旅の記録 その三 静岡県 寸又峡から堂ヶ島まで 前編

初めに

2023年10月某日、静岡県に一泊二日の旅行へ行ってきました。5年前から温めていた計画でしたが、ようやく時間が取れたので、気象情報を調べてすぐに予定を組みました。私はあまり買物とか都市部には興味が無いので、専ら自然観察が目的の旅しかしません。歴史情緒溢れる古都ならともかく、下品なネオンがぎらつく街並みや、ビルや車やコンクリートなど、日本の何処でもある物を見ても楽しくないので。大阪に一度行った事がありますが、酷い街並みでした。

私が社会人になってから泊りで個人旅行に行ったのは、たったの二回。友人と一緒に一泊二日の旅が二回のみです。福祉系の仕事に転職する前は20年間で有給を使ったのがたったの一日という、仕事漬けの悲惨な毎日でした。正に後進国である日本を象徴するような劣悪な労働環境で働いてきたので、時間も気力もありませんでした。福祉系の仕事は極めて低賃金で、やはり労働環境は酷いものですが、それでも自分が「部品を作るための部品」と言う感覚から逃れられたのでましだと思っています。

最初から暗い話になりましたが、自分にとっては泊りで旅行に行くなど、今までは有り得ない話で最高の贅沢なので、しっかり満喫してきました。

NEXCOに金を払いたくないので、只管下道だけを走行しました。労力やガソリン代を考えると、結局高速道路の方が安上がりかもしれません。それでも、利権団体には一円たりとも金を落としたくないので。意地でも下道を突き進みました。

初日は寸又峡から日本平を訪れ、二日目は西伊豆の堂ヶ島まで行きました。かなりの強行軍となりましたが、不思議と苦になりませんでした。各所の歴史や見所等の詳細説明は専門家に任せるとして、当ブログらしく忌憚の無い旅情や体験を率直に綴りたいと思います。

寸又峡までの道のり、麓の街

寸又峡までの経路は色々あると思いますが、東海地方や西日本から来る人であれば、浜名バイパスを使って海沿いを走るのも良いかと思います。80kmで走行が可能で片側2車線のため、極めて車の流れが良いです。有料道路なら新東名高速道路で真っ直ぐ突っ切れますが、浜名バイパスは沿岸部を大きく迂回した後、都市部に入り込むので当然余分に時間がかかります。時間が気にならない人、下道上等と言う人であれば、海を横目に走るのは気持ち良いのでお勧めします。国道1号の流れは悪くありませんが、午前6時を過ぎると交通量が増え、途中一車線の所だと鈍い車が後続車を詰まらせる事もあります。私は浜名バイパス経由で寸又峡を目指しました。

国道473号に合流した所で小休止。ミニストップ金谷町店(だったと思います)でトイレに立ち寄り、ブラック珈琲とパンを一つずつ購入。強行軍のためまともに休憩・食事を摂る気も無く、水分補給をして素早く食事を流し込みすぐに出発しました。初日の水分はナルゲン2本を携行で済ませています。長時間の運転の後に飲む珈琲は格別でした。ここで燃料補給を忘れても、まだこの先にガソリンスタンドがあるので大丈夫です。この時点での時刻は8時40分頃。

この辺りのから寸又峡の案内が出始め、路上の看板に「寸又峡まで59km」と表示がありました。ここから山道に入っていくものの、まだ本格的な山道ではなく、静岡らしい茶畑を横目に緩やかに進む事が出来ます。

大井川

麓の街から少し走ると、大井川に出くわします。この辺りには道の駅もあったと思います。今回の旅行は事前に殆ど情報収集していなかったので、大井川との遭遇は意表を突かれました。今は亡き元民主党議員、石井絋基氏の著書である「日本が自滅する日」(別記事参照)でも登場するあの大井川です。

全長160km、かつては豊かな水量を誇る河川で「箱根八里は馬でも超すが、超すに越されぬ大井川」と民謡で歌われた程でした。しかし大井川ダムの建設や森林破壊により保水力が失われ、水量が大きく後退しました。自分の目で実際に確かめると、これまで見た事が無いような圧倒される程の川幅が有り自然の力強さに敬服しました。中々撮影する良い場所が無かったので、分かり易い写真は撮れませんでしたが、下記に掲載します。

