始めに
2025年の初記事は、昨年10月から年末までのバーの記録をつけたいと思います。初記事が酒絡みなのは、無類の酒好きのブログ主に相応しいと思います。昨年の10月26日、解散総選挙の投開票前日の事。この日は、あるれいわ新選組の候補者の選挙応援で、朝から晩までお手伝いをしていました。自分にもこの国の未来の為に何か出来る事はないか、模索してきました。ずっと政治活動に関わりたかったので、都合よく時間が取れたのは僥倖でした。この頃は夏以来、継続して仕事で忙しく、体調が芳しくない状態でした。体の具合が良くなったり悪くなったり、小康状態を繰り返していましたが、それを承知の上で有給を使い、休日返上の選挙応援で遠征してきました。25日、26日と二日間連続の選挙応援です。交通費は当然自腹のボランティア活動です。日本人はボランティアの意味を「無償」と勘違いしていますが、本来は「自ら志願する」とか「義勇兵」の意で、無償と言う意味はありません。勿論、こちらとしては国民と公益の為に応援に行ったので、自己負担はむしろ喜んで!
選挙期間直前でありましたが、選挙事務所にメールを送ったところ、快く応援を受け入れて貰えました。選挙活動と言うと固く真面目な印象で、敷居が高いと思っている人が多いかもしれませんが、いざ飛び込んでみれば何てことない。特にれいわのような「金のばら撒き」を行わない草の根運動の政党は、常に資金や人手が不足していると思うので、猫の手も借りたいほどでしょう。興味がある人は尻込みせずに、どんどん政治の世界に踏み込んで行って欲しいと思います。
ところで、私が最近お気に入りの靴はKEENと言うブランドの靴です。所謂アウトドア用ですが、デザインと履き心地が良いので満足しています。選挙応援でも履いて行きましたが、一日足が疲れる事がありませんでした。踏み出しが良く、靴底の緩衝が良く効いており、接地時の感触がとても柔らかいので性能が高いと思います。飲みに行く時や、山歩きでも重宝しています。
下の画像にあるのはジャスパー・ロックスと言う型です。画像にはありませんが、エヴォ・ネクシスと言う型も所有しています。ネット上でよく言われているように、KEENの靴を買う時は普段履いている靴と同じ大きさで注文すると、間違いなくきつくて履けないと思います。0.5~1.0cm大き目の物を購入すると良いでしょう。私は大き目の物を買ったのに、それでも少しきつい感じがしました。また、通気性がかなり悪いので、大きさ調整も兼ねて、薄手でさらっとした生地の靴下を履くようにしています。私は普段好んでハリソンの靴下を履いていますが、ここの薄手の靴下と合わせるとぴったりと合い、足が蒸れないので良い具合で使えています。小さい物を大きくは出来ないので、大き目の物を買って、後は靴下の厚みや、中敷きを入れる等で対処すると良いでしょう。
たった二日間でしたが、れいわ関係の議員の方と繋がりが出来たり、他県から駆け付けた勇士達と交流し、共に応援が出来て、大変有意義でした。特に、二日間ずっと一緒に働いたお二方とは、最後に固く別れの握手をして、言いようのない連帯感や絆を感じて嬉しく思いました。大袈裟かもしれませんが、私は一日でも自分の人生に関わった人達を大事に思っています。袖触り合うも他生の縁。縁とは全て必然で、運命によって人と人が結び付けられています。彼らには、いつまでも健やかでいて欲しいと思います。またいつか再開出来る事を願っています。
帰りの電車でふと視線を上げて周りを見ると、私を除いた全ての乗客が終始、手元の携帯電話の画面を見つめており、現実に引き戻された気がしました。画面の中の世界に入り浸っていると、現実が見えなくなると思います。人と人の生の繋がりや、人肌の温かさと言った大事なものを、忘れないで欲しいと思います。
前置きが長くなりましたが、人生初の選挙応援が無事終了した事への安堵があり、公私共に頑張った自分へ褒美を取らそうと思い、地元に帰ったら迷いなくバーへ向かいました。
