「大麻グミ」が男女３人を「ノックアウト」
今回は、今世間を賑わせているニュースを取り上げます。いきなり不謹慎な見出しですが皮肉を込める為、このような仕儀と相成りました。この記事は加害者糾弾の為にあるので、被害にあった人達を貶める意図はありません。ただ、興味本位で怪しげな商品に手を伸ばす、一時の快楽のために後先考えない人間は阿保だとは思います。
「大麻のような成分」が含まれたグミを食べた人達が、次々に体調不良になっている件で、厚生労働省の麻薬取締部は2023年11月17日、医薬品医療機器法に基づき関係先の立ち入り検査を始めました。対象となったのは東京都及び大阪府の販売店で、大阪府や大阪府警の担当者も立ち入りに参加しました。近畿厚生局麻薬取締部は11月18日以降、大阪市にあるグミの製造会社・製造所に立ち入る方針です。このグミには大麻に近い合成化合物HHCH（ヘキサヒドロカンナビヘキソール）が含有されています。立ち入り検査で問題のグミが見つかれば成分検査を実行し、検査結果が出るまで販売停止を命じるとの事です。
事件の「被害者」として東京都港区で10月7日夜、男女3人が救急搬送され、その内男性1人が一時意識不明になった事が確認されました。この男性はとある催しに参加し、会場で件のグミ4個の他、グミと同じ成分を含む液体を併用した可能性があるそうです。都内では11月に入っても、祭りや電車内でグミを食べた人達が体調不良を訴える事件が3件あり、11人が救急搬送されました。東京都では少なくとも14人が救急搬送され、その内一人が危険な状態にあったことになります。大阪府では2023年に入ってから十数人が搬送されています。
政府の対応は
11月17日、武見敬三厚生労働相は記者会見でグミに含まれていた成分HHCHを医薬品医療機器法の指定薬物に指定し、所持や使用を禁止する考えを表明しました。今後、同成分に類似する化合物が出現する可能性を指摘し、科学的構造が近い化合物を幅広く指定対象にする考えも明らかにしました。
当然の対処でしょう。法を潜り抜けるために別の化合物が作られるので、鼬ごっこと言う人もいますが、やらぬよりはやった方が良い。
ここで大事なのは幅広い規制をかけるだけではなく、罰則の強化を行う事も重要になってきます。極端な話、違法な化合物を製造・販売したら懲役30年以上としたら、かなり抑止効果があると思いませんか？日本では麻薬の所持より著作権法違反の方が罪が重いので、薬物に対する危険意識が低いと言えます。
最近、「それでもバカとは戦え」と言う良書と巡り合いましたが、悪党に対する見解について大いに共感出来る内容で、お勧めの一冊です。馬鹿に付ける薬は無いと捨ておくのではなく、悪を絶対に許さない、虱潰しに悪を粛清していく事が平和への唯一の手段です。各個撃破で絶滅させる必要があります。
ノックアウトと言う名前の時点で既に終わっている
この問題のグミを販売しているのは大阪府のWWE株式会社で、knockoutと言うブランド名で商品を販売しています。代表者は松本大輔です。既にYouTubeで沢山動画が上がり、ネット情報も同様に出回っているので情報収集には困りません。呆れた事に（毎度の事ですが）一部の動画には加害者の擁護発言や、大した事ないみたいな危機感の無い間抜けな発言が散見されました。私は重く受け止めているので、下記に会社情報を晒しておきます。
この会社公式ホームページでは、既に商品情報が削除されてしまったようです。しかし、他に同社の商品を扱っている店があるので、そこで確認を取ることが出来ます。本当に安全で問題が無いのなら削除する必要は無いので、確実に後ろ暗い事があるのでしょう。馬鹿経営者の阿保面も下記に晒します。
公式ページのNEWSと言う欄には事件の記載は無く、謝罪やお詫びの言葉が何処にも確認出来ません。
公式で商品情報が出てこないので、他の取り扱い店舗を検索しました。グミを販売している店舗でADD CBDと言うのが出てきました。沖縄、大阪、徳島などで店を構えており、もしかしたら大阪の被害者を出したのはこの会社かも知れません。
この商品、たった10粒が7,000円で売られているようです。使用上の注意が書かれていますが、後述する経営者の発言と合わせて紹介していきます。
では次に、諸悪の根源である経営者、松本大輔のついて行ってみましょう。
こいつが悪党だ！！謝罪より先に、自論の展開と居直りをする男
この男、体調不良者を続出させ、その内一人が意識不明になった事の重大さを全く分かっていません。違法性が無い事を理由に、謝罪の言葉を一切口にしていません。違法性の問題では無く、健康被害者が続出した事それ自体が大きな社会問題です。自社の製品で被害者が出た事について全く罪悪感が無く、全部使用者の自己責任だとして、自身の過失を全く認めていないのです。これ、業務上過失致傷に問えるのではないでしょうか？交通事故の場合、轢くつもりが無かった、では許されないですよね。
では、YouTube等で確認出来る会見の動画から、気になる発言を挙げていきます。
