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百鬼時事通信 第十一号 公正取引委員会 価格転嫁拒否企業13社を公表

13企業、下請け会社に適切な価格転嫁せず

2022年12月27日、公正取引委員会は原材料・エネルギー価格の高騰を背景とした経費上昇に対し、下請け企業との取引価格に適切な転嫁をしなかったとし、13の企業名を公表しました。

①三菱食品

②三菱ロジスティクス

③丸和運輸機関

④佐川急便

⑤大和物流

⑥トランコム

⑦日本アクセス

⑧ドン・キホーテ

⑨豊田自動織機

⑩デンソー

⑪東急コミュニティー

⑫三協立山

⑬全国農業協同組合連合会(JA全農)

公正取引委員会は2022年6月から発注側3万社と受注側8万社を対象に、書面や立ち入り調査で調査を進めました。これらの内、価格転嫁の協議をしなかったり、価格引き上げ要求に応じなかった4,030社に対して注意喚起の文書を送付しました。受注側からの指摘が特に多かった13社が社名公表されました。悪質なのに公表されていない企業があるかもしれず、これはごく一部かと思います。

繰り返される「下請け苛め」

下請け苛めは以前からずっと指摘され続けてきました。私も製造業の零細・中小企業に勤めていたので分かります。工賃が安いと分かっていながら低価格で製造をお願いしたり。質の悪い材料(支給材)を下請けに押し付けたり。夕方に材料支給しておきながら、翌日の昼までに完成させろと無理難題を押し付けたり。自分達は定時か1時間程度の残業で帰るくせに、下請けには深夜作業を要求するとか。屑ばっかりでした。

大量生産される部品でも、材料(鋼材)の質が大きく関わってきます。例えば、①プレス加工(抜き)→②裏面研磨→③表面削りという工程だとします。作業中にまめに面粗度を図ったり、マイクロメーターで厚さを点検したり、刃物交換をしたり。現場の努力で品質の維持がされています。寒暖によって機械の調子も違うので、当然ながら誤差が出てきます。研磨・切削の工程は勿論重要ですが、抜きがガタガタなら話になりません。切削する時の座り(床面)も悪くなるので。機械の清掃一つとっても違いが出てきます。材料も同じで、ロットが違うだけでかなりの誤差を生じることがあります。酷い時は交差5/100の部品があったとして、左右中央の三点を図ると通常1/100~2/100で収まっている物が、4/100~5/100ぐらい広がることもありました。一日万単位で作っている部品であれば、気付いた頃には1,000ぐらい不良品が出るなど珍しくありません。損失を被るのは下請けです。下請けと同じ部品を作っている元請け会社なら、質の悪い材料を下請けに消費させ、まともな物を自分達で使うなど普通にあります。

話を戻します。深刻な気候変動(これを深刻と捉えらえていない人達が多過ぎる)、海の向こうの戦争が及ぼす影響など、日本のみならず世界中が混乱の渦中にあると思います。今私達がしなければいけないのは、他人を蹴落とす無慈悲な競争ではなく、手と手を取り合って助け合う事です。同じ国民・民族同士で争っている場合ではありません。天は人の上にも下にも人を作っていません。人権は平等で会社の規模、肩書きなど関係なく対等です。事実として、国の経済を支えているのは圧倒的多数の庶民であり、庶民の生活が立ち行かねば経済は回りません。新自由主義は結局のところ税収を下げるだけです。皆で生き残る為に英知を結集せねばなりません。下請けを大事にすれば元請けに対する信頼が築き上げられ、「○○さんの為に頑張ろう!」と言う意気込みだって湧いてきます。どちらも幸せになれる方法を模索するのが一番です。今は何処だって苦しいのだから、経費の値上げ分ぐらい持ってあげろよ大企業。