一方で彼の著書にある通り、水量が極端に衰えて干上がった川は正に「川の砂漠」としか形容が出来ない、非道い有り様でした。しかも其処彼処に砂利の山が築かれ、重機が散見され、この期に及んでまだ何か人の手を加えようとする動きが確認されました。この荒涼とした光景を目の当たりにして、胸が痛まないのは人ではないと思います。

ところで、私は泉房穂氏と言う御仁を最近知りました。この方は明石市長を務めた他、石井絋基氏の秘書を務めたこともあると知り、とても感慨深いものがあります。新自由主義的な考え方や、財務省、自民・公明や維新のような連中を公然と批判してくれる有難い存在です。彼は司法試験を合格していますが、同じ合格者でも橋本徹とは雲泥の差ですね。

川根町から山道へ

大井川を横目に北上すると、やがて川根町に到達します。ここから先は険しい山道が続き、給油出来る最後の場所となります。ENEOSやコスモ石油など、少なくとも4軒はガソリンスタンドがあったと思います。名前は失念しましたが、大井川に架かる橋の看板に残り43kmの表示が見えました。

川根町を通過すると、Googleマップでも確認できる通り、かなり曲がりくねった山道が続きます。傾斜は左程ですが、すれ違いが出来ないような狭い道や、見通しの悪い箇所が至る所にあり、注意が必要です。見通しが悪い所では徐行を心掛け、暗所では昼間でも灯火を点灯すると良いでしょう。対向車とは道の譲り合いを心掛け、擦れ違い時には手を上げて挨拶を交わしました。

寸又峡が目前に迫ると残り4km、3km・・・と言う具合に1km置きに表示が有ります。ここまで来るとあと少しで到着するぞ、と言う安心感が出てきます。

バイクに乗ってやって来る観光客もいましたが、私は「バイクには道を譲らないといけないと言う風潮」が嫌いです。公道はレース場ではないので。後ろにぴったりと付かれるのが嫌で結局道を譲ったりしますが、そんなに死に急ぎたいなら、横からさっさと追い抜いて行って欲しいです。

寸又峡

長い山道を抜けて、ようやく寸又峡に到着しました。途中写真撮影のため止まる事もありましたが、麓の街(最初に立ち寄ったミニストップ)からここまで1時間30分かかりました。時刻は10時10分頃。入り口には寸又峡温泉の看板と水車が。駐車場は有料で500円かかります。このような辺境ではこういった料金も貴重な収入源でしょう。番をしているご婦人に気持ち良く払いました。

トイレが駐車場付近に建っていますが、「かわや」と書かれているのに風情を感じます。山奥のトイレにしては清潔だったと思います。

観光案内所、図書館と言った建物がありますが、時間の都合で撮影だけで済ませ先を急ぎました。尚、写真に他の観光客が映り込んでいる事がありますが、「個人を明確に特定出来るほど鮮明な時のみ」モザイクをかけます。

観光案内所を抜けると、如何にも山村と言う風情の町並みが見られます。生活圏なのでみだりに写真を撮っていないので、言葉だけで説明します。町は緩やかな傾斜地になっており、道路はしっかり整備されています。変に観光地化されておらず、かと言って寂れた様子もなく、良い意味で田舎情緒が出ていると思います。民宿もあり、ここで骨休めをするのも一興でしょう。

後日、現地でいただいた「寸又峡イラストマップ」なる物に目を通すとこう書かれていました。「寸又峡温泉では①コンパニオンは置かない②ネオンサインはつけない③山への立て看板は設置しない。」安っぽい観光地化しない為の信念が覗えます。

旅路を急ぐ身として商店の立ち寄りは考えていませんでしたが、食事処や土産物屋等があったと思います。

私の前を歩いていた女性が携帯電話で芸能ニュースを検索して、連れ合いの男性とその事で会話しているようでした。このような自然溢れる秘境を前にして、極めて無粋だと感じました。せっかく旅を満喫している気分がぶち壊しです。そう言う事は下界でやってくれと思いました。

途中暗いトンネル(天子トンネル)がありますが、その前には案内のご婦人が座っていました。美化活動のために寄付金を募っているようだったので、気持ち程度お渡ししました。トンネルを抜けてから寸又峡に辿り着くまでには、少し時間がかかります。はっきり覚えていませんが、片道10~15分程度でしょうか。未舗装の道ではないので、歩くのは苦にならないと思います。私の場合は完全に舐めて、kiryuyrikの上下に同じくkiryuのブーツ、Kifaruのバックパックとデジタルカメラ2丁持ちと言う、ふざけた格好で散策しました。

