初めに
2025年11月28日金曜日。この日は忘れられない思い出の日として、私の歴史に刻まれました。北欧のプログレッシブ・デスメタルバンドの雄、オーペス(Opeth)のライブに行って来ました。同じ年に私が大好きなバンドのライブに二度も行ける幸運。PJハーヴェイ(Polly Jean Harvey)の大阪ライブ(別記事有り)に続いて、運が巡って来たと言うのか、本当に良い一年になったと思います。
6月14日の土曜日に、ライブの券が販売開始された直後に即購入しました。同月18日には金曜日のライブの券が完売。7月10日に確認すると、木曜日のライブの券が完売していました。一月足らずで完売とは、オーペスの根強い人気が窺えました。
オーペスの来日は六年ぶりだそうで。今回のライブは東京の二日公演のみで「名古屋飛ばし」どころか、大阪公演もありませんでした。大阪は集客が見込めるだろうし、名古屋市は東京と大阪の中間にあり、どちらの都市からも短時間で到着出来ます。名古屋だって、充分集客力があるのに何故?と思います。オーペスのような素晴らしいバンドのライブが、多くの日本人の目に触れないのは非常に残念です。日本人はもっと世界を知り、色んな音楽に耳を傾け、審美を養う機会を与えられるべきです。私は楽器を弾けないし音楽理論も分かりませんが、本能で良い音楽を嗅ぎ分けられるので、聴く才能に恵まれたのは僥倖です。
今回の記事はライブだけでなく、その道程や旅情を含めた内容になっています。日々多忙で記事を書く暇が無く、次第に記憶が薄れて行きますが、思い出せる限りの情報をしたためたいと思います。尚、今回の記事は携帯電話のカメラと、ペンタックスKF+HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limitedを、撮影機材として使っています。
オーペスとの出会い
何がきっかけでオーペスを知ったのかよく思い出せませんが、かれこれ十何年も聴き続けているバンドです。元々私は基本的に、メタル音楽を「田舎いもの」として認識しており、高校生の時に洋楽を聴き始めてから十年近くは、左程興味が無い音楽の分野でした。田舎いと言う認識は、今もあまり変わっていません。しかしメタルバンドの中には非常に稀有ですが、本当に実力があり、本当に格好良いバンドが存在するのは確かな事です。
私が最初に好きになったメタルバンドは多分、ラムシュタイン(Rammstein)だと思います。ラムシュタインを知ったのは映画レッドサイレンを観た時です。もう二十年以上も前の話です。この映画の開幕で彼らの名曲Sonneが使われており、音楽と映像が相まって本当に格好良くて痺れました。何を歌っているのかは分かりませんでしたが、ドイツ語だとはっきりしていたので、サウンドトラックCDを探しました。日本のAmazonの商品検索では出て来なかったので、Amazonフランスで探すとサウンドトラックを発見出来ました。その中にドイツ語表記の曲を見つけて、これだ!と思って曲名を頼りにバンド名を検索したら当たりでした。それからラムシュタインは七作目まで聴きましたが、Reise,ReiseとRosenrotが最高ですね。因みに、レッドサイレンはフランス映画にしては良作なので(フランスのアクション映画は酷いものが多い)お勧めです。
と、ここまで書いておいて、若しかしたら最初に好きになったメタルバンドは、オーペスと同じスウェーデン出身のバンド、ティアマット(Tiamat)が先だったかもしれません。ティアマットは、世界最古の神話であるシュメル神話に登場する女神の名前です。何でもシュメル人は紀元前3,000年頃既に、ビールを飲んでいたとか。中東の歴史は非常に古いですね。最初にラムシュタインやティアマットが好きになり、他に良いメタルバンドがないか調べていたところ、オーペスに行き着いたのだと思います。
他に好きなメタルバンドと言えばラクリモーサ(Lacrimosa)と、メタルバンドと言ってよいのか分かりませんが、少なくともその要素がある新進気鋭のバンド、スリープ・トークン(Sleep Token)が最近のお気に入りです。スリープ・トークンは今最もライブを観たいバンドの一つであり、あっと言う間にアルバムを全部揃えました。
私は興味を持ったバンドを初作から追うのではなく、気に入った曲が収録されているアルバムから入門する癖があります。個人的にその方が一番バンドを理解し易く、その後も長く愛せるような気がします。私の場合、オーペスの入門は名盤Ghost Reveriesです。このアルバムの最初の曲Ghost of Perditionを聴いてすっかり虜になり、以来ずっと聴き続けています。私にとってメタルとプログレッシブ音楽の融合は、非常に真新しく鮮烈でした。
新幹線で東京へ
東京まで出るのは本当に久しぶりで、最後に行ったのは二十年以上も前になります。偉大なバンド、スウェード(Suede)の単独ライブで行ったのが最後になります。住んでいる人達には悪いですが、東京は特段の用事がなければ、絶対に行きたくない場所の一つです。あそこは人がまともに住める場所ではないですから。JRが嫌いなので本当は新幹線は利用したくないのですが、車を走らせる労力と燃料代などを考え、お金を払ってでも楽ちんしたい性格なのもあり、仕方なく新幹線による移動を選択しました。前回で学習したので、今回の旅は発券で苦労する事はありませんでした。
しかし普段新幹線を全く利用しないので、まだまだ分からない事が多く。駅の利用で不明な点を駅員に何度か尋ねました。改めて感じたのがJR駅員の態度の悪さ!!声をかけた駅員の半数は、不愉快と言って差し支えない連中でした。やる気が無い、面倒臭そうにする、丁寧語も碌に使えない。これが特殊法人の民営化の末路です。新聞でJRや日本郵便の不祥事が度々掲載されていますが、わざと潰そうとしているとしか思えません。