背景にあるのは「大企業優遇」

①大企業が何故優遇されるのか?②どれ程優遇されているのか?①は簡単な話で、大企業有利な政策を打ち出したり、法律を作ったり(規制緩和も)すれば、気を良くした企業は政治献金をしてくれます。組織票を集めてくれます。天下りを受け入れ、遊んでいるだけで大金が貰える椅子も用意してくれることでしょう。れいわ新選組山本太郎氏は「一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)や企業は悪くない」と言いますが、そんな訳ありません。一番悪いのは国ですが幇助する者達、利権にたかる強欲者達もまた責任があり、罪深いのです。

②の優遇の度合いについては、枚挙に暇がありません。法人税が一律課税なのが既に贔屓です。かつては40%程度だった法人税は、現在23.2%の一律課税です。三党合意により「法人税減税の穴埋めとして消費税が引き上げられた」のは周知の事実(無知な国民が多いので疑問ではあるが)です。問題なのは法人税の引き下げではなく、穴埋め目的であるのと、一律課税であるという二点です。税金の役割として社会保障やインフラ財源だけではなく①富の再分配と、②貨幣の価値を保証するというのがあります。税金は「取れるところから取り、取れないところからは取らない」という理念があり、詰まりは「金持ちが多く払い、貧乏人からは大きく徴収しない」と言う事です。法人税が一律課税なのは基本理念に反しています。また、市場に金が溢れると貨幣の価値が下がるので(ジンバブエのハイパーインフレなどが例)、ある程度市場から間引く機能もあります。

他には輸出戻し税も有名でしょう。輸出品に関しては、輸出相手国から税金が徴収出来ないと言うのが理由で、国から還付金が支払われます。対象企業総額で年間兆単位の金が拠出されています。必死になって戻し税に儲けは無いと否定する連中がいますが、「消費税分負けろ」と脅す大企業の存在や、金利1.6%に相当する還付加算金もあるので言い逃れ出来ません。世界でもこんな事をやっているのは日本だけです。

配当金準備金(海外投資損失準備金等)に対する減税損失過大評価などで得られる利益もあります。日本の内部留保は「札束を積み上げると月面まで届く」と言われていますが、こうした金が課税対象から外れ、日本の為に使われないのなら意味がありません。

公正取引委員会が社名を公表しましたが、大した効果は無いと思います。会計検査院のように「遺憾の意」の表明するだけでは意味がありません。もっと実効的な罰則が規定されることを強く求めます。優遇税制を見直し(廃止が一番)、大企業は特権階級ではないと言う認識を持たせる事が大事です。何をやっても許されている現状を否定しないと。その為には一党独裁の支配体制を終焉させ、政権交代が必要です。

企業努力は絶対に必要!安易な値上げはやめろ!!

元請け・下請けの価格転嫁の話から少し逸れますが、現在原料高を理由に商品の値上げが続いていることについて。2023年2月11日現在、電気・ガス・水道代や原材料費が高騰しているので、ある程度の値上げは仕方ないと思います。一番の対策は補助金やしょぼい給付金、クーポン(嘲笑)のばら撒きではなく、減税が一番早く効果的なのは言うまでもありません。岸田は絶対にやらないでしょうが。ガソリン元売りへの補助金は、元売りだけが儲けて下には降りてきていません。給付金も所得制限を論議したり、手元まで届くまでの時間、振込手数料による損失を考えると得策ではありません。クーポンは論外。世界全体の歴史でも稀に見る超無能政権自民党に何かを期待しても無駄です。何せ、物価高の対応として企業に賃上げをお願いするだけで、実質国は何もしませんよと公言しましたから。

国が何もしないのなら、企業と国民が頑張るしかありません。正に公助ではなく自助。溜息が出ます。電気代は北海道などで一か月の請求が10万円を超えるなど、深刻な問題となっています。そう、この電気代が馬鹿にならないのです。商店で陳列棚の照明を消灯している所が散見されますが、照明器具の電気代も結構かかるものだと思います。