トンネルを抜けてすぐに高台から、寸又峡が見下ろせます。ネット上でよく見かける通り、大変美しい青色が目に飛び込んできます。このような青を何色と表現するのか知りませんが、汚れやプランクトンが少なく綺麗に保たれている証左でしょう。この青の発色を「チンダル現象」と呼ぶそうです。

下記画像が夢の吊り橋です。この橋はまず人が落ちる心配はありませんが、カメラや携帯電話など、貴重品を落とさないように注意が必要です。橋桁には隙間があり、物を落としたら最後です。擦れ違いが出来ないので、前を歩く人が止まったら暫く待たねばなりません。

せっかくの景勝を目の前にして、思わぬ問題が発生しました。携帯していたPENTAXのカメラがぼやけて使用不能になったからです。買ったばかりなのに故障かと思いましたが、その後何でもなかった事が判明しました。なので、せっかく新調したカメラの性能を試す事が出来ず、SIGMA dp0 Quattroだけで撮影しました。

吊り橋を渡り切ると、左右の分岐点が現れます。右へ進むと尾崎坂展望台へと続く急階段が待ち構えています。この階段は全部で300段あるので、登るには少し体力が要求されます。体力に自信が無い人は左へ進み、飛竜橋を渡って復路を歩きましょう。

展望台はトイレ、自動販売機、東屋と休憩の為の設備が完備されています。展望台と言っても周りを山に囲まれているので、目に入る物は只管山と木々だけです。無理して登る事は無いかなと思います。

展望台を下りて飛竜橋の方へ向かうと、看板が立っていました。前黒法師岳に至る登山道の案内です。看板には険しい山道で、単独入山は避けて経験者と同行する事を推奨しています。私は備えが無く、時間も予定も無かったのでそのまま復路へ進みました。寸又峡まで来るだけでも大変なので、機会は無いかもしれません。

帰り道は沢を眼下に収め、峡を遠目に見やりつつ歩きました。展望台を除いて基本的に寸又峡は平坦な道が多いので、歩くのは楽だと思います。

聳え立つ山を拝み、宝石のような青を惜しみつつ、寸又峡を後にしました。巡ってみれば驚くほどの絶景!と言う程ではなかったのですが、観光が出来て良かったと思います。目的地だけでなく、そこまでの道程や気持ちと言ったものも、旅の醍醐味だと思います。

別の経路を辿ると猿並橋まで行くことも出来ますが、ここも省略しました。帰る前に少しだけ町並みを撮影させてもらいました。一通り見るのに1時間30分程掛かりました。

私は死ぬまでに47都道府県を全制覇したいと思っています。なので、同じ場所には二度と行かないかもしれません。未開の土地をどんどん開拓したいと思います。人間には余りに時間が許されていないので。お金も無いしね・・・一期一会と言う言葉がありますが、これが最後と思って訪れた先を目に焼き付けておきたいと思います。寸又峡を11時50分頃出立しました。

日本平へ

次の目的地は日本平です。燃料補給をしなくても行けると思ったので(この時点で半分ぐらい)、そのまま次の山道へ突き進みました。下山してから川根本町川根大橋を渡って国道362号を進みます。途中で展望台がありますが、ここでもまだ道半ばです。この辺りから少し燃料が心配になってきました。

山道は所々、道幅が狭かったり見通しが悪かったり。途中、中央線を大幅にはみ出して来た車がいましたが、そのへんは想定済み。しっかりブレーキを踏んで対処しました。気の抜けた阿保は何処にでもいるものですが、しっかり鳴らしておきました。せっかくの山道なので、安全を考慮しつつスイフトスポーツの性能を試しながらの走行。スイフト号もきっと満足したでしょう。

山道を暫く走ると小さい町に着きますので、そこで給油を済ませました。私の地元よりやや価格が高かったものの、有人で窓拭きもして貰えました。ENEOSだったと思いますが、クレジットカードがちゃんと使えました(当たり前か)。