まだ駅の利用についてよく理解していないので、間違っているかもしれませんが、どうやらJRの改札はSuica等のICカードを持っていないと、強制的に遠回りさせられるようです。ホテルへ移動する際に丸の内線を利用しましたが、八重洲北口からでないと通行出来ないようでした。ICカードを無理矢理普及させるのが目的で、こんな面倒臭い事しているのでは?と思っちゃいます。私はSuicaに限らず、これまでの人生で一度も、交通用でも支払い用でもICカードを使った事がありません。何それ?と言う感じです。普段の生活で困った事など一度も無いし、これまでずっと生活が成り立って来たのだから、不要な物であると言うのは確かな事です。消費者が選び取っていると言うより「使わされている」と言う感が強いですね。何故に日本人はいとも容易く、詐欺紛いの商法に騙されるのでしょう。最近のアスクルやアサヒビールの出荷停止を見れば分かりますが、デジタルは極めて脆弱です。アナログ最強。
昼食、THE OLD STATION Tokyo
ライブ会場とこの日の宿がある六本木へ移動する前に、昼食兼飲酒の為に東京駅構内で店を探しました。事前に調べていないので、今回も直感で選ぶ事にしました。交通機関を使って旅をする最大の利点、それは昼から酒が飲める事!正確には景気付けの為に、家を出る前に朝からジンを二杯飲んで出立しました。
八重洲北口付近に飲食店が集合した一画がありますが、一階の店は平日でも順番待ちの列ができていました。私は酒が飲められれば食には余り頓着しませんので、待ち時間が少なく、すぐに入る事が出来る店を探しました。階段を上って二階に「北町酒場」と呼ばれる一画があるようだったので、酒場の二文字に誘われてふらふらと移動しました。一階と違い北町酒場はどの店も空いている様に見え、ここで落ち着く事に決めました。私が重視するのは料理よりも酒の品揃え。店の並びを二往復して、メニュー表や棚に並んでいる酒類を物色。候補を二店に絞って少し迷いましたが、オーヘントッシャンが目に付いたのでTHE OLD STATION Tokyo(以下オールド・ステーション)と言う店に決めました。
それなりに客が入っていたけれど、待つ事無く入店出来ました。店員に店の奥へ案内されましたが、外から見ているよりずっと奥行きがある店でした。入り口よりも奥の方や壁に囲まれている場所が落ち着くので、丁度良かった。先ずは腹ごしらえと乾杯の為にペペロンチーノとビールを注文。私は政治的な理由(鏡月や桜を見る会の酒の無償提供など)でサントリーが嫌いですが、私が注文した武蔵野ブルワリーのアルトビールは美味しかったです。こくがあって苦みが少なく、料理と合いました。私は基本的にサントリー製品は不買を貫いていますが、このビールはサントリー製だと知らずに注文しました。しかし、酒に罪は無い。美味い物を不味いとは言えません。



ペペロンチーノは大蒜がよく効いており、味は濃過ぎず良い塩梅。大き目の具材により食感と食べ応えがあり、麺の量も充分にして多過ぎず。値段は東京駅の飲食店にあっても、非常に良心的でした。ビールとの相性も良し。酒飲みの私が一杯で満足する訳なく、続けてジントニックも注文しました。ジンは何を使っているか不明ですが、ライムを添加しているのは良い。ライムは浮かべても沈めても良いですね。これがあるだけで味わいが締まり、視覚的に鮮やかさが加わります。


締めの一杯に注文したのがオーヘントッシャン12年。オーヘントッシャンは普段余り飲まないので、良い機会と思いショットで一杯飲みました。香りは程良いピートが効いていて、アルコールは滑らかで飲み易い。味はぼんやりとしていたと思います。大蒜を食べてしまったのと、店に食べ物の匂いが漂っていたので、嗅覚・味覚がしっかり働いていなかったかもしれませんが、あまり美味しく感じませんでした。恐らく食事程度で鈍る感覚は持ち合わせていないと思いますが、余り印象に残らない味わいでした。二年前に静岡の旅行先で飲んだ時は、美味しく感じたものですが・・・
オールド・ステーションは食事が美味しかったし、値段も手頃だったので満足出来る店でした。北町酒場はちゃんと食事も摂れるので、待つのが嫌なら酒を飲まない人でも敬遠せず、この一画で食事を摂るのは悪くないと思います。若しまたライブ等で東京に出て来る機会があれば、ここを再び利用したいと思わせてくれる良い店だったと思います。
レム六本木
食事を終え、都営地下鉄の丸の内線へ移動を開始しました。土地勘が無く不慣れなのと、だだっ広い東京駅構内に戸惑い、恥ずかしながら結構迷いました。多分、丸の内線への経路はいく通りかあると思いますが、私の経路だと一度外に出て回らないといけないと気付きました。そこから先は特に問題無く。丸の内から荻窪行で二駅、霞が関で日比谷線の中目黒行に乗り替え。そこから三駅で六本木に到着しました。徒歩の時間も含めて25分ぐらいだったと思います。慣れない場所なので、私は看板を確認しながらゆっくり移動したので、実際はもう少し早く着くでしょう。電車内は暖房が効いているのか、結構暑く感じました。この日は十二月前なのに妙に暖かい日で、厚着して行かなくて正解でした。半袖でも充分なぐらい暖かかったです。この日の服装は長袖Tシャツの上にデニムのジャケット、下は黒のスラックス、足元はKEENの靴で。私は太陽光に弱いので、ESSのサングラスをかけて移動しましたが、妙に人の視線が刺さる気がしました。ESSのサングラスだと軍隊色が出て威圧的なのかな?
