初めに
2024/9/14開封、価格は6,980円。度数50.0度、容量700ml。産地はスコットランド、アイラ島のブルイックラディ蒸留所です。スコットランド産(ネス湖で有名なインバネス産)の大麦を100%使用、フェノール値は40ppm。冷却濾過はしておらず、無着色です。
樽の比率はファーストフィル・アメリカンウイスキー樽が65%、セカンドフィル・アメリカンウイスキー樽が10%、残りの25%がセカンドフィル・フレンチワイン樽です。
以前バーで飲んで美味かったので購入しました。ブルイックラディの商品は数年前に購入したクラシックラディ、ボタニスト(ジン)以来久しぶり。ラベルのデザインは書体や色の組み合わせ等、非常にセンスが良いと私は思います。真っ黒(に見えるが本当は深い緑?)な瓶に、単純で格好良い文字の配列はブルイックラディならでは。瓶は重厚でかなり重いです。
色・香り、味わい
液体は明るい琥珀色。開栓すると、ピート香がすぐに漂って来ました。久しぶりにピート香を嗅ぎましたが、とても良い香りに感じました。きつ過ぎるピートは苦手ですが、これは好み。香りが穏やかなので、正露丸みたいな薬品臭さをあまり感じません。果物のような香りも感じられますが林檎よりは、青臭さと酸味から、檸檬のような柑橘系寄りの香りかと。それから香ばしいナッツも。
体調不良が続き、仕事の繁忙期でしたが、少し余裕が出たので飲む事にしました。口に含むとややとろみがあり、飲んだ後も舌に滑りを覚えます。40ppmの割りには表示にある「HEAVILY PEATED」の通り、数値以上にピートが強く感じられます。矛盾するようですが、ピートがしっかり効いているけれど重たくはないと思います。ピートがきついスコッチは好みではないが、これは程良い感じです。
ぴりっとした刺激があるが、私には香辛料よりも薬品っぽさを感じました。度数はやや高めですが、度数の割りに滑らかで飲み易い(油断していたら、咳き込みそうになったけれど)と思われます。飲んだ後は、想定より喉が渇く感じがします。余韻にピートが長く残り、塩っ気がやや強い印象。ピートモルト全般に言えますが、人によってはゴムのようにも感じられるこの香りは、好き好きでしょう。
他には土っぽい香りに、どことなくワインの香りも。強いて言えば、私には赤ワインより白ワインのような感じ(実際は赤ワインの樽を使っている)がしました。
最近色々忙しくて、ようやくゆっくりとスコッチを楽しむゆとりができたせいか、とても格別な味わいに感じました。この10年は飲み始めから、はっきり美味いと思えました。潮を思わせる風味と豊かな甘みもあって、非常に均衡の取れた良品だと思います。
オクトモア(ブルイックラディで一番ピートが強くて高いやつ)を飲んだ事がありますが、ポート・シャーロットで充分だと思います。シングルぐらいの量で続けて3杯程飲みましたが、やはりこの手のスコッチは飲み疲れる。疲れていつの間にか寝てしまいましたが、目覚めた後もつい杯を重ねて夜更かししてしまった。完成度が高く、アイラモルト愛好家に強くお勧め出来る商品です。
数日後、1/3程飲んだところでピート香やアルコールの強さが安定してきて、甘さが強くなり、さらに美味しく!つい、ぐいぐいと何杯も飲んでいる内に、夜が更けてしまいました。残り1/4ぐらいになると、少し苦みも出て来たと思います。
最後に
アードベッグの10年と比較するなら、私はこちらの方が美味いと思います。少し値段が高くても、私ならこちらを選びます。好みの問題ではありますが。アードベッグ、ボウモア等、主要なアイラモルトが品質低下して以来、暫く公式物を飲んでいません。かつては私もよくボウモアを飲んでいました。再び、各蒸留所の原酒が潤沢に確保出来ると良いのですが、無いもの強請りしても詮無き事ですね。この商品は、最後の最後まで美味しく飲めました。馳走様。
記事公開 2024年11月14日