初めに
今回の記事はペンタックスのKFカメラと、同社望遠レンズHD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR REについてです。カメラよりも、主にレンズについて記事を書きます。マクロと広角で撮れるカメラとレンズが揃ったので、次に野鳥の撮影が出来るカメラとレンズの組み合わせを狙っていました。私は素人なので、最低で焦点距離何ミリのレンズが必要かはっきり分かりませんでしたが、300mm~600mmぐらいは必須だろうと思いました。世間の評価を参考にして、費用対効果も含めて検討した結果、上記の組み合わせで購入しました。購入したのが一年以上前で、漸く記事に出来ました。
内容物、外観と使用感
KFレンズキットのレンズの性能は、満足が行く物ではないのは知っていたので、ボディキットを購入しました。同じ色ではつまらないので、青色を選択。ペンタックスはこの色を、クリスタルブルーと呼んでいます。他に黒と白、公式サイトには情報がありませんが、オリーブ色の物も存在するようです。2026年8月現在、公式サイトではレンズキット以外は、全て販売終了しています。



外箱の記載を見るとカメラ本体はフィリピン製、その他の付属品は生産国がばらばらなのが確認出来ます。レンズはベトナム製です。マクロレンズを装着した別のKFと比較すると、全長に大きな違いがあるのが分かります。しかし、いざ使ってみると、レンズを含めた全長は思ったより嵩張らず、取り回しが良く感じました。ズームレンズを装着するとずっしりと重さを感じますが、手に負えない重さではありません。慣れれば、そう大した重さには感じないと思います。
本体色は光沢がある青ですが、深く鈍く光る感じで、人の顔がはっきり映る程ではありません。非常に良い塩梅の色合いで気に入っています。手垢が付いて目立つ様な事も無いので、この色を選択して正解でした。また、一眼レフカメラと言えば本体色が黒ばっかりなので、差別化が図れて良いと思います。


望遠レンズは、もう一台のKFに装着しているHD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limitedと比較すると、とても作動音が静かです。マクロレンズの方は、自動で撮影しようとすると「キュイーン」とか「ギッギ・・・」と音が結構煩いです。一方望遠レンズの方は、作動音が殆どしない上に、焦点合わせも速いです。この動きが非常に良いと感じます。マクロレンズはアルミの削り出し加工で作られているので、流石に見た目の良さでは敵いませんが、実用本位と言わんばかりの、望遠レンズの外観も中々好ましく思います。
距離リングの動きは滑らかで、軽過ぎる事も無く言い塩梅です。ズームリングは動きに引っかかりがあると言うか、少し鈍く感じます。頻繁に動かす所ではありませんが、少し動きが硬いと思います。距離リングとズームリングは、独特の凹凸がある滑り止めが施されていますが、この滑り止めは効果が高くて保持がしっかり出来ます。


