初めに
2025/4/27開封、価格は5,800円。度数45.0度、容量750ml。産地はメキシコのオアハカ州、ロペスレアル蒸留所の商品です。ロペスレアルは、1956年設立の家族経営の蒸留所。
ロペスレアル・エスパディンはアルテサナル製法を採用し、60年以上伝統を守った造りを続けています。販売店の宣伝に「フルーティーな香りに力強いアタックで、ボリューミーな味わいが特徴」とあります。

いつも思うのですが、横文字を使ったところで全く意味が伝わって来ません。「アタック」とは一体何と戦っているのでしょう(笑)。「ボリューミー」は膨らみがあると言いたいのかもしませんが、そのような単語は英語に存在しません。volumeが名詞で、形容詞にvoluminousと言う単語があります。そもそもvolumeとは物の量や大きさ、音量を指す単語で、食べ物の量を表す言葉としては全く使われません。言葉の定義を知らないままいい加減に使うと、いい加減で頭が悪い人間になりますよ。
色・香り、味わい
色は無色透明。開栓すると濃厚で甘い香りが。それに続いて発酵臭・腐敗臭。メスカルらしい野性的な香り。瓶の口から匂いを嗅ぐと、ピートや燻製の様なとても良い香りがします。キルシュのような濃厚で重たい果実の香りも。香りは上々で、肝心の味わいを大きく期待させてくれました。
開栓すると封印の粘着物のせいで、瓶の口周りがべたべたしました。栓は緩くてあまい感じで、揮発や香り抜けが少し気になりました。アルコールはやや強く感じます。開栓直後の発酵臭からは想像出来ないような、思ったよりずっとすっきりとした味わいです。最初にやや人工的なゴムのような匂いがして、それに続いて苦みや、長く続く香辛料の刺激。シガーのような後味とありますが、私は余韻に薄荷の様なすっとした感じがしました。


さて、こちらの記事でも春の花の画像を貼っていきます。関山(かんざん)はWikipediaによると栽培品種の里桜群の桜。花言葉は「豊かな教養」。自分で撮った写真をGoogleの画像検索にかけていますが、若しかしたら間違っているかもしれません。同じ薔薇科でも、林檎は少し上を向いて花が咲くのに対し、桜は下を向きます。人間に見て欲しいのでしょうかね。
躑躅(つつじ)の原産は日本、中国など。恐らく、日本全国何処でも見られる花でしょう。花言葉は「節度、慎み、努力」等で、灯台躑躅(どうだんつつじ)と少し似ています。右下の画像はアブチロンかもしれませんが、ちょっと調べた感じだと確信が持てませんでした。




評価の続きを。果実的な強く甘い味わいがありますが、やはり香り同様、以前飲んだキルシュにどこか似た風味に感じられました。生臭さとか青臭いと言うのか、共通点があると思います。塩っぽさもあります。独特の匂いがあるものの、一つ前に飲んだアパルス(別記事あり)程臭くなく、飲み易いメスカルです。整理してみると最初に果実感な強い甘さ、その後すぐに苦みや土臭さと香辛料の刺激がやって来て、余韻は短くすっと消えて行く。それなりに複雑な味わいですが、味の移りが速いので単調にも感じます。確かに宣伝通り、南国系の果実・力強さ・膨らみのある味わいがします。そこは偽り無いでしょう。
この手の酒は飲み疲れる事が多いですが、余韻が短く後味が良いので、次の一杯をすぐ注いでしまう。私は宣伝にある程、余韻は長くないと思います。また、煙の香りが程良く主張が激しくないので取っ付き易く、時間をかけてゆったりと飲み続けられます。
渋みや酸味もあり、少し舌が渇きます。渋みはたまに強く感じる事もあり、水は必須。この渋みの強さはメスカルに共通しているのかもしれません。植物の繊維のような存在も感じられます。甘さや繊維質はアガヴェが由来か。後半はチョコレートやプリンのような甘さも感じられ、消費する毎に色んな表情が見え面白い。
最後に
最近、酒の大分類の評価はスコッチ>その他ウィスキー>ジン=ラム=メスカル>ブランデー>ウォッカ=テキーラになっています。私の中では、全ての酒の中でスコッチが頂点です。最近すっかりメスカルが好きになってしまって、テキーラよりこちらが好みになりました。ロペスレアル・エスパディンは均衡が取れ、美味さがはっきりとした酒です。モンテロボスと良い勝負。文句無く美味い!最後まで美味しく飲めました。ご馳走様でした。
記事公開 2025年5月17日