初めに
2026/4/4開封、価格は2,090円。度数17.0度、容量720ml。産地は滋賀県高島市、新旭町針江地区にある上原酒造株式会社の商品です。材料は滋賀県産山田錦6%(酒母)、岡山県産雄町94%(もろみ)を使用。日本酒度はプラス2で、数値上は辛口に分類されます。この日本酒は手間のかかる、山卸廃止酛仕込み(山廃仕込み)で作られています。ラベルに記載がありませんが、公式サイトで紹介されている山廃仕込・純米吟醸・原酒(紫ラベル)の方が熟成一年、こちらは二年と思われます。

私はこの日本酒を、滋賀県の蔵元で直接購入しました。杜氏の方でしょうか、静かな蔵に一人だけいらっしゃいましたが、その方にお酒の説明をして頂きました。その方曰はく、この二年物は好き嫌いがはっきり分かれるとの事でした。
色・香り、味わい
春一番どころじゃない強風が吹き荒れた日。台風並みの風が唸りを上げ、表で水鳥がけたたましく鳴いていました。滋賀県の旅行から時間が経過し、季節も変わった頃に満を持して開栓しました。液体の色は薄っすらと黄色が付いています。香りは穏やか。三年物(別記事参照)がとても癖のある香りだったのに対し、こちらは普通な感じでした。


飲んだ瞬間、「これは美味い」と思いました。そして、以前飲んだ参年より、こちらの方が確実に美味いと言う確信も得ました。公式の説明通り飲み口の良い、落ち着いた甘みがあります。甘口に感じますが諄くなく、余り余韻を残さずさっと引いて行きます。米の持つこくや甘さもあると思いますが、とてもさりげなく、そして果実感もあるでしょうか。さっぱりと爽やかで飲み易い。酸味は程良く、少しばかり苦みもあります。余韻に少しぴりぴりと刺激が残ります。
某販売店ではこの商品を辛口・甘口ではなく「旨口」と表現しています。成程と思いました。確かに辛い・甘いとは別に、旨みをしっかり感じられます。旨いと言っても素朴な感じで滋味と言うのか、飲んでから少し溜めがあって静かに「美味い」と、心の底から偽り無く言葉が出て来ます。落ち着いた感じですが確かな実力があり、飲む手が止まりませんでした。自然の激しさの中で、深く静かに、旨い日本酒を飲める喜びを感じました。
最後に
これまで飲んだ火入れした日本酒の中で(大した数を飲んでいませんが)、一番美味いのではないだろうか、と思う程に素晴らしい日本酒でした。半分程消費すると、甘さや旨さがさらに増したと思います。新旭町針江区。生水の町は本当に静かでひっそりとした場所ですが、目立たない所でこの様な凄い酒が作られているとは。感動でした。またいつか訪れたいです。そして驚くべきは価格。上原酒造の公式サイトをざっと見渡しても、高額商品が存在しません。手に取り易い価格でありながら高品質。上原酒造さんは、本当に素晴らしい蔵元です。
記事公開 2026年8月17日