国道362号から国道1号へ合流すると、間もなく静岡市に入ります。そこから県道74号へ移って日本平パークウェイへと続きます。パークウェイは40km制限な上、観光バスが前に付くとゆっくりとしか登れません。ここまで来ればあと少しです。

日本平

日本平駐車場へ到着。寸又峡から走ること2時間越え、到着は14:10でした。この辺りはロープウェイ乗り場や土産物屋、日本平ホテルなどがあります。駐車場は大型車、普通車、障がい者や歩行者など細かく分けられ、初見だとちょっと分かり辛いです。

土産物を物色した後、もう少し上にある駐車場を目指しました。ロープウェイ乗り場の前が駐車場になっていますが、そこは既に満車で回転も悪く、諦めて最初の駐車場で駐車しました。私の場合は夢テラスが目当てでしたが、下の駐車場から歩いて5分程度なので、こちらをお勧めします

障がい者の方が目立っていましたが、夢テラスには申し訳程度に障がい者専用の駐車場がありました。どうやら障がいのある人達にも人気の観光地のようです。

夢テラスを設計したのは隈研吾(くまけんご)と言う建築家で、市役所や競技場など幅広い建築の設計をしている人のようです。この日の夜に行くバーで教えてもらいました。

この日は天気が良かったものの、ここに来て少し靄がかかり、残念ながら富士山を見る事は出来ませんでした。自然が相手だと気象情報を事前に調べたところで、殆ど運頼みです。

ここの観光は富士山を拝むのが最大の目的でしょうから、見られなければ来た意味が無いと言うぐらいがっくりきます。見晴らしが良いね、で終わってしまいました。翌日もう一度来ようかと真剣に悩みました。

夢テラスの敷地は大したことないので、30分もあれば散策は終わると思います。大分日が傾いてきたので、宿泊地である沼津へ移動開始しました。予定では柿田川まで初日で回る心算でしたが、このあたりから流石に無理かなと思い始めました。日本平を出たのが14時45分頃でした。

アーレス・コート

柿田川公園は、日本平から国道1号で沿岸部を走って行きます。柿田川周辺に着いたのが16時35分頃。もう日が暮れて大分暗くなっていました。しかも、土地勘が無いのに狭い住宅街の道を走行して、路上の何かにタイヤを擦ってしまいました。恐らく、視界に映り難いほど低い位置に何かが建っていたのだと思いますが、タイヤの側面が結構削れてしまいました。タイヤを新調してから大事に乗って来たのに、ちょっと嫌な気持ちになりました。

黄昏時から撮影は無理なので、この日の行動はここで終了と決めて、夕食にありつくことにしました。本当は現場の下見ぐらいしたかったのですが、慌てて良い事は無いので。急いては事を仕損ずる、と言うやつです。

訪れたのは以前テレビで紹介された事がある、洋食屋のアーレス・コートです。店が交差点の角にあり、駐車場が極めて狭いので、出る時が怖いです。店内は照明が落とされて落ち着いた雰囲気でした。開店と同時に入りましたが、私以外の客はおらず静まり返っていました。ハンバーグもありましたが、せっかくなのでステーキとサラダ・パンのセットを頼みました。

最初に出されたサラダは彩を考えて綺麗に盛り付けられ、既製品か自家製か分かりませんがドレッシングが美味しかったです。

ステーキは普段余り食べない私ですが、肉質は良かったと思います。これまで食べた牛肉の中でも上位だと思います。大蒜、ステーキソースが一緒に給仕される他に、既製品の塩なども置かれていました。個人的に大蒜やステーキソースは肉に合っておらず、バターも余計かと思いました。単純に塩を振って食べた時が一番美味しかったです。色々試した後、残りは全て塩で味付けしました。私は食事に余りお金を掛けたくない方ですが、旅行中なのでそこはけちけちせず奮発しました。美味しかったです。ご馳走様でした。

ホテルインサイド沼津インター

アーレス・コートを出た頃にはとっぷりと日が暮れて、家路を急ぐ車の群れがあちこちで走っていました。もう少しで落ち着けるぞと思い、この日の宿に向かうため車を発進させました。今回宿に使ったのはホテルインサイド沼津インターです。豪華な宿には興味が無いので、必要最低限のビジネスホテルを選びました。綺麗なトイレと風呂があればそれで良いので。色々検索した結果、空室があったのがこのホテルだけだったというのもありましたが。