六本木駅に到着し、4b出口を出ると目の前に短い横断歩道とみずほ銀行が。百八十度反転すると真後ろに六本木交差点。そこを左に曲がってすぐ、宿泊先のレム六本木がありました。新幹線の切符を予約する時、深く考えていませんでしたが、品川からも六本木は近い。今後東京まで出張して来る時、ライブ会場によっては東京駅ではなく、一つ前の品川でも良いかと思いました。普段滅多に利用しないので終点の東京駅の前に、品川や新横浜の駅が存在するのは意識の外でした。
アルファベットでホテル名が案内されている建物に進入し、四階にある受付へ向かいました。受付では従業員ではなく客がタッチパネルを操作し、自分でカードキーを出す仕組みになっています。受付係が三人もいるのに、非常に無駄だと思います。結局操作が分からない客への説明や、外国人の接客に人を使っているので、完全に無人化出来ず意味がありません。最近この様に中途半端な所が多いですが、何を目指しているのか全く不明です。
事前に決済をしていても、ここで宿泊税(200円)を支払う必要があります。領収書には「印紙税申告納付につき大淀税務署承認済」の印があります。これは詰まり「貴方がこれだけ納税しましたよ」と言う証明です。多くの人達が勘違いしていますが、消費税にはこの証明が無い。消費税の納付者は事業者であって、消費者ではないのが事実です。実際に、消費税法には納税者は事業者である事が明記されています。これはガソリン価格に含まれる原油税等も同じ扱いだと思います。消費者は負担を背負っているだけです。二重・三重・四重に課税され、尚且つ税金が適切に使われないのは憤りを覚えますね。
カードキーを受け取り部屋移動するついでに、机上の歯ブラシ等を貰いました。タオルやドライヤー等と違い、一部の消耗品は受付付近に置いてあります。ここに無料WiFiの情報も載っています。今時のホテルらしく、カードキーが無いと上階へ移動出来ない仕組みになっています。私はこのカードキーが嫌いで、普通の鍵でいいじゃんって思います。因みにこのホテルは、エレベーターで上へ行くにも下に行くにも、必ず受付がある四階で止まる仕組みになっています。どうやらこれは、行政指導の絡みがあるようです。不審者の侵入を防ぐ目的もあるかもしれませんが、そもそもカードキーが無いと宿泊客に便乗しないと上へ行けないですけれどね。これは自治体によって決まりが異なるようです。


部屋に入って荷物を置いてから一息付くと、時間潰しに部屋の内装を撮影しました。トイレとシャワー室は一緒の個室にあり、寝室を隔てる壁はガラス張りになっています。最近はこんな感じのホテルが多いですね。緞帳を下ろして目隠し出来ますが、手洗いや風呂場が丸見えなのは落ち着きません。風呂場に置いてある洗剤類には、製造元が「株式会社ペリカン石鹸」と記載がありました。聞いた事が無い。前回泊まった大阪のビジネスホテルと部屋の造りは大して変わらないのに、値段は二倍以上。東京の宿はやはり割高ですね。
寝室の壁にある硝子天板の机は小さく、使い辛い。また、この机はパソコンのマウスの滑りが悪いです。ラミネートで綴じた注意書きがあったので、それを下敷きにしてマウスを使いました。ここにはコンセントやLANポート等があります。


ベッドの枕元付近には置時計やコンセント等があります。側にマッサージチェア?みたいな物が置いてありますが、私は使わないので物置として利用しました。床に荷物を直置きしたくないので、荷物を置ける場所があると良かったと思います。



窓を開けても向かいの建物や道路しか見えないので、景色が良いとは言えません。この日は昼を過ぎると、汗ばむ程暑く感じました。日中は部屋に冷房を効かせたぐらいです。この日の夜、道行く人が真冬のコートみたいな服を着て「寒い」とぼやいているの聞きました。都市部の人達は体温調整が狂っているのでは?と思いました。私は寒いのさの字も感じませんでした。



このホテルへ移動する前に東京駅付近を少し歩きましたが、その時に気付いたのは携帯電話の電波状況が異常なまでに悪いと言う事。私の携帯電話がぽんこつなのもあるかもしれませんが、携帯電話のナビが全く更新されずに役目を果たしませんでした。人口密度が高く高層ビルが立ち並んでいるので、電波状況が悪いのかもしれません。
時間潰し
開演時間まで時間があるので、事前にライブ会場のEX THEATER ROPPNGを偵察に行きました。グーグルの地図で調べてほぼ一本道なのは分かっていましたが、土地勘が無い場所で万全を期す為と、時間潰しに散策でもと言う事で。


途中で出雲大社の建物を外から眺めたり、変哲もない建物を何となく撮影してみたり。会場はホテルから歩いて五分程度だと思います。地元と違い人の数が段違いなので、通行人との擦れ違いに気を遣いました。東京の人達は人の多さに慣れているのか、全然前から来る人を避けないですね。何か異常なものを感じました。EX THEATER ROPPNGIに付くと、本日のライブの電光掲示が目に付きました。「Opeth Japan Tour 2025」の文字を目にすると、いよいよここまで来たと言う実感と興奮が湧いて来ました。

