小林製薬、三月から死亡者の報告をせず
今回は世間を騒がせている小林製薬の紅麹事件について。紅麹サプリメントと因果関係がある5人の死亡事例が、今年2024年3月29日に報告されたのを最後に、同社は厚生労働省にずっと報告を怠っていました。6月28日厚生労働省は、サプリメント摂取と因果関係が疑われる死者が新たに76人判明した事を発表しました。事態を重く見た厚生労働省は積極介入の方針を固め、29日までに今後の調査計画を作成するよう同社に指示しました。
この事件では、対象サプリメントから検出された腎傷害を引き起こす青黴由来の天然化合物「プベルル酸」が、健康被害の原因とされています。黴と言えば発癌性のある黴毒「アフラトキシン」がありますが、改めて黴の恐ろしさを感じます。
公平を期すために補足すると、死亡事例は「因果関係が疑われる」と言う話で確定情報ではなく、その後の調査により無関係だった事例も判明しています。公表済みの5人については「社内調査」（これがどこまで信用出来るか疑問ですが）により、1人は対象商品を摂取しておらず、残る4人の内2人は「直接の死因ではないが関連が無いとは言えない」、さらに残る2人については「関連不明」と言う煮え切らない回答となっています。
現在調査中の76人の内、直接的な死因が腎疾患の人もいれば、脳梗塞や癌など他の疾患で亡くなった人もいるので、中にはサプリメントの摂取とは無関係の人達も存在すると思います。但し、基礎疾患がある人の場合は、間接的な影響も考えられ、引き続き詳しい調査が求められます。
安倍晋三の負の遺産、或いは時限爆弾か
回収指示されている同社の製品は三つあり、それぞれ「紅麹コレステヘルプ」、「ナイシヘルプ＋コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」と言います。まあどれもこれも、頭の悪そうな商品名ですね。紅麹コレステヘルプは機能性表示食品と呼ばれる健康食品の一種です。同製品は2020年3月に機能性表示食品として届け出されています（現在は事件を受けて撤回）。特定保健用食品と言われる物がありますが、これとの違いを簡単に説明すると、「国の審査（有効性・安全性）を受けずに届け出可能で、効果・効能を事業者の責任で表示出来る」となります。新自由主義お得意の「規制緩和」です。安倍晋三が2013年6月に規制緩和を表明し、2015年4月から機能性表示食品が出回るようになりました。一番悪いのは小林製薬かもしれませんが、禍根となったのは間違いなく「安倍晋三と言う人災」なのは間違いありません。福島原発の予備電源、森友・加計問題、主要作物種子法の廃止と種苗法改悪、桜を見る会・・・どれだけ人に迷惑をかけるのでしょうか、この屑は。最近、岸田が歴代最悪の首相とか言われていますが、私に言わせれば安倍はこいつと同じかそれ以上の屑です。さて、機能性表示食品の安全性に対する不信ついて説明すると、
①製品を用いた人への臨床試験（人体実験）が必須ではない。
②安全性については、含有成分に関する既存の文献調査で済ませられる（類似品であって製品そのものではない）。
③臨床試験の参加人数が少ない上に調査期間が短いため、臨床結果の絶対数が不足し、安全性が疑わしい。
④企業は科学的根拠となる論文等の資料を提出するが、国が中身を審査する訳ではない。
この四つが挙げられます。①については、農薬も人体実験が行われていませんが、直接人の体の中に入る物に、人を使った臨床試験を行わないのは問題です。
②については、100%同じ成分を含む物（割合も同じ）と比較したのではない限り、安全性を正確に評価する事は出来ないでしょう。農薬の毒性試験も似たようにざるです。
②・③について補足すると、紅麹コレステヘルプの場合、2018年以降の同一成分の製品の販売実績で安全性を評価しています。アメリカの同様の制度では、多くの人達が食べてきた期間として25年を求めています。紅麹コレステヘルプの届け出があったのが2020年なので、僅か2年と言う極短い期間では臨床性が低いのです。
④は審査を省略する事でより早く企業が儲けられ、本来ならば審査に引っかかるような危険な代物でも市場に流せる「抜け穴」として機能しているのでしょう。
2024年現在、機能性表示食品の許可件数は特定保健用食品を上回り、7,000件を超えています。事件を受け、消費者庁は7,000点の商品の緊急点検を始め、制度のあり方について検証するそうです。今さら遅いがな。死人が出てるんだぞ。無能政府に無能省庁。いや、害悪と言った方がいいでしょう。何もしない無能ならまだましですので。本当に連中は余計な事をせずに何もしないのが一番。
私はこの調子だと、特定保健用食品だって怪しいと思います。企業は自分達に有利な政策を出してもらうためにパーティー券の購入をしたり、企業献金と組織票を政治家に配り、見返りに政治家は規制緩和をする訳です。そして、献金やパーティー券で得た収入が裏金に変わり脱税に使われ、有り余る資金力を背景に「不正選挙」で勝利するのです。こうした悪の循環を絶たない事には、日本に民主主義が根付くことはありません。そして日本人の生活はいつまでも苦しいまま。これが「美しい国」だそうです。
最後に
一番悪いのは国と企業ですが、私は国民にも悪いところがあると思います。健康とは正しい食生活を守っていれば維持出来るので、それ以外に特段の努力もお金も必要としません。多くの人達がテレビや新聞・雑誌で日々垂れ流される嘘を疑いもせず受け入れ、自分の頭で考える事をしません。ヴィーガンとかグルテンフリーが良い例です。グルテン＝小麦を悪者にしていますが、本当に小麦が体に悪いのなら、欧米人はみんな不健康と言う道理になります（尤も、日本人は麦や米を食えとは思いますが）。一番大事なのは身近にある新鮮且つ安全な食べ物をいただく事であって、特定の食品を目の敵にするのは間違っています。終いには健康食品に手を出して、それが原因で不健康になり、最悪の場合命を落とすなんて馬鹿げています。これで少しは目が覚めたでしょうか。企業は「健康に良い」を釣り餌にして、消費者を騙して利益を上げているだけです。連中は多くの医者と同じで、人の健康なんて全く、これっぽっちも考えていません。今だけ・金だけ・自分だけしか頭にない連中なのです。
私は生まれてこの方、健康食品の類に手を出した事はありません（貰い物とか何かの流れで口にした事ぐらいはあるかもしれませんが）。何故なら最初から健康食品なんて胡散臭いと思っているし、「簡単に痩せる」とか「若返る」みたいな謳い文句は他力本願、口を開けていれば結果を享受出来るみたいな怠惰が大嫌いなのです。そう言う間抜けが悪徳企業の不正を助長しているのです。日々漫然と、ぼけ～っと時間の経過を待つような生活は止め、己の眼をしっかと開けて、凛として生きてみなさい日本人よ。
記事公開 2024年6月30日