レンズの蓋(型番O-LC58)は爪が付いたプラスチック製です。付け外しが非常に滑らか且つ、爪がしっかり嵌まって固定されるので安心感があります。マクロレンズの方は専用の金属の蓋が付属しますが、爪が無くただ被せるだけの仕様なので、こちらの爪で引っ掛ける仕様の方が正解だと思います。
画質
このレンズの購入価格は43,000円程度で、値段の割にとても良い画が撮れると驚きました。恐らく他の多くの人達も、思った以上に使えると感じているでしょう。望遠レンズですが、意外と日常的に使えるレンズだと言う実感もあります。山の中の余り日が差さない場所でも、思ったよりはっきりと画が撮れる事もありました。城だとか建物の写真や、高台から街を撮る時も中々便利に感じました。広角用としてはSIGMA fpと20mm F1.4 DG DN ART(これも早く記事にしたいです)を使っていますが、広角レンズの足りない部分を補うレンズとして活躍してくれます。苦手なのは狭い室内撮りだけでしょう。望遠ですが汎用性が高いレンズだと思います。
空の撮影は余り得意でない感じがします。青空を撮っても、早朝の湖面に映った空を撮っても、色がぼんやりと淡くてはっきりしない感じです。個人的に淡い感じの色彩は嫌いではないですが、時に色が薄過ぎる様にも見えます。また、黄昏時は空の色の深さが出ていないように見えます。私の撮り方が悪いだけの可能性もありますが、深く赤く染まった空だとかの表現は、難しいと思います。露出補正で画像を意図的に暗くすれば深みは出ますが、当然ながら全体的に風景が暗くなります。
野鳥の撮影用としては、どうしても限界を感じます。これ以外の望遠レンズを使った事が無いので、実際に撮影する事で痛感しましたが、野鳥撮影用としては300mmでは全く足りないです。焦点距離300mmだと被写体の大きさにも依りますが、せいぜい5メートルぐらいが限界距離です。雀みたいな小さい鳥は、目の前の木に留まった姿を捉えるのがやっとでしょう。離れて撮った写真をトリミングすると、どうしても画質が落ちてしまうので、出来るだけ最初から大きく撮りたいものです。笹五位(ささごい)の成鳥ぐらいの大きさの鳥でも、10~15メートルが限界でしょうか。また、動きが素早い鳥を撮影する時は、どうしてもシャッター速度を高く維持したいので、そうなると明るさが犠牲になります。F値からも予想は付くものの、シャッター速度を稼ごうと思うと、想像していた以上に暗いレンズだと感じました。好天時の昼間は良いですが、曇天や早朝等の低光量下の撮影では、画が暗くなります。
野鳥撮りを専門とするなら、もっと明るくて、焦点距離600mm以上のレンズが必須ではないでしょうか。とは言え汎用性が高くて、ある程度寄ってしまえば野鳥の姿も、そこそこの画質で撮る事が出来るレンズで、私は費用対効果を含めて満足しています。では次に、実写を見て行きましょう。
実写
下記は昼間の月を撮影した写真です。拡大すると、月のクレーターが確認出来ます。値段が値段なので、そこまで期待していませんでしたが、予想よりは綺麗に撮れると思いました。この写真は三脚で固定して撮りました。


ペンタックスのカメラは空を撮影すると、ぼんやりとした画が出ます。この淡い色合いは嫌いではありません。下記二枚目の写真、桜の木は割とぴしっと映っていると思います。SIGMAのカメラはぴしっとした輪郭、はっきりした画が出ますが、私はペンタックスの様な画も悪くないと思います。



ここからは野鳥の写真を掲載します。全て手持ちで撮影しました。模様や羽毛の細かさ、鳥の体の柔らかい感じなどがよく伝わって来ます。小さい被写体でも良く撮れているのが分かります。私は基本的に「シャッター優先自動露出」の設定で撮る事が多いです。シャッター速度は状況次第ですが、鳥が落ち着き無く動き回る時は、1/1000秒以上に合わせる事もあります。
下記の写真は鳩と鶫(つぐみ)です。鳥類は爬虫類が進化した生き物みたいな話がありますが、こうやって改めて見ると、お腹の模様や羽が爬虫類の鱗みたいに見えますね。鶫は今年の二月に、家の近くに飛来したところを撮影しました。ある一点を見つめたまま長時間じっとしてくれたので、ばっちり撮れました。


次は翡翠(かわせみ)と目白です。翡翠を撮った時は周囲が暗かったせいもあり、はっきりと映っていないのが残念です。これがカメラとレンズの性能の(或いは撮り手の)限界です。翡翠の翡は雄、翠は雌を指します。因みに伝説上の生物である麒麟の麒は雄、麟が雌です。目白は自然と同化しています。体が小さく動きが素早いので、何枚か撮った内で唯一使い物になる写真です。


下記は鵯(ひよどり)の写真です。相変らず鵯はよく庭に現れてくれますが、雀の姿は殆ど見かけなくなりました。雀は急速に数を減らしていて、このままだと絶滅危惧種になるかもしれません。何となく、他の生物でも体が大きな種の方が生存能力が高い気がします。蝉で言えば、近年は熊蝉ばかりが目立つようになりました。蛁蟟(みんみんぜみ)や日暮は全く見かけなくなって悲しい。気候危機(自然破壊)が最大の原因ですが、学校でも公園でも、最近は木を植えなかったり伐採が進んでいるのも原因の一つでしょう。