このライブ告知が格好良かったので、即カメラで撮影。この写真はアイキャッチ用で使っています。用事が済んだので一度ホテルへ戻り、開場まで再度時間を潰したり、支度をしたり。うっかり寝てしまうと危険なので、二重三重に携帯電話の警報を仕掛けて、今か今かとその時を待ちました。
入場と待機時間
ホテルにいても暇を持て余して焦れてくるので、今回は余裕を持って開場時間前に現地へ赴きました。会場までずんずんと早い足取りで移動する最中、胸の高鳴りを感じ、静かに興奮を覚えました。こんなにも高揚するのは久しぶりです。現地に到着すると、既に多くの先客達がいるようでした。最初入り口だと思った場所はどうやら入場場所ではないようで、階段を上った先を案内されました。辿り着くとそこには既に人の列が出来ていました。係の人が開場が少し遅れている事を、断続的に伝えていました。遅延に少し不安を覚えましたが、程無くして入場が開始されました。
偏見かもしれませんが、私はメタルバンドのライブと言うと客層は男性が多くて、長髪でヘッドバンしてそうな感じの人達、革のジャンパーを着込んだむさ苦しい人達が沢山いると思っていました。しかし現実は想像と異なりました。60代ぐらいでしょうか年配の人、終業後に職場から駆け付けたサラリーマン風の人達、主婦っぽい感じの女性等、色んな人達を見かけました。意外と年齢層が広くて老若男女問わず、と言う印象でした。ただ、バンドTシャツを着た如何にもな人達はかなりいました。オーペス以外のバンドのTシャツもちらほらと見えて、黒いメタルバンドのTシャツは現場の雰囲気と合って、率直に格好良いと思いました。外国人客は、大阪ほど多くない印象でした。小学生ぐらいの外国人の子供もいて、親が連れて来たのでしょう。何事も経験を積むのは大事ですが、親の色に染まらず自分の道を歩んで欲しいと思います。
入場時にドリンク代で600円払い、交換用の券をせっかく貰ったので、特別飲みたい訳ではないものの、勿体無い精神で引き換え。銘柄不明のビールを貰いましたが、余り美味しくなかった。さっさと飲み干して、会場内を見物しました。物販は開場と同時に人が押し寄せ、列が出来ていました。遠巻きに見ると、CDやTシャツの販売をしていました。確かにバンドTシャツは格好良かったですが、多分着る機会が余り無いだろうから、私は見るだけで満足しました。次に、実際のライブ会場を確認に行きました。

入った瞬間「雰囲気良いな」と感じました。ライブ会場はB1とB2に分かれており、立ち見ではなく指定席でした。ライブ券を購入する際に席の指定は無かったので、配置は無作為なのでしょう。残念ながら私はかなり後ろの方でした。席は詰め込まれており前後で隙間が余り無いので、座っている人の前を通る時は、一度立ってもらわないといけません。B1とB2の境目の左右壁面にも、四席ぐらいありました。会場の巡回を終えた後は大人しく自分の席に座り、精神を統一してライブに備えました。
ライブ開始
開演前は舞台に暗い照明が当たり、深海の様な雰囲気だったと思います。時間通り(だったと思います)舞台袖からバンドの人達が次々に現れ、待ちに待ったライブがついに開始。バンドの面子は中心人物のミカエル・オーカーフェルト(ギター、ボーカル)、フレドリック・オーケソン(ギター)、マーティン・メンデス(ベース)、ヨアキム・スヴァルベリ(キーボード)、ヴァルッテリ・ヴァイリュネン(ドラム)の五人。オーペスは入れ替わりが激しいバンドで、古参はミカエル一人になってしまいました。北欧のメタルバンドは、入れ替わりや掛け持ちが多い印象です。ヴァルッテリは遠目にも若い事が見て取れましたが、バンドの事情をあまり知らない私は、最初この人をマーティン・アクセンロットかと思いました。いつの間にか替わっていたみたいですね。ミカエルはお洒落な帽子を、マーティンはニット帽みたいな物を被っており、可愛かったです。
この日演奏した曲は初日と全く同じようです。所謂セットリストを紹介している有難いサイトがあるので、後日そちらを確認しました。私の記憶力では全て覚え切れないので、非常に助かります。曲目は以下の通り。
①§1、②Master’s Apprentices、③The Leper Affinity、④§7、⑤The Devil’s Orchard、
⑥In My Time of Need、⑦The Grand Conjuration、⑧§3、⑨Demon of the Fall、
⑩Ghost of Perdition、⑪Deliverance(アンコール)
相変わらず記事に纏めるのが遅く、元より記憶力が良くないのと記憶の風化、語彙の不足、音楽理論の欠如、生来の説明下手等により、上手くライブの感動を伝えられる自信がありません。記憶違いもあるかもしれませんが、少しでも雰囲気が伝われば幸いと思っています。