弊社商品ページには未成年と初心者の方及び、慣れていない方への使用、他人への譲渡・二次配布は控えるような注意書きをしております。お酒や市販薬と同じで用法容量を守って正しくお使いくださいとしか、我々は言えないです。
注意書きは公式ページから情報が抹消されているので、他の店舗の表示を見てみましょう。商品説明の頭の部分は、特に当たり障りの無い内容になっています。一応、少量から試すようにと言う説明があるにはあります。
更に進めてみると、未成年はご遠慮下さいみたいな、曖昧な表現があります。後は確かに、医薬品の箱に記載されている注意書きと左程変わらない文言が確認出来ます。
記者から体調不良の報告が相次いだ件に対して聞かれた際は、こう答えています。
数か月に1件、2件程度です。いずれも食べ過ぎによる、戻してしまう状態になっている方がいらっしゃいます。私は戻した事が無いので把握はしてないです。（患者がどのように戻したか聞かれ）
これに関しては、指摘したい事があります。東京都の男性は4粒食べただけで意識不明の状態に陥りました。同じ成分を含む液体も摂取しているようで、成分摂取量の過多についてはっきりと言えないですが、常識的に考えてグミ4個でぶっ倒れるのは異常で危険でしょう。
それから、脱法・違法性の認識について聞かれた時は、
我々が販売している物は違法な成分ではないので、違法性はございません。脱法ではないと思っています。認識の違いだと思います。あの、アメリカに行って下さい。（記者のどのように認識したらいいのですか？という質問に対して極めて不可解で不遜、不快な反応）
確かにこの時点では指定薬物ではないので違法性は無いでしょう。しかしその後の「アメリカに行って下さい」は本当に意味が分かりません。記者の質問を鬱陶しく感じて、苛々しながら意味不明の言葉を発したのかもしれません。記者の質問の仕方が悪いところもあると思います。意識不明の患者を出した事や、食中毒と同じで会社の過失を問われる可能性について鋭く斬り込むべきでした。
最後に、厚生労働相が出した指定薬物に指定し、所持・使用・流通の禁止を検討している政府方針についての見解は、
愚策だと思います。はい、あの、規制すればするほど新しい成分が開発されて・・・
政府方針に対して愚策とは・・・全くもって傲慢ですね。つまりこの男、やる気満々と言う事です。違法性が無ければ、もっと分かり易く言えば「俺が逮捕される事が無い限り、健康被害がどれだけ出ても、金儲けを絶対に止めないぞ」と完全に開き直っているのです。違法性が確認されない限り、今後も販売を続けると公言しているのです。正に居直り強盗、盗人猛々しいとは、このような馬鹿に対して使われる言葉でしょう。普通はまず謝罪。それから回収するなり、成分を変更した商品に替えますとか、何かありますよね。「ただ今情報を確認しているのでお答え出来ません」のような逃げ口上の方が、まだましな切り返しだと思います。発言から読み取れる男の心情を纏めると、
①会社に責任は無い。俺は悪くないし絶対に謝らない。
②用法容量の注意書きがあるので、健康被害は自己責任だ。
③数か月に1、2件なので大した事ないでしょ。
④違法でない限り、人に迷惑をかけ続けながら金儲けします。
となるでしょう。実に分かり易い屑っぷりです。
2023/12/27追記
成分の化学構造を僅かに変えて規制を逃れる手口が横行している事を踏まえて、厚生労働省は2024年1月に類似成分を幅広く規制する包括指定に乗り出す構えを見せています。
一方、国よりも先行して規制に乗り出している自治体があります。鳥取県は2014年から興奮や幻覚作用がある物を「危険薬物」として条例で規制しています。成分を特定せず、県の判断で製造、購入、使用を禁止出来るようにしています。条例の効力は強力ですので、従わない場合は2年以上の懲役若しくは100万円以下の罰金が科せられます。鳥取県では「抜け穴から逃れようとしても無駄」であると、県担当者が語っています。なんとも頼もしい限りです。
最後に
松本大輔は悪党としては小物も小物ですが、決して見逃してはなりません。悪が罪を逃れて味を占めれば、同じ事を繰り返します。二度と同じ過ちを犯さないように、徹底的に痛めつける必要があります。一刻も早く、今回問題になった成分を指定薬物として登録し、類似する成分にも先回りして規制をかけて欲しいものです。法整備が追い付かない、は只の言い訳なので。
それから、売った側が一番悪いのですが、買う側も悪いのです。買った人達はただ単にグミを食べたくて購入した訳ではないでしょう？合法的に麻薬を摂取した感覚を味わえるのでは？と言う浅はかな欲望を持った連中が、こういった犯罪者予備軍を助長しているのです。気持ち良くなりたいだけならお酒を飲みなさい。それか、煙草なら合法です。飽く無き欲望は必ず身を滅ぼします。
今回問題となった商品以外にも、ネット上に腐るほどある怪しげな商品を購入するのは絶対に止めましょう。嗜好品は他にいくらでもあります。人の健康や生命に関わる事を軽く見ないで下さい。
偽サイト、特殊詐欺など一向に無くならない日本。政府も警察も無能を極め。本当にこの国は終わっているなと再確認した今日この頃です。
