初めに
2023/9/24開封、価格は3,780円。度数40.5度、容量500ml。産地はスウェーデンのヘルノ蒸留所。ヘルノ蒸留所は2012年に稼働した、スウェーデン初のジン専門蒸溜所です。
この商品は厳選された有機栽培による原料が使われています。瓶のラベルを見るとジュニパーベリー、コリアンダーの種、黒胡椒、カシアバーク(桂皮の一種)、バニラ、リンゴンベリー(苔桃)、西洋夏雪草、レモンの皮と八つの原料が確認出来ます。海外サイト情報だと、レモンの皮は手作業で剥かれ、酒は冷却濾過はしておらず手詰めだとか。
色・香り、味わい
色は無色透明。香りは優しく上品。ほんのり甘く蠱惑的な香り。この甘い香りは西洋夏雪草によるものでしょうか。柑橘系を穏やかに感じられ、桂皮のすっとした香りも分かります。大人しい香りだが好印象です。
北欧のジンを飲むのは恐らく初めてだと思います。最初の一杯目はやや泥臭い感じの淀みがありました。それから、これまでジンでは経験した事が無い酸味を感じました。余韻にも酸味が舌に残ります。柑橘系の酸味と言うより、穀物の発酵のような酸味だったと思います。材料に苔桃が使われているので、これが理由かと合点がいきました。苔桃は酸味が強いらしいので。他には柑橘の爽やかさ、黒胡椒の刺激、青臭さがあり、苦味がやや強いです。3,4杯目にもなると渋味も出始めました。
2日目に強い酸味は減退しました。カシアバークが使われているのでシナモンっぽさは確かにあります。美味い酒として楽しむより、全体的に薬用酒のような感じと言うか、地味で渋く纏まっていると思います。好みが分かれそうです。
ただ香りは抜群に良く、フェルディナンズ等に共通する香水のような香りの良さがあります。飲んだ後に鼻腔を抜ける香りがとても良い。今までに無い感じのジンです。最初の一杯はあまり美味いと思いませんでしたが、2日目から好きになりました。3日目には渋味、酸味、苦味が落ち着き、より美味く感じられました。少し癖があるけれど、深緑のような香しさ、瑞々しさのある美味いジンだったと思います。
最後に
試しに一度飲む分には良いでしょう。値段はちょっと高いが、悪くないです。飲む度に味わいが複雑に変化し、新たな発見があり、楽しませてくれるジンです。ジンは長期熟成しないでも、充分美味い物が作れることを証明していますね。透明の酒万歳。ご馳走様でした。