前置きや挨拶無しで最初の曲、§1(パラグラフ1)が始まりました。このライブで謎の文字の発音がようやく分かりました。昨年最新アルバムのThe Last Will and Testamentが世に送り出され、当然ながら現在行っているツアーは新曲を引っ提げて回っています。§1で開幕してくれて嬉しかったです。初めて生でミカエルの歌声を聞きましたが、この人は声の伸びが良く艶があり、非常に美しいと感じました。声は間違いなく男性的なのですが、美しいと形容するのが相応しいと思います。所謂「グロウル」も良い感じでした。オーペスの魅力は何と言ってもプログレッシブ音楽の要素と、グロウルとクリーン・ボーカルが行き来するのが、見事に融合しているところ。これがオーペスを唯一無二にして、至高のデスメタルバンドとして君臨させているのだと思います。The Last Will and Testamentは暫く封印されていたグロウルを復活させたアルバムで、やはりオーペスはグロウルがあった方が良いと感じさせてくれる、非常に良いアルバムです。新譜はWatershedやそれより前の音作りとはまた別の、新境地であると感じます。§1は声の切り替えが継ぎ目無く流れる様で、それがライブでも見事に再現されていました。
三曲目のThe Leper Affinityは名盤Blackwater Parkの幕開けに相応しい曲です。プログ要素有り、グロウル⇔クリーン・ボーカル有り、そして最後はしっとりとしたピアノで締められます。ライブでは締めの場面において、まるで血の様に赤い照明が落とされ、静かに終息して行く演出が実に芸術的でした。照明の効果って、本当に凄いと思います。ヨアキムはキーボードを弾く時の腕の動きが派手で、たまにヘッドバンもしていました。大人しく地味に弾いているミカエルとマーティン、動きが大きいフレドリックとヨアキムの対比が面白かったです。ミカエルが何かの曲の前に「Feel free to head bang,it`s fun.(自由にヘッドバンしてくれ)」みたいな事を言っていましたが、舞台上のヨアキムが一番ヘッドバンをして乗っているように見えました。
五曲目は私が大好きなオーペス屈指の名曲、The Devil’s Orchard。この曲は最後の圧倒的なギターソロが突然終わり、一気に動から静に変わって「God is dead」の呟きで終息するのが鳥肌ものです。ライブを観て気付いたのが、オーペスはアルバム音源の再現度が高いと言う事です。ライブ用で大きく編曲する事無く、手堅く演奏している感じでした。歌声は言葉の切り方・声の伸ばし方が若干アルバムと違いますが、スタジオ音源に劣るものでありません。生でも歌が上手いと感じました。
六曲目のIn My Time of Needは、曲が始まる前にミカエルが「あなた達に振るから、良ければ一緒に歌ってくれ」みたいな事を言っていたのを覚えています。この一言で、多分「ああ、あの曲をやるつもりだな」と予想出来ました。YouTubeのライブ動画で度々、In My Time of Needのさびの部分を観客が歌っているのを目にした事があるからです。この曲が収録されているDamnationはクリーン・ボーカルのみのアルバムですが、音の静けさと哀愁がしっかり「死の匂い」を運んで来る名盤です。こう言う落ち着いた曲を間に挟んでくれるのは嬉しいところ。
EX THEATER ROPPNGは上方に向けて開放的な空間で、若しかしたら音の反響の関係で、二階席(B1)や奥の方は音が伝わり難いかもしれません。バスドラムは心臓に響く程音量がありましたが、ベースは曲によっては殆ど聞こえませんでした。また、私がいたのは会場の右側ですが、フレドリックが右へ移動してギターをかき鳴らしていた時、音が全然聞こえない事もありました(私だけ?)。もっと前列で観たかったです。照明は暗めを予想していましたが、意外と明るかったです。その分、バンドの姿がよく見えたので良かったと思います。
七曲目はGhost ReveriesからThe Grand Conjuration。私はこのアルバムの中ではReverie/Harlequin Forestが一番好きなので、これをやってくれたら嬉しかったのですが。Reverie/Harlequin Forestを聴くと分かりますが、オーペスは非常にリズム取りが達者なバンド。音作りの骨格であるベースとドラムは勿論の事、リズムギターの刻みも非常に優れていると思います。リズムギターの音だけを切り取って聴いても、充分満足出来る程です。素人の私にもそれが分かります。どの曲か忘れてしまったけれど、マーティンのベースの上手さが良く分かりました。ベースは他に埋もれてしまいがちだけど、やっぱりセンスがあるベースは聴き応えが違いますね。The Grand Conjurationのアルバム原曲の7:45の辺り、「ポコポコ」と太鼓を叩く音が聞こえます。ライブではヨアキムがコンガでしょうか、素手で軽快に太鼓を叩いていましたが、これもアルバムの音源を良く再現していました。デスメタルの音の中に、妖しい民族的な雰囲気を醸し出していました。
八曲目の§3はミカエルの歯切れが良い歌声が特徴の曲です。「I knew! a! ran!som! must! be! pai~d out」みたいな感じです。この曲はオーペスの公式YouTubeチャンネルで、マーティンが曲に合わせてベースを弾いている動画があるので必見です。ライブでも彼のベース音が光っていたと思います。