高天井の工場であれば、たぶん今でも水銀灯を使っている会社はあると思います。水銀灯は東芝ライテック製であれば消費電力400W、700W、岩崎電気などで230Wもあったかと記憶しています。一灯当たりの消費電力が700Wなんて二灯でドライヤーに匹敵します。トヨタ自動車であれば多い所で一工場(工場全体の一棟)で100灯ぐらい水銀灯が付いていると思います(言い過ぎかな)。トランスは大きく重く(頭の上に落ちてきたら死ぬ)、取り付け作業をいつも慎重にやっていました。LEDの照明であれば、かつては10万越えだったのが今ならずっと安く買えると思います。今現在の物であれば照度が充分にあると予想しますし、10年ぐらい前の記憶でもトランスは大きさ・厚みや重さが正に板チョコ並みだったで、取り扱いが安心・安全です。蛍光灯は32W・40Wか86W・110W二灯式が多かったですが、消費電力の表示は一灯当たりなので、やはり電力消費はそれなりに有ります。LEDへの換装が長期的に見て電気代抑止に繋がる事でしょう。

工場では壁に電動工具や高所作業車の充電用で100Vコンセントが要所要所についていますが、照明や天井クレーン用の電源には、電圧200Vで送電されているのが一般的です。消費電力はP=VIなので電圧と電流をかけたものになります。電気はよく水の流れに例えられますが、電圧が2倍なら2倍の効率になります。恐らく無いとは思いますが、工場で照明の回路を100Vで組んでいる所であれば、200Vに替えるだけで効果があると思います。電気料金の契約内容などにもよると思いますが、違っていたらすいません。ちなみに今時ないと思いますが、照明器具の耐圧が100Vの場合、200Vの電圧で送電した瞬間全て球が割れます。照明のみならず電気機器の耐圧確認には気を付けましょう。

他には広告費の圧縮や包装の簡素化などが挙げられます。今の世の中、放っておいても利害とは関係無しに自社製品をブログなどで宣伝してくれる人はいますし、本当に良い物ならあっと言う間に情報が拡散されて勝手に売れます。テレビの視聴率とインターネットの視聴率が逆転した今なら、テレビ広告を打つのはあまり意味が無いと思います。高い広告費用を払うぐらいなら、自社製品サイトを充実させるとか、もっと金のかからない方法に転換すべきでしょう。私はテレビや雑誌の広告を見て衝動的に商品を選んだことがありません。宣伝が必要な商品はそうしないと売れない程度の物と言う事です。

食料品の値上げも目立ってきていますが、内容量を減らした実質的な値上げなどもあります。中には外箱からは分かり辛いように細工してある悪質な例もありますね。お菓子の袋などは「割れを防ぐ為に大きくしている」と言い訳する企業が多いですが、私が子供の時分である80年代から、包装の大きさは左程変わっていないと思います。むしろ過剰包装で中身がすかすかな方が、中身がぶつかり合って割れたりするのでは?と思います。包装を内容物に応じた適正な大きさに変えて、派手な印刷をやめるなどするだけで経費削減になると思います。捨てられて塵になるだけのプラスチックのPOP?(シャンプーの外側によく付いているやつ)とか、日中から煌々と光っているラーメン屋の看板とか、無駄が多いですよね。切れる部分を徹底的に切らないうちから値上げなど、阿保かと思います。一度ラーメン屋は試しに看板の照明を切ってみてはどうでしょう。それで客足が変わらないのなら、点けることに意味は無いと証明されます。営業してますよ、と言う表示でしかないので。インターネットで営業時間が確認出来る現在、調べてから来る人の方が多いでしょうし。

あとは、海外から原材料を調達するのではなく、何でも自国で調達出来るように供給網の改革が必要でしょうね。エネルギー・原料が高くなったどうしよう!とあわあわして、努力もせず消費者に価格転嫁するだけじゃあ、この先生き残れませんよ。

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