初めに
2024/9/21開封、価格は2,950円。度数50.0度、容量700ml。産地はカリブ海に浮かぶフランスの海外県マルティニークに位置する、フォン・プレヴィル蒸留所(ジーン・マリー・マーティン)です。マルティニークは西インド諸島の一部ですが、位置的には南米ベネズエラの北にあります。何故「西インド諸島」と呼ばれるのか理由は、コロンブスが発見時に「インドに着いた」と勘違いしたところに由来があるそうです。瓶の表示に「Rum」ではなく、フランス語表記の「Rhum」となっているのに注目。
JMラムは昔ながらの製法に拘って冷却用に川の水を蒸留所に引き、銅製単式蒸留器を用いて作られます。原材料の砂糖黍を収穫後一時間以内に破砕する事で、味わいがしっかりしたラムになるそうです。
JMブランは100%自社農園の砂糖黍を使ったアグリコールラムになります。アグリコールラムは、生産されているラム全体の僅か5%とか。どうやら材料となる砂糖黍は、火山帯で海からの風を受ける場所で作られているようです。通常、砂糖黍は平地で育てられますが、ここの砂糖黍は斜面に植えられています。珍しいラムと言えるでしょう。
色・香り、味わい
色は無色透明。開栓時、砂糖黍らしい発酵臭とか酸っぱい匂いがしました。この香りは何かに似ていて絶対にどこかで嗅いだ事がある匂いだが、思い出せない・・・暫く考えましたが、するめとか魚介類の内臓を思わせるこの香りはホーリールード(別記事参照)っぽい事に気付きました。
完全なホワイトラムは初めて飲みました。飲むと発酵臭、出来立てのパン、酸味だとか野性的な味わいが広がりました。植物や繊維質みたいなものも感じられると思います。50度あるとは思えない滑らかさで、飲み始めと余韻に香辛料的な程良い刺激があります。
販売店の宣伝にある干し葡萄とか無花果とか、果実的と言うのはぴんと来ない。香辛料やミネラルの感じは分かりますが、私の舌では果実感を認識出来ませんでした。宣伝にある程、複雑な味わいではないと思います。味わいは単純にして濃厚。余韻に渋みが舌に残りますが、この渋さのせいか(暑いのもあるけど)、飲んでいると結構喉の渇きが早い感じです。水分をまめに補給する必要があるが、その分体には良いでしょう。
最後に
これまで樽熟成した物や、添加物で風味付けしたラムしか飲んだ事がありませんでしたが、ホワイトラムも中々美味いと思わせてくれました。人によってはホワイトラムはカクテルの材料向けと言うかもしれないけれど、この商品はストレートで飲むに耐える美味さはあると思います。樽熟成しない野性味、良い意味で洗練されていない、単純な味わいが好ましいと思います。ただ、味わいは単調なので、ずっと飲み続けるのはしんどい感じでした。何となく気になる銘柄で、別の商品も近い内に試したいと思います。
記事公開 2024年11月17日