十曲目はGhost of Perdition。この曲が始まる前「アンコールも一曲やるけど、これで最後みたいなふりをしようか」と言う感じの冗談を言っていたと記憶しています。この曲の最後の方で「To see a beloved son in despair of what`s to come」と言う歌詞がありますが、ここはアルバム通り音が高いバックボーカルをミカエルの歌声に乗せていました。歌っていたのはフレドリックでしょうか?この曲以外でもバックボーカルがしっかりと役割を果たし、音の厚みと層を生み出して、耳を楽しませてくれました。
所謂アンコールの前に「何か弾いて欲しい曲はあるかい?」とミカエルが話を振って来て、元気な観客達が口々に要望を出していました。丸々一曲演奏する訳ではなく触りだけでしたが、沢山弾いてくれたので得した気分です。演奏した曲はBlackwater Park、Closure、Harvest、Isolation Years、Slither、The Baying of the Hounds、The Moor、When、Windowpaneなど(順不同)。Whenの様な古い曲がさっと出て来る辺り、オーペスには熱心な支持者がいるようです。また、Isolations Yearsの様な地味な名曲を所望する辺り、よく分かってらっしゃると我が意を得たりでした。ミカエルは「日本人は大人しい」と評していましたが、一部の元気な人達が煽ったり積極的に発言してくれて、ライブを盛り上げるのに貢献してくれたのが大変有難かったです。ミカエルは日本人が大人しく聴いているのを国民性と理解しているようで、「何で盛り上がらないんだ?」と気にしている風ではなかったと思います。
最後の曲はDeliveranceでした。Isolation Yearsみたいな曲はアルバムの締めに相応しいですが、やはりライブではデスメタルらしい曲で締め括ってくれると良いですね。Deliveranceはそのままアルバム名になっていますが、このアルバムの一曲目Wreathも素晴らしい曲です。Blackwater Park、Deliverance、Damnation。この「白黒ジャケット」の三枚のアルバムは本当に良いですね。Deliveranceはプログ要素がふんだんに有り、光と闇を行き来する様にグロウルとクリーン・ボーカルの入れ替わりが有り、最高の一曲です。ミカエルのグロウルはただの「がなり」ではなく、魔獣の咆哮と言うか、魔力が籠っている様に感じます。流石に音が調整されたスタジオ音源程には、生のグロウルは洗練されて聞こえませんが、それでも結構いい歳であるミカエルの声は依然として艶があると思います。この曲は最後の四分ぐらいずっと同じ音を繰り返しますが、終わって欲しくない、でも終焉の美を迎えたい。二律背反と言うのか、いよいよライブが終局へ向かうのを複雑な心境で見届けました。アルバムの曲単位で聴いても素晴らしいですが、この最高のライブの締め括りとしてDeliveranceは相応しく、感動の瞬間に立ち会えた事を喜び、そして光栄に感じました。終わった瞬間、台風一過の晴れた空の様に、心がどこまでも高く上り澄み渡ったと思います。正に大団円。
ライブ中の会話やその他諸々について
YouTubeの様々なライブ動画で確認出来る通り、ミカエルは非常によく喋る人でした。綺麗な英語で聞き取り易く、ライブを通して観客の笑いを誘っていました。くだけた感じで会話してくれるので、バンドとの距離が近く感じられました。私はどちらかと言うと英語の聞き取りが苦手ですが、以下に記憶している限りの内容を適当に記します。
①たまにノルウェー出身と間違われる事があるとか?日本は「クソ遠い」とかも言っていました。ミカエルはちょっと口が悪いですが(fuckingみたいな単語をよく使う)、それがまた魅力かも。
②ミカエルが「前のベース担当を首(fired)にした」と蹴り出す真似をしていました。後にウィキペディアで確認すると「De Farfalla was fired by Åkerfeldt」と書いてあったのでこの事でしょうか。ミカエルは前任のベース弾きと比較して、マーティンを「much better」と評価していました。この言い方は気安さから来る親愛なのか、厳しいと取るべきか(誉め言葉ならもっと良い表現があるので)。他に「lost」と言う単語を使っていたと思いますが、バンドの構成員で亡くなった人がいるとは聞いていないので、これについては何の事か分かりませんでした。
③ミカエルが「rich man」と言う単語を口にしているのを聞きました。この時にアキラ?アキヤ?みたいな言葉も聞こえました。このrich manの下りは何の事かさっぱり分かりませんでしたが、知っている人がいたら教えて欲しいです。
④「オープンチューン」のギターはフレットを強く押さえないでも綺麗な音が出るとか、ジミー・ペイジがどうたらこうたらとか。私は楽器をやらないのでさっぱりですが、何か専門的な事を言っていました。アンコール前の余興でいくつか曲を弾いてくれた時、このオープンチューンが原因で「酷い音がする」みたいな事を言っていた気がします。詰まり、手持ちの機材だと出来る曲・出来ない曲があるのでしょう。
