢材が欲しいところです。卓上フライスと木材があれば自力で作る事も可能ですが、投資に見合わないので買った方が安上がりです。檜を使った無垢材の商品が、お手頃価格で購入出来たらと思います。

裏面にはカッターを当てた跡が三か所ほどありました。Zの0(底面の高さ)を出す為に何処か一点当てないといけないのですが、それにしては妙に段差が付いていました。普通段差は均一になる筈ですが、所々目立った跡(明らかな窪み)が付いています。木材の加工はやった事がないので詳しい事は知りませんが、バイスに挟んだ時に反りや歪みが生じ易いのでしょうか。裏面なので目立たないと言う理由から、そこまで綺麗に仕上げていないのかもしれません。特に不満を言いたい訳ではありません。

上は交換後に撮った写真です。和の建築に対して親和性が高いのが確認出来ます。やはり和の建築は美しいですね。建築に関して言えば、日本の木造建築が世界で一番美しいと思っています。

注意点として、今回私が交換したようなあまりに古いスイッチの場合、プレートに適合しない可能性があります。プレートの切り込みとスイッチの形状が合わず、スイッチが穴を通過しないのです。

シックハウス症候群と言う言葉がありますが、やはり安全な建材は木材しか無いと思います。建築法に適合した耐火性のある柱が存在しますし、学校等の建物は国産の木材を使って建てるべきだと思います。木造校舎の方が、生徒達も気持ちよく勉学に励めるでしょうし。名前を失念しましたが、木造建築に対する補助金があった筈です。檜を使った有名な建築物に法隆寺がありますが、1,000年経っても健在なので石の建築にも負けていません。

自由貿易の名の元に安い外国産木材に押され、日本の林業は衰退しました。里山を放置して荒れれば、竹林ばかりになって実りが無くなり、猪や鹿などは人間の農作物を荒らすようになります。天敵の日本狼は日本人が絶滅させてしまったので、彼らは増え放題ですし。自業自得ですね。「里山整備」は無料でやれるので、地主の人は活用すると良いでしょう。10年前後は農地転用してはいけない、と言う制約はあるようですが。建材以外でも竹炭、燻製チップ、薪など色んな事に木材は利用できます。使い捨ての湿気取りの代わりに、干せば何度でも使える竹炭を部屋に置いたり。化石燃料ではなく薪ストーブ等で暖を取ったり。調理や暖房に使った後の灰は、畑に播けばいいので無駄がありません。農福連携(農業と福祉の連携)と言う言葉がありますが、福祉法人は農業だけでなく、林業とも繋がってはどうかと思います。

大戦中の空襲などが原因で、戦後の建築は木造が減った経緯があるようですが、極めて特殊な状況下を基準にしても仕方ないと思います。文化や景観の保全、林業の再興などの為に、瓦屋根の木造住宅をもっと増やすべきだと思います。

最後に

商品以外の内容の方が濃くなってしまいましたが、概ね満足な品物でした。値段は相応なのかよく分かりませんが、品質は悪くないと思います。ただ、ウレタン加工がしてあるせいで表面がてかてかとしており、ぱっと見が「木目調プラスチック」みたいな感じなのが残念です。傷が付きにくいのかもしれませんが、表面処理をするより無垢の方が味わいがあります。傷が付き易い方が大事に使うようになりますし、傷は思い出や愛着に変わります。檜や杉の無垢材を使った同様の商品は他社に存在するようなので、いずれ機会があればそちらも試したいと思います。

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