旅の記録 その四 常滑市 日本の伝統 焼き物の街を散策

初めに

2024年某日、愛知県は常滑市に訪れました。何年か前に友人に連れられて来たのが初めてでしたが、その時に常滑焼との邂逅がありました。出会った瞬間に惹き込まれ、即断即決で珈琲杯や茶器を購入しました。この友人はいきなり計画性も無く人を連れ回す気質ですが、この時ばかりは感謝しました。使っている内に杯を割ってしまったり、新しく何か購入したいのもあり、再訪しました。常滑焼は平安時代の後期に誕生した伝統工芸品で、日本六古窯(にほんろっこよう)の一つと呼ばれているようです。

今回は前回訪れたとこなめセラモールだけでなく、個人店やとこなめ散歩道も回りました。常滑市の事を殆ど知らないので、大人しくネットでお勧めの観光場所を検索して回りました。

TOKONAME STORE

先ずはセラモールに行き、そこで陶器ではなく革製品を購入しましたが、その件については「別記事」で紹介したいと思います。セラモールを後にし、近場の飲食店で空腹を満たした後、最初にTOKONAME STOREへ向かいました。このお店は車庫と言うか倉庫と言うか、そのような建物を改修したお店です。最近このような造りをよく見かけますね。

このお店は焼き物体験もやっているようで、店員さんが窓から好きに眺めて下さいと言ってくれました。撮影の許可をいただいて、お店の写真を少しだけ撮らせてもらいました。

こちらで扱っている商品は、近くの工場で焼いているとの事でした。上記画像の机上に並べられている、薄桃色や水色の可愛らしい陶器に目が留まり、少し大きめの杯を購入する事にしました。この商品は土を染めた状態で焼いているそうです。

ほぼ真っ白な外箱が付いてきます。箱も陶器も、思い切り良く単純で飾りがありませんが、この単純さが気持ち良いです。可愛らしい色も捨てがたかったですが、結局地味な色を選びました。珈琲や汁物に使おうと思います。

次に向かったのはやきもの散歩道。せっかくだから買い物だけでなく、焼き物の町並みを拝見しようと思いました。自動車で来る人は近くに大駐車場があるので、そこに駐車して回ると良いでしょう。駐車料金は300円で、販売機のような物で駐車券を購入します。無人なので無賃駐車する輩が現れそうですが、そのような仕組みになっています。発券したら車内の適当な位置に置いて、外から見えるようにするだけです。

やきもの散歩道

やきもの散歩道周辺は、焼き物を取り扱う個人商店や、飲食店が集中しています。日本人と同じくらいアジア系の観光客が目立ちました。お洒落な飲食店がいくつか散見され、コメダではなくこちらで食事した方が良かったと後悔しました。

歩道や壁など、至る所に陶器が埋め込まれています。観光客は多いものの、安っぽい観光地化されておらず、古い歴史を感じる町並みです。要所要所に案内看板があるので、迷う事はないでしょう。

現代日本では建売や、安っぽくて外壁が白くて四角い家、草木が生えずコンクリートで土を覆い隠した無粋な無国籍建築が大半です。こちらは瓦屋根や木造建築が目立ち、古き良き日本が残っています。

傾斜はるものの緩やかな所が多いので、歩くのには余り困らないと思います。案内看板を見ると近くに公園があるようなので、そこへ行ってみました。看板に登窯広場とありました。

公園と民俗文化財

ネット情報でも確認出来る派手な公園と、その近くにある国指定重要有形民俗文化財である登窯(のぼりがま)を見て回りました。公園は何やら現代芸術っぽい意匠が施された場所でした。こちらには雪隠があります。

焼き物の窯についてはよく分からないので、ざっと眺めて写真撮影しました。古い町並みの中に重要文化財があるので、とてもしっくりきます。これがビル群の中で申し訳程度に佇んでいるのであれば、魅力半減ですから。

いつも通り、寸暇を惜しんでせかせか行動しているのでじっくり見られませんでしたが、帰りの時間もあるのでさっさと陶器を買いに行きました。

morrina

セラモールはどちらかと言うと、大量生産品のような陶器しか扱うお店が多い(と思う)ので、もっと一点物みたいな商品を求めてmorrinaと言うお店へ行きました。モリーナと読むようです。こちらは撮影禁止だったので写真が無くて残念ですが、とても趣のあるお店でした。古民家と言うのか、年季の入った建物を改修していました。柱や梁にVA線が剥き出しの状態で打ち込まれていましたが、その粗っぽさが逆に良い味を出していました。私は広い空間が嫌いなので、やや狭く天井が低いこのお店は居心地が良く、陳列棚に整列した陶器達と内装を眺めているだけでも、一日過ごせると思います。このような素敵なお店を構えられるのは、冥利に尽きるでしょう。実に羨ましい。

商品の中でも私の眼には、偉才を放っているように見えた陶器がありました。後で分かりましたが作家は東京都出身の大原光一氏です。おちょこだと思いますが、鉄分が含まれているか全体的に黒っぽく、艶の無い部分と光沢が入り混じり、流れた薬が美しい逸品です。暫く眺めていると店員さんが類似品を持ってきてくれて、その中から好きな物を選ばせてくれました。

甚秋陶苑二代目である伊藤成二氏制作の湯呑(だと思います)も購入しました。安物と違い、良い陶器は白の発色が違います。側面の模様がまるで虹のように見えて美しいので、この商品も一緒に購入しました。お茶は好きではないので全く飲みませんが、何を注ぐかは使用者の自由なので、水でも酒でも好きなように使いたいと思います。こちらは二脚一組でした。

今回私は平日に常滑市を訪れました。後で気付いたのですが、この辺りの個人商店は平日休みが多いのです。他にも回りたいお店がありましたが、休業日なのでどうしようもなく。それから、店仕舞いが早いところが多いので、土日の早い時間に訪れるのが良いでしょう。長時間労働しないのは極めて健全なので、文句は言えません。次に、前回訪れた際に購入した陶器達を紹介します。

珈琲杯と茶器

残念ながら作家さんの名前は忘れてしまいましたが、普段使いしている珈琲杯と母に送った茶器一式をご覧に入れます。セラモールのかねよ渡辺陶器店と言うお店で購入した物です。せっかくあげたのに母は茶器を全く使ってくれません。

店員さんによると、ご多分に漏れず常滑焼は後継者不足で、現在の作家がいなくなったら二度と作られない物が多いようです。国と国民はオリンピックだの万博だの、汚い金の匂いがする事に金を使わず、日本文化の保全にこそ力を入れるべきでしょう。自公維が存在し、クリスマスとかハロウィンで馬鹿騒ぎしている今の日本では無理でしょうけれど・・・次に、珈琲杯を二点ご紹介。

残念ながら、作家さんの名前は失念してしまいました。自宅で珈琲を飲む時はいつも、これらを使っています。

上質な陶器で茶や珈琲を飲みながら読書をするとか、客人を持て成すとか。人はこういう事に金や時間を使うべきで、その為に普段は質素倹約でお金を溜めて、本当に良い物に投資しないといけません。

最後に

今回も良い品を調達出来て良い旅でした。次回訪れる際は、散歩道周辺でゆっくり食事も楽しみたいと思います。常滑は散策・買い物など含めて、半日もあれば充分楽しめるところです。陶器に興味がある人、古い町並みが好きな人にはお勧めの観光場所です。

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