初めに
2025/2/5開封、価格は6,180円。度数46.0度、容量700ml。産地はスコットランド、スペイサイドに分類されるダルユーイン蒸留所です。この商品は瓶詰め業者のダグラスレイン社の物で、長年人気を博している「プロヴェナンス」と呼ばれる低価格帯の商品になります。樽はリフィルのホグスヘッドで、冷却濾過や着色を行っていません。

ダルユーインは原酒の殆どをブレンド用に回しており、ジョニーウォーカーの主要原酒として使われています。公式としてはUDV社の「花と動物」の16年物ぐらいでしょうか?確かにこの名前は、瓶詰め業者の商品でしか目にした事がなかったと思います。
色・香り、味わい
瓶の中だと濃い黄色みの入った色だが、グラスに注ぐと薄くて明るい狐色です。澱があり、少し濁って見えます。リフィルの樽なので色が薄いのでしょう。開栓直後に何となく藁のような香りがしました。グラスから立ち昇る香りは、果実感があります。清涼感のある青林檎。ラベルにある「gently spiced」の通り、注意深く匂いを確認すると確かに仄かな香辛料を感じます。それから控え目な木の香り、蜂蜜の香りがします。


ダルユーインは一度も飲んだ事が無かったので試したかったのと、あまり樽感を押し出さない、薄い色のやつを飲みたかったので購入しました。口に含むと、とてもさっぱりとした味わいで、度数以上にアルコールを感じます。若い印象で、リフィルの割りには樽の香りを感じられ、鼻腔を刺激します。全体を通して蜂蜜のような甘さと香辛料の刺激があり、潮っぽさもあります。余韻に塩気があり、舌にとろみと香辛料の刺激を感じます。
スペイサイドモルトの特徴を外さず、果実感は健在。スコッチ初心者でも飲み易い味わいでしょう。三杯目になると最初の若い印象が次第に変化し、味わいが濃く甘みが増したと思います。萎んだ感じはせず、10年相応かそれ以上の熟成感があると思います。少し酸味のある果実感がはっきりとした輪郭を形成し、分かり易い味わいです。青林檎のような清涼感があるが、旨みや甘さが充分あって、新鮮だが骨格がしっかりしています。私はぼんやりとした風味があまり好きではないので、好みの味わいです。味に複雑さは無く、単純明快だと思います。美味しいので二日で半分ぐらい飲んでしまいました。
最後に
10年物にしては高いが、瓶詰め業者の商品は公式より割高になるので、品質を考慮すると妥当な価格だと思います。色移りがあまりないが、充分美味いのは原酒が良いからでしょう。前述の通りダルユーインは殆どがブレンド用として使われているのですが、勿体無いと思う。確かな品質を持った実力者なので、今回知る事が出来て良かったです。このプロヴェナンス、人気商品との評判も成程納得と頷ける美味しさがあった。ご馳走様でした。
記事公開 2025年3月1日