ホテルまではほぼ一直線で、国道414号に乗った後、県道405号に乗り移って直進するのみでした。距離にすると7km程度ですが、思いがけず時間がかかりました30分ぐらいは走ったかもしれません。私の車のナビゲーションは距離だけで物事を考えるので、込み具合など細かい事を考慮してくれません。目的地へ続く道路は片側一車線だった上、退勤する車や沼津インターへ走る人達などが原因だと思われますが、とても交通量が多く流れが悪かったです。土地勘が無いのがここでも災いしました

翌日、柿田川へ向かう途中に気付いたのですが、県道405号の東に国道246号県道83号が走っています。沼津IC南を境に国道・県道が分かれていると思います。アーレス・コートからホテルインサイドに向かう途中、国道1号を通過しますが、そこから国道246号へ合流出来ます。翌朝6時30分頃、ホテルの窓から眼下の県道405号を覗いた時は、既に車の流れがそこそこ出来ていましたが、ホテルをチェックアウトして柿田川へ向かうべく県道83号(片側二車線)に移動した時は、信じられないぐらい交通量が無くすかすかでした。多分ですが、多少遠回りに見えても東からの迂回路の方が早かったと思います。私と同じように、沼津駅周辺からこのホテルに向かう人は、迂回路の方が時間節約になるかもしれません。車線の多い道路の方が交通量が少ないという奇妙な光景でしたが、何となく分かりました。静岡は道路が整備されているように見えて日本の道路事情のご多分に漏れず、後先考えない無計画な道路整備や後付けが原因で、まともに機能していないのではないか、と私は思います。

すっかり日が落ちた後ホテルに到着し、受付を済ませて部屋へ移動。最初、エレベーターの釦を押しても動作しなかったので怪訝に思いましたが暫く思案の末、渡されたカードを当てないといけない事に気付きました。昨今のホテルはみなこのような感じなのでしょうか。昇る時はカードが必要で、降りる際はカードは不要です。

入室した時に照明のスイッチが見当たらず、どこだどこだと探しましたが灯台下暗し。入ってすぐ左の窪みにありました。ここにカードを差し込む事で電源が入ります。まず最初に室内の様子や備品などをざっと見回しました。

気になった事として、ホテルの公式ページでは分からないかもしれませんが、トイレ兼浴室には扉がありません。これは初めての体験でかなり驚きました。ベッドの前のガラス張りのカーテンを降ろす事で目隠しが出切るものの、通路からは丸見えです。たとえ個室であったとしても落ち着かないので、この仕様は減点対象だと思いました。

浴室周りの備品はドライヤー、使い捨ての歯ブラシなど必要な物が一通り揃っています。シャンプー、コンディショナー、石鹸は浴室の壁面に設置された装置から、釦を押す事で出て来ます。ちなみに提供は花王でした。寝室はテレビに電源、LANケーブル、冷蔵庫があります。私は暑がりな方ですが、館内は冷房が必要なぐらい暑いと感じました。

トイレの件を除けば、必要最低限の物が揃っているので可もなく不可もなくと言う感じです。コンビニエンスストアで購入したビールを飲みながら、記憶が新しい内に旅の記録を纏めました。旅先で抜かりなく記録を取っていたので、持ち込んだノートパソコンを打ち込みながら夜の過ごし方について思案しました。

バーVICTORY

ホテルで一息ついた後、何処か近場で酒でも飲めないかと思い、周辺を検索しました。すぐに沼津IC周辺は全く店が無い事に気付きました。事前調査を怠った弊害です。コンビニエンスストアを除いて、本当に商店や飲食店などがありません。悩みましたがそれも一瞬。やはり飲みたい気持ちを抑えきれず、普段なら贅沢なので絶対使わないタクシーを呼んで、バーへ行くことに決めました。

ざっと検索したところ、沼津で有名な老舗のバーVICTORYが直感で良さそうだったので、ここに決めました。次にネットでタクシー会社を検索。即断即決で、伊豆箱根交通株式会社のタクシーを呼びました。タクシーの運転手は正に十人十色で、よく喋る人や寡黙な人など色々いますが、この夜の運転手さんはこちらが話しかけない限り一言も喋らない人でした。片道2,730円(初乗り660円)は手痛い出費でしたが、アルコールの誘惑には勝てず。バーに到着すると、入り口からして雰囲気の良さそうな感じが伝わって来ました。期待に胸を膨らませて店の階段を上りました。

