初めに
2023/2/25開封、価格は4,120円。度数43.0度、容量700ml。産地は南アフリカ、生産者はKMVです。
単式二回蒸留。100％の葡萄スピリッツと最高品質のジュニパーベリー、南アフリカ原産のルイボスやハニーブッシュを含めた13種類以上の材料と共に再蒸留し、ブラック・ウィンター・トリュフを浸しています。
判明している材料を全て挙げると、アーモンド、アニス、アンジェリカ、オリスの根、カシアバーク、カルダモン、コリアンダー、ジュニパーベリー、チョウジ（cloves）、ナツメグ、ハニーブッシュ、ルイボス、レモン、そしてトリュフの14種類です。
瓶の表示にTuber Melanosporumと言う見慣れない単語がありますが、これがトリュフの事になります。瓶の上部にお洒落な革が巻いてありますが、塵にしかならないので勿体ないです。
色・香り、味わい
液体は透明だがやや黄色みがかった色です。香りはこれまで嗅いだことがないような、とても香しい良い匂いで、トリュフの影響かと思われます。どこか香水のような華やかさがあります。
アルコールはやや強く感じるものの、気品があり、香水や質の高いお茶のような良い香りが口に広がります。余韻にやや強い苦味と香辛料の刺激が有ります。
歯磨きの後のようなすっとした感じがあるのは、アニスかと思います。苦味や柑橘っぽさが先行する感じで、余韻にも表れているので、レモンが強いかもしれません。後味で塩っ気がやや強く感じることもあります。華やかさはカルダモンの成せる技か。
香りや風味の良さはハニーブッシュ由来と思います。ハニーブッシュは南アフリカ共和国の東ケープ州から西ケープ州に広がる、フィンボスと呼ばれる灌木の群生地域内の、ごくごく限られた地域にのみ生育する植物です。葉や花から蜂蜜に似た甘い香りを放ち、カフェインが無く、低タンニンが特徴です。
香り高く風味が良い紅茶のような感じはルイボスやアンジェリカ由来かと思います。甘さや旨味より、鮮烈で印象的な香りや刺激が表に出ている感じです。
素材それぞれの個性が上手く引き立てられている、複雑な味わいのジンです。香りは上々、味はまあまあ良し。華やかなジンやブランデーが好きなら嵌まると思います。味わいも良いですが、より香りの方で楽しませてくれるでしょう。
最後に
はっきり言ってジンは何処でも作れる酒なので、紛い物が少なからず存在している印象です。多分、絶対の条件はジュニパーを使用している事だけで、それ以外の規定はあまり厳しくないと思うので。やたらと強気の値段を付けている所が多く、値段不相応の物もが結構あります。この商品は当たりでした。