⑤ミカエルが足元に、歌詞が書かれた紙を貼っていると教えてくれました。確かに言われて初めて床に白い物があるのに気付きました。小さい字で見えないとか言っていましたが、実際そうでしょうし、見ている様子も無かったと思います。それからバンドが舞台を去る前に、ヴァルッテリがドラムのばちを放り投げ、フレドリックが足元の白い紙を剥がして最前列の人に渡していました。遠目でよく見えなかったけれど、若しかしたらマーティンも何か投げていたかも。ヴァルッテリは結構勢いよく物を投げていたように見えましたが、飛ばした方向にいた人は上手く取れたでしょうか。
喋っている時間が結構長かったですが、それでも演奏時間は1時間40分ぐらいあったかと思います。体感として実演奏が二時間以上に感じる、非常に濃密で充実したライブでした。最後は五人並んで肩を組み、丁寧にお辞儀してくれました。オーペスのライブは非常に躍動感があり、じっくり聴き込むよりは興奮の渦に巻かれ、バンドの演奏技術や動きを余り記憶出来ませんでした。彼らの一挙手一投足に注意を払う余裕が余り無く。また、細かい動きを目で追うよりも、自然とライブを楽しむ事の方に集中した感じです。一曲一曲の感想を子細に述べられたら良かったですが、以上が忌憚の無い感想となります。二日通しでライブに行く事も可能でしたが、一日だけだからこそ有難味があるのかもしれません。陳腐な表現ですが、本当に最高のライブでした。一生忘れません。次の機会があれば絶対に参上します。
祝杯A店
ライブの後は一人打ち上げ。本当は一緒にライブの余韻に浸り、共に語らいながら酒を酌み交わす同志がいれば最高なのですが。私はライブや旅行に出かけた時は、必ず現地のバーで飲む事にしています。これが遠征する時の楽しみの一つ。打ち上げについては計画を事前に立てて、候補を二つに絞っていました。最初に訪れた店を、仮にA店としましょうか。このA店は食事も摂られる場所だったので、空腹を満たした上でお酒を楽しむ事にしました。私が入店すると他に客が三・四人いて、中は程良く暗く静かな印象でした。
六本木駅周辺はバーが沢山あるようですが、私が泊まったホテルはライブ会場からも、目当てのバーからも近く、良い宿を選んだと思います。夜の街を歩くと、路上が非常に明るいのが印象的でした。私の居住地も田舎ではありませんが、六本木はまるで違う。大袈裟に言うと、六本木の夜は昼の様に明るく見えました。過剰な照明は電気の無駄だし、夜は暗いからこそ安らぎを覚えると思います。これでは住む人の感覚が狂うでしょう。
先ずは腹ごしらえでクリームパスタとジントニックを注文しましたが、パスタは味が濃過ぎました。昼に食べたペペロンチーノの方が、ずっと美味しかったです。ジントニックはどのジンを使っていたか見落としました。手元はしっかり観察すべし。ここは、ちゃんとライムを使ってくれたのが嬉しい。ジントニックは極めて単純なカクテルで、ジンにトニックを注ぐだけ。それでも一手間加えれば、ずっと美味しく仕上がります。ただトニックを注いで提供する店がたまにありますが、それじゃ駄目です。




二杯目はブルイックラディのクラシックラディ。香りは強くて良い。そして辛口。味わいは物足りない感じでした。このスコッチを購入して飲んだのがもう六年以上前。その時は美味しく感じましたが、今回はそこまでな印象でした。最後に飲んだのがアベラワー12年。クラシックラディよりこちらの方が丸みがありました。また、こちらの方が甘さがあって一口目が一番美味しかったです。アベラワーは他に18年とアブーナを飲んだ事がありますが、特にアブーナは良いスコッチだったと記憶しています。店員と少し会話をしましたが、先程のライブの話をすると「まだデスメタルが存在しているの?」みたいな事を返してきました。他意は無いと思います。興味が無い人達からすれば、確かにそのような印象かもしれません。男性の店員(店主?)は殆ど喋らず、酒の提供を女性店員に任せっきりでした。私はバーの店主と酒に関する話をするのが好きなので、直感でこの店は自分の好みではないと悟りました。故に次の店へ移動する事に決めました。
祝杯B店
二軒目はA店から10分程歩いた所にあるB店。店の扉を潜ると、結構賑わっている雰囲気がありました。照明は明る過ぎず暗過ぎず。私より若そうな店員(店主?)に席を勧められ、カウンターに着席。カウンターは木の方が落ち付くので好みですが、こちらは下記画像にある通り。私のすぐ隣にいた外国人がすぱすぱ煙草を吸うので困りました。バーも分煙希望!!この店は外国人の客が多く、ひっきりなしに客が入れ替わっていました。店主はこの辺りは外国人が多い(多くなった)とぼやいていましたが、何か思うところがあるのでしょう。このB店へ向かう際、六本木の夜の街は黒人の客引き?が多く、行き交う人々の中にも外国人が多数いたのを目にしています。ここが日本であるのを疑う程でした。私は日本を移民の国に絶対したくないです。
