初めに
2026/4/11開封、価格はジンが990円、ウイスキーが1,450円。度数はジンが45.0度、ウイスキーが46.0度、容量は共に100ml。産地はスロベニアのブロークンボーンズ蒸留所です。たまにネット通販で、酒の量り売りみたいな販売が散見されますが、丁寧にラベルを貼った試供品の様な小瓶が珍しくて興味を引かれました。ワンショット(30ml)だとさすがに量が少な過ぎて評価が難しいですが、100ml単位であればそれなりに掴めるではないかと思い、実験的に購入しました。量が増えたと言っても100ml程度なので、このやり方も余り良いとは言えない。酒は上澄み部分と底の方で味わいが変わるからです。20mlずつ計量して、慎重に飲む事にしました。

ブロークンボーンズは何年か前からネット上で度々見かけ、ラベルのデザインや印象的な名前が気になっていた蒸留所です。スロベニアのお酒を飲んだのは、これが初めてだと思います。普段馴染みが無い国ですが、吸血鬼伝承がある国のお酒は一体どんな味わいなのか見て行きましょう。
色・香り、味わい
先ずはジンから。使用材料はジュニパーベリー、アンジェリカの根、オリスの根、カルダモン、コリアンダー、リコリス(甘草)、リンデンの花、レモンの皮、ローズヒップ。色は無色透明。開栓すると強烈な匂いがしました。少しラムネの様な香りもあったと思います。ジュニパー、香草、柑橘の香りを感じますが、カルダモンやローズヒップは味わいの方で分かり易く伝わって来ます。残り半分以下になった時、枯草或いは焼き玉蜀黍の様な香りを感じました。この香ばしさがジュニパーと混じり合い、独特の香りを伝えて来ました。


アルコールは度数相当の強さがありますが咽る事は無く、滑らかでしょう。飲むと強烈な香草と柑橘系の個性を感じました。そして鋭いジュニパーの香り。カルダモンやローズヒップの効果に因るものか、香水の様な華やかな香りが口に広がります。華やかだけど上品と言うより、蠱惑的で甘い香りがするのは薔薇の影響かもしれません。同時に青臭さや苦み、余韻まで続く強い香辛料の刺激があり、辛口に感じます。かなり力技で押している感じで引きが早く、味わいに複雑さを感じる暇がありません。それでいて飲んだ後はかなり渋い締めに感じて、少し薬用酒の様な趣も感じました。甘さが弱いのもあり、飲む人を選ぶでしょうか。一口飲んで美味い!と思う様な酒ではありませんが、強い印象を残します。


次はシングルモルトの評価を。多分、公式サイトから既に商品情報が消えていると思いますが、100本しか作られなかった物みたいです。販売店の情報によると、材料の比率は大麦麦芽80%、ピート麦芽20%で作られています。銅製の単式蒸留器で2回蒸留、厳選されたスロベニアン・セシルオーク樽で熟成した後、アメリカン・ホワイトオークのバーボン樽にて4年間熟成させています。色は明るい琥珀。香りは酸味とか、つんと来るパンの様な発酵臭、穀物の香りがあります。それに香辛料の香りと、少し果実感もあるでしょうか。
アルコールは度数よりやや強く感じ、少し滑りを感じる舌触りがあります。4年の熟成と言われれば、ぎりぎり納得出来る熟成感。辛口で甘さは殆ど無く、強めの香辛料の刺激が前に出て来ます。飲んだ後も舌が痺れた様に刺激が残り、余韻に酸味があります。穀物の旨味は感じられません。桂皮や香草の様な香りも伝わって来るでしょうか。他に紅茶の様な味わいがあるかも。全体的に味わいがぼんやりとしています。ピート麦芽を使っていますが、ピートらしい香ばしさは感じませんでした。香りは悪くないですが、味わいは平凡か。残り半分以下になって、甘さが増してきました。販売店の商品説明はいつも余り当てにならないと思っていますが、確かに宣伝通り薩摩芋っぽい甘さがあるかも。
最後に
前から気になっていた商品達なので、試しに飲めて良かったです。ブロークンボーンズと言う名前は迫力がありますが、見掛け倒しかもしれません。ウイスキーの方は所謂フルボトル換算すると20,000円ぐらいしますが、とてもその価値は無い。せいぜい1/3ぐらいの価格なら妥当かと。厳しい評価ですが、今時新しい蒸留所はいくらでもあるので、この程度では頭角を現せないでしょう。但し、蒸留酒は飲み始めの上澄みと、底の方では味わいが大きく異なる事が多く、この商品がどの部分から抽出されたか分からない。たかが100ml飲んだだけなので、公正公平な評価ではない事は強調しておきます。バーなら確実にショットで2,000円以上は取られるだろうから、1,500円/100ml程度で飲めたのでお得ではありました。ジンとウイスキーでは、ジンの方が強い印象を残したと思います。面白い商品ですが、やはり高価なので瓶ごと購入は躊躇する。機会があれば、バーなどで先ず試飲する事をお勧めします。
記事公開 2026年10月24日