入店するとネット検索で見かけたマスターらしき人物は見当たらず、もっと若い男性がカウンターの向こう側にいました。店内には明るい曲だったり、何語か分からない異国の民謡?みたいな音楽がかかっていました。やや暗い店内と相まってバーらしい、落ち着くことが出来る雰囲気を作っていました。席についてまず最初にやる事。棚に並べられている酒瓶をじっくり眺め回してすぐに気付きました。この店は高価なお酒を置いていないな、と。目に見えない所に貴重な酒を保存している可能性もありますが、私の地元のバーと比較すると本当に庶民的なバーと言うのが第一印象でした。

基本的な物を押さえて、誰でも親しみやすい品揃えにしている感じでした。バーは本当に経営者の性格が現れます。料金表を置いている所もあれば、ジンの品揃えが良い所、貴重なモルトが揃っている所など様々です。私はこのバーの何というか、一見さんお断りみたいなものが無く、誰でも招き入れるような雰囲気が好印象でした。古き良き、本物のバーと言う印象です。

落ち着いたところで、まず最初の一杯はマティーニに決めました。この夜はバーテンさんと会話に興じたり、旅の疲れもあるのか、酒の味わいについて細かい事まで記憶出来ませんでした・・・最初、作るところを見逃がしましたが、ジンにはブードルスを使っていました。

私の他に客が2人いる程度で、ずっと静かな空間を保っていました。私は頼んでいませんが、摘まみとなるものを店側が提供してくれました。自家製なのか外部から調達しているのか分かりませんが、上記画像(画質が悪いです)にあるタルト?のようなものと、真ん中の肉にポテトサラダのような物を挟んだ食べ物はとても美味しかったです。私のぽんこつ携帯のカメラの性能が悪く、かなり画質が悪いですが悪しからず。

若いバーテンさんは物腰が柔らかく話しやすい方だったので、私から色々と旅の事を話したり、向こうからは地元の事を色々と教えてくれました。翌日に沼津港で催しがあるので、明日は混みますよと教えてくれました。成程、通りで予約が一杯なホテルが多かった訳です。昼に観光へ行った日本平夢テラスについて、建築家の名前を教えてくれたのもこの方です。

マティーニの次は現行品のタリスカー10年。元々タリスカーが好きなのですが、最近の大幅な値上げで敬遠していました。飲んでみて、品質は以前と変わらず値段だけ上がったと言う印象でした。でもやっぱり、美味いスコッチだと思いました。

続いてワイルドターキー8年ロイヤル・ロッホナガー12年と飲みました。ロイヤル・ロッホナガーは10年以上前に一度飲んだきりでしたが、現在の私の味覚で評価すると、美味い部類に入ると思いました。このバーの面白い点として、酒を注ぐ時に計量カップを使わない事があります。全て、目分量でやっています。グラスは私の地元だとリーデルが多いのに対して、ここはボヘミアングラスを使っています。最初、日本の切子かと思いましたが、チェコで有名なグラスなようです。それからシングル・ダブルを聞いてこないのも珍しいと思いました。多分ですが、注いでくれた量はシングル以上あったと思います。

途中から、年配のマスターもやって来て酒を注いでくれました。年下の私に対しても礼儀正しく、とても柔和な方でした。ジントニックを頼むと、ジンにNo.3ロンドンドライジンを使っていました。ジンとしてはやや高価な部類に入る物を使っているのは、拘りでしょうか。

最後に頼んだのはキルホーマン・マキヤーベイ。以前に2009年vintageやロッホゴルムを飲んだ事がありますが、久しぶりにこの銘柄を飲みましたが、NASの割に多少値が張るものの悪くないと思いました。マキヤーベイはキルホーマンの中でも比較的安い方なので、個人で買ってじっくり味わってみたいと思いました。ワイルドターキーとロイヤル・ロッホナガーも買ってみよう。

明日の為に睡眠時間を確保すべく、遅くならない内に辞しました。帰る際に階下までご丁寧に見送って頂きました。美味しい酒を飲めました。ご馳走様でした。また沼津に来る事があれば、このバーを再訪したいと思います。それから、宿を取るなら絶対沼津駅周辺にしようと心に決めました。

「後編」へ続きます。

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