こちらで飲んだのはジントニック、マルガリータ、マティーニの計三杯。棚に並んだ酒の品揃えはそこまで豊富ではなく、ウィスキーは国産が主でした。カクテルに自信を持っている雰囲気を醸し出していたのもあり、この店ではカクテルだけを飲む事に決めました。先ずはジントニックを注文しました。基本的なカクテルでその店の実力が分かるからです。こちらではジントニックにライムを使っていなかったのが残念。二杯目はマルガリータ。塩無しで飲むのも好きですが、こちらでは塩有りで注文しました。マルガリータは少し酸味があって、塩との相性も良い美味しいカクテルですね。



三杯目はカクテルの王様であるマティーニを注文。マティーニの作り方は最初にゴードンとタンカレーを、コニャックグラスみたいな容器に入れて混ぜていたと思います。そこから別の器に移して仕上げ。ヴェルモットはリレ・ブランを使っていました。マティーニも美味しかったですが、オリーブを避ける容器を用意して欲しかった。
この店では(多分)店員がカウンターに座って客と飲んでいる姿も見られましたが、所謂「オーセンティックバー」では有り得ない光景でしょう。私は頓着しないので、別に店員が客と一緒に飲んだり、店の酒に手を出しても一向に構いません。色々な店があって良いと思います。B店は次の酒を急かすような事がなく、落ち着いて飲む事が出来たのが良かったです。居心地は悪くなかったと思います。内容はよく覚えていませんが、店員さんには酒に関する事や、その他の雑談に少し付き合って頂きました。お陰で酒と共にライブの余韻に浸り、反芻する豊かな時間を満喫出来ました。最後は店の出口まで見送って頂きました。良い酒が飲めたと思います。ご馳走様でした。
やはり地元に比べて東京のバーは予算が高めですが、自制して飲む量を決めておけばそこまで負担にならないと思います。この日は三軒で酒を楽しみましたが、費用対効果を含めれば、昼に訪れたオールド・ステーションが一番満足度が高かったと思います。
一夜明けて
明けて早朝。窓から差し込む光に肉体が反応し、携帯電話の目覚ましが鳴るより早く、意識がはっきりとしてきました。こうなると二度寝が中々出来ず。微睡みの心地良さに未練を残しつつも、次第に起きる体勢を整えました。窓から外の光景を見やると、美しい朝焼けの空。どんなに街が汚くても、自然の美しさは変わりません。私は基本的に食に対して拘りが無いので、ホテルの目と鼻の先にある松屋で朝食を摂る事に決めました。昨夜バーへ向かう途中、道路を挟んで向かい側に松屋があるのを確認しました。

松屋はころころと値段や食事内容が変わっている印象があります。物価高とか関係無く、どこか節操無い感じです。向かいの席に若者の集団がいましたが、ぎゃーぎゃーと騒いで煩かったです。私の地元では見られない光景です。朝食を済ませた後、念入りに忘れ物が無いか確認し、チェックアウトしました。
帰宅
前回のライブでは帰りに喫茶店でのんびりしていて、お土産の調達を忘れている事に気付き、急いで購入に走りました。今回はお土産で慌てる事無く、お茶も飲んで余裕でした。お土産物もやはり、他の観光地と比較してやや高い印象でした。帰りの時間を余り気にせず余裕が出来たのは、新幹線の予約が指定席ではなく自由席だったのが良かったのだと思います。
今回行きはひかり、帰りはのぞみに乗りました。どうやらのぞみは1・2号車、ひかりは1~5号車が自由席のようです。新幹線は本数が多いので、待ち時間が少なくて良いですね。早めに並んでおけば、自由席であっても余裕で席を確保出来ます。先頭車両の方に自由席が固まっており、移動に時間がかかる場合があるのでそこは注意が必要です。普段新幹線を滅多に利用しないので、端から端までの長さに驚きました。始発ではなく中継地で乗車する場合は、自由席が埋まっている可能性があるので、自由席が多いひかりを狙った方が良いかもしれません。東京は始発なので、その辺りの心配はありませんでした。指定席にすると予約した時間までに到着する為、移動時間を気にする必要があります。それを考えなくて良いので、今後も自由席でいいやと思いました。
途中、車窓から見える静岡の風景を、GoPro HERO13を使って撮りました。海が見えて「わーい」と思って、視界から切れるまで景色を録画しましたが・・・後日データを移すのを忘れていて、他の動画に上書きされてしまいました。Go Proについても、その内記事を書きたいです。
最後に
ライブに備えて体調を整え、事故などが無いように気を張りながら当日を迎えました。何事も無く無事にライブを観る事が出来て、ほっと胸を撫で下ろしました。ライブ当日、会場まで無事辿り着けるか期待と不安の日々でした。ライブを観るまで死ねないと思っていたので、ようやく肩の荷が下りた感じです。ライブが終わってからも仕事や私生活、やる事沢山で忙しく、記事にするのが遅くなりました。他にもやりたい記事があるのに全然進みません。毎日定時で帰って、週三日休みたい・・・
改めまして。北欧から極東まで、遠い道のりを越えてライブを開催してくれた、オーペスの面々に、最大の感謝と尊敬を捧げたいと思います。本当に素晴らしいライブを、有難う御座いました。またいつか会いましょう。
記事公開 2025年12月21日

