初めに
2024/12/1開封、価格は4,050円。度数43.0度、容量700ml。産地はイギリス、サリー州アルバリーエステートに位置するサイレントプール蒸留所。
レアシトラスは名前通り、柑橘系を重視したジンです。使われている材料はジュニパー、グリーンセビリアオレンジ、平戸文旦、夏橙（読みはなつだいだい。夏代々とも書く）、仏手柑など。サイレントプールを久しぶりに飲みました。相変わらず豪華な瓶で、栓は硝子とシリコンで出来ています。
色・香り、味わい
色は無色透明。珍しく風邪をひいて嗅覚がやや衰えている時期でしたが、狂いはないと思います。開栓した瞬間から、濃厚な柑橘の香りが立ち上りました。不思議と、香りから何やら暖かいものを感じました。酸味よりも甘さが勝る香りです。糖度がある蜜柑のような香りだろうか。材料を詳細に確認する前に飲みましたが、予想は概ね当たりでした。この甘い香りは、仏手柑と平田文旦が由来だろうと推測します。
嗅覚では確かに柑橘系が訴えてくるが、宣伝通りジュニパーの味わいがしっかりしていると思います。最初に柑橘が主張せず、ジュニパーが感じられるのはよく調整されていると思います。最初の一杯目は度数以上にアルコールをかなり強く感じました。甘さが抑制されており辛口（宣伝では蜂蜜の柔らかな甘みとあるけれど）なので、それの影響でしょうか。余韻にはっきりとした苦みがあります。
中間から後半に柑橘の味わいが徐々に広がり、余韻は短い。すっきり爽やか、締まりの良いジンです。三杯目から余韻として、舌に渋みを感じるようになりました。柑橘は穏やかながら、しっかり鼻腔に抜けて来ます。温かみを感じる豊かな柑橘系の香りが口いっぱいに広がり、柑橘系が好きな人ならとても楽しめる商品でしょう。
宣伝には蜂蜜の甘み・香辛料の刺激とありますが。私は蜂蜜と言うより柑橘由来の甘さ、それから香辛料ではなく、柑橘の皮の苦みと言う表現の方がしっくりきます。サイレントプールの特徴（個人的見解）として上品な香水のような香りがあると思いますが、この商品はそれが弱いかもしれない。悪くない商品だが、通常の青い瓶の方が美味い・・・と思っていましたが、次第に評価が上がって来ました。
ジュニパーと柑橘の調和が取れ、飲むほどに好きになってきました。このジンは香りが秀逸。兎に角上品で、香しい柑橘が楽しめます。味覚も上々だが、それよりも嗅覚に訴えるものがあります。口の中に広がる華やかな香りに、うっとりする事間違い無し。これを飲むと自分が温暖な気候で、景色が奇麗な場所に身を置いているかのよう。
マティーニ
グラスはリーデルのマティーニ用。レアシトラスとドラン・シャンベリー・ドライを3:1で。サイレントプールが辛口なので、かなりドライになるだろうかと思いましたが、そうでもなかった。ドランの持つナッツの香りは健在で、思ったより甘口。ヴェルモットと混ざる事で、かなり柑橘が殺されていると思います。ジュニパーはしっかり香っている。これは勿体無いので、カクテルにせずストレートで飲むべきでしょう。
ついでにジンソーダでも飲みました。リーデルのニートグラスにジン30ml、炭酸は適量。ソーダにすると、市販の缶入りの安物と大して変わらない味。そして柑橘が死んでいる。やはりストレートが良いでしょう。
最後に
ふわっと優しく温かみがあり、上品に香るジン。この香りを体験するだけでも価値があるだろうと思います。サイレントプールが好きな人、柑橘系ジンが好きな人なら一度試してみては。瓶の見た目が酒を良く表していると思います。温かく華やかなジンです。美味しかった。ご馳走様！
記事公開 2025年1月11日