鵯はよく、庭の木の実や花を食べに来ます。赤い実が生っている木は黒鉄餅(くろがねもち)と言います。そして、薄桃色の綺麗な花が咲いているのが姫辛夷(ひめこぶし)。姫辛夷は木蓮科の植物で日本の固有種、そして絶滅危惧種です。花言葉は「友情、友愛」。鵯にとっては貴重な栄養源なのか、凄い勢いでばっくんばっくんと食べていました。動きが激しかったので、二枚目からは焦点が合っていないか、振れが入っています。
下記の写真は恐らく笹五位の若鳥だと思います。木の枝の上をゆっくり闊歩したり、羽を伸ばしたり。色んな姿を見せてくれました。こちらを余り警戒していなかったので、じっくり時間をかけて撮れました。観察しているだけで楽しいし、いつまでもそこにいたいと言うか、中々切り上げる機を見つけられない事があります。


下記の鳥は笹五位に少し似ていますが、五位鷺(ごいさぎ)の幼鳥、星五位(ほしごい)かと思います。つがいなのか、二羽で戯れていました。笹五位と同じで、星五位も数メートル手前に近づいても逃げたりせず、沢山撮る事が出来ました。最近何度か星五位を見かけましたが、縄張りとかお気に入りの場所が決まっているのか、いつも同じ様な場所で発見する事が多いです。これは他の鳥にも共通していると思います。


翡翠、目白、笹五位、星五位は朝6時ぐらいに撮影しました。最近健康の為に早起きするようになり、家の近くを散歩したり、クラシック音楽を聴きながら体操するなど、ゆったりとした朝の時間を過ごしています。やはり人間は日の出と共に体が目覚めるので、早起きするようになってからすぐに体調が変化しました。当然、良い方に向かっています。早起きは三文の徳と言う格言がありますが、これまで私が寝ていた時間帯は鳥達が活発に動いており、そんな世界を覗く事が出来て、確かに良い事がありました。この習慣は続けたいと思います。
総評
私はそれ程沢山のカメラやレンズを使った事が無いので、断定的な評価は出来ませんが、HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR REは、値段相応以上のレンズではないでしょうか。カメラとレンズを合わせた価格が、SIGMA fpの本体価格よりも安いので、私は性能に充分満足しています。最近は旅行で撮る写真の大半は、fpと広角単焦点レンズか、KFと望遠レンズの組み合わせが多いです。旅行の記事が中々書けていませんが、今後登場する旅行の写真の中でも紹介したいと思います。
野鳥の撮影用としては中途半端かもしれませんが、その分汎用性に能力が振られていると言うか、日常的な撮影に向いていると思います。近い物は画角が狭すぎて撮れませんが、ある程度開けていれば目の前の家から、遠くの山まで満遍なく撮影出来ます。重さや長さは慣れればどうと言う事無く、手持ちでも手振れを発生させずに撮る事は可能です。正直なところ余り期待していませんでしたが、今は気に入って重宝しています。
最後に
新しい物を手に入れると、次にまた別の物が欲しくなる物欲が湧いてきます。野鳥は警戒心が強いので、カメラを向けただけで飛び去ってしまう事もあります。開けた水田に現れた野鳥を撮ったり、或いは寄らずに遠間から三脚固定で撮影したり。それらを可能にするレンズが欲しいです。単純により明るく、高精細なレンズで撮影したい欲求もあり、SIGMAの望遠レンズに興味を持っています。今現在はBFカメラ以外は廃盤になってしまいましたが・・・NikonのCOOLPIX P950みたいなカメラも興味深いと思います。それから、20mm F1.4 DG DN ARTについても、遠くない未来に記事にしたいと思います。
記事公開 2026年8月29日