C店
遠征先から地元に戻った頃には、とっくに日が落ちて。駅に下り立ち、真っすぐお目当ての店に向かいました。この日は10月末だというのにとても気温が高く、日中はずっと服の袖をまくって活動していました。先ずはさっぱりとした爽やかなカクテルを飲もうと決め、店の扉を開けました。
最初は梨のカクテルを注文しました。梨のカクテルが思ったよりどろっとした固形物が多く、喉が渇いていたところには相性が悪かったようです。通常、カクテルは最初に一杯しか飲みませんが、潤いが欲しくてジントニックを頼みました。ジントニックに使ったビーフィーターは旧瓶で、隠し味でビターズ(リキュールの一種)を二滴垂らしていました。店主によると最近はジンが「薄くなっている」ので、旧瓶を使っているとか。旧瓶は現行品より度数が高かった筈です。
時々、店主と取り留めのない会話をしながらグラスを口に運び、店主の動きを何となく目で追いました。この日が客が多く、店主は額に汗を掻きながらせっせと給仕していました。
今回ではっきりしたのが、カクテルはC店よりB店の方が美味いと言う事。カクテル作りは才能、研究と経験、酒の選択等色んな要素があります。私が贔屓にしているB店との決定的な違いは「冷静さ」でしょうか。静岡のバー「VICTORY」もそうでしたが、優れたバーテンダーはいつでも静かに、優雅に酒を造ります。混ぜる時や酒瓶を置く時など、大きな音を立てません。素人の私でも、家でカクテルを作る時は酒を零したり、無駄にでかい音を立てないように気を付けています。B店主の方が、繁忙時でも動きが穏やか、静かで洗練されています。勿論、人は不完全な生き物なので、偉そうに粗探しをしたい訳ではありません。何と言うか、C店主にはもっと肩の力を抜いて、気楽にやって欲しいと思いました。
カクテルの後に注文したのは、お待ちかねのモルト。ラガヴーリン16年とカーンモアのグレンタレット11年をそれぞれシングルで。ラガヴーリンは8年物を、恐らく10年以上前に一度飲んだきりだと思います。16年の香りは上々。ピートは程良い。風化しかかっているものの、記憶を頼りに比較すると、8年との明確な違いが無いように思えます。ボウモアやラフロイグともまた違うが、年数の割りに旨みが足りない印象です。店主によると以前は16年物のみで、8年物が無かったとか。原酒不足による苦肉の策で出したのでしょうか。この商品の費用対効果は良くないと思います。
グレンタレットは、スペイサイドらしく果実感があります。アルコールの強さは度数相応な感じ。熟成感はそこまでない。シェリー樽はリフィルだけあって強い影響は無い感じで、ピートの方が印象が強いです。と言ってもピートは強くなく、程々で適切かと。一万円ぐらいする商品ですが、それ程の価値は無いと思いました。やはり、厚みの無いモルトが増えたなと言う印象です。
B店
2024年12月の年末某日。仕事関係の飲み会の後、そそくさとその場を離れてB店へ向かいました。結構冷え込んだ日でしたが、既に酒で体が温まっており、気合い充分で店の扉を潜りました。気合いは充分でも、体の方は既にお疲れと言うか、あまり飲むのに適した状態ではありませんでした。やはり居酒屋の酒と、味付けが濃過ぎる料理が体に合わないようです。
最初はカクテルを注文。苺を使った旬のカクテルです。店主曰く「苺のチーズケーキ風」だとか。飲むと甘酸っぱさと甘みが上手く調和し、甘過ぎずさっぱりした味わいでした。見た目が可愛らしく、中身がとても素晴らしいので、自分でも作ってみたいと思いました。しかし作り方は「企業秘密」だそうで。私のぽんこつ携帯(京セラのURBANO)はカメラの性能がとことん悪いので、写真が見辛いですが悪しからず。携帯電話には極力お金をかけたくないですが、やはりiPhoneの方が良いのか・・・
二杯目はアードナムルッカンのAD/09.20:01(2020年9月瓶詰め)。度数は46.8度で、ピートとノンピートの原酒を半々で混ぜてあります。樽は65%バーボン、35%シェリーです。まだ新しい蒸留所ですが、こちらはちゃんとスコッチを名乗れる物(熟成三年以上)です。画像左側の瓶は熟成三年以下の代物で、店主はこちらの方が好みだとか。私も以前飲みましたが、まだスコッチの骨格が出来ていない、原液の域を出ない感じでした。私はしっかりと、スコッチに仕上がっている方が良いと思います。この日飲んだAD/09.20:01の旨味はまだまだですが、香りがとても良く、確実に成長していると思います。アードナムルッカンは既に年数物が出回っているようで、これからに期待が持てる蒸留所だと思います。
三杯目に頼んだのがサンブーカ・コン・モスカ。他のお客さんが飲んでいるのを見て触発されました。ブラックサンブーカを使っています。黒い方は飲んだ事がなかったので試したかったのと、カナダに留学した時、ホストファミリーから振る舞われた懐かしい記憶があり、同じ物を頼みました。作り方はサンブーカを注ぎ、グラスに珈琲豆を浮かべ、火を点ける!!グラスが暫く熱いので、火傷しないように待つ必要があります。このカクテルに使っているグラスを何と言うのか分かりませんが、これ凄く欲しいです。サンブーカらしく強い甘さと、香草の強い香りが健在なのは透明なのと変わらず。透明と黒の大きな違いは無いように私には思えました。
最後にロイヤルブラックラの10年と12年をそれぞれハーフで飲みました。ロイヤルブラックラを飲むのは初めてです。10年は2,000年代流通品で、12年は現行品だと思います。残念ながらこの日飲んだ中で、一番期待外れでした。10年、12年で味わいに大きな違いは無かったと思います。男性的な味わいで、革のような香りがあり、とても渋い印象。煙草との組み合わせは悪くなさそうです(私は絶対吸いませんが)。ロイヤルブラックラは単純に甘さや美味さとか、熟成感が欠けている印象でした。ロイヤルの名を関するスコッチはロイヤルサルート、ロイヤルロッホナガーと飲んできましたが、品質と費用対効果でロッホナガーが一番優秀だと言うのが私の評価です。
今回の意外な結果として、一番美味かったと言うか印象に残ったのが苺のカクテルでした。美味いモルトに出会えなかったのは残念ですが、良い思い出になりました。
おまけ
最近、家族が岐阜旅行に行きまして。そのお土産で買ってきてくれたお酒が、飛騨のどぶです。普段はこの手の酒は自分で買わないのですが、有難く頂戴しました。私の父親も無類の酒好きで、自分が飲みたいとか、個人の欲望があったかもしれません。二本買ってきてくれましたが、帰ってきた初日で、既に一本目の八割から九割ぐらいが無くなっていました。父が一人で飲んでしまったのです。
度数は低い筈ですが、濃厚な味わいのせいか、アルコールが度数以上に強く感じられました。それでいて、まるで水の様に軽く喉を落ちる飲み易さ。どぶのぼそっとした舌触りは好き好きでしょう。米の良い香りと甘さに舌鼓を打ちました。ネットで調べると値段は安いようで。お手頃で非常に美味しいお酒だったと思います。久しぶりに、美味い日本の酒に出会えました。
最後に
有難い事に2024年を無事通過し、年を越す事が出来ました。ここ数年、世界は悪い方へ悪い方へ進行し、暗いニュースばかりです。いつも今年こそは明るいニュースが増えますように、と願っています。切実な願いとして、世界人類が平和になる事を祈っています。今年も、どんな形でもいいから、政治に関われるようにしたいと思います。政治は平和の礎ですから。
個人的な事では、美味い酒が飲めるように仕事を頑張り、健康にも気を付けて。ますます趣味に磨きをかけて、勉強にも勤しんで人生を楽しむ。自愛しつつも、自分の幸福のほんの一部でも、他者に分け与えられるように。一所懸命に生きる。世界人類の終わりまで。
記事公開 2025年1月1日