酒と人生、バー通い 其の八

  • 2024-05-06
  • 2024-09-21
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2024年3月某日 C店

無類の酒好き、アルコール依存症のブログ主によるだらだらとしたバー通い日記も、八回目になりました。こんなブログ誰も見てくれないだろうと思っていたし、見る人の数など気にしていませんでした。最近サーバー契約更新月だったので、久しぶりにアクセス解析を確認しました。そうしたら、4月のある一定期間(一週間)の訪問者数(UU)が300人以上、PVが7,000を超えていたので驚きました。UUは以前と余り変化がありませんでしたが、PV数が跳ね上がっていました。多分、繰り返し見てくれている人達が一定数いるのだと思いますが、ブログ見てもらえて感謝しかありません。たとえ世界で一人しか見てくれなくても、私の命と気力とお金が続く限り、ブログは継続して行きたいと思います。毎年一万円以上のサーバー契約料は手痛い出費ですが。収益ブログでもないし・・・今後も増え続ける画像データの容量を考えると、無料サーバーでは追い付かないので仕方なし。

さて、せっかく見てくれる人達にとって有益な情報を提供したいところですが、外飲みの場合は酩酊感だったり、バーの店主と会話が弾んだりでなかなか記録を取れず。私の知識と語彙や表現力の不足もあり。今回も肝心な酒の味わいについて、何か気の利いた言葉だとか、良い情報とか出て来ないかもしれませんが、読んでもらえたら幸いです。

それから、私がツイッターだのフェイスブックだのではなく、ブログを選択しているのは文章を読んで欲しいからです。人は安易な視覚情報や、短時間で理解出来るお手軽な情報を求めがちですが、一番大事なのは国語力です。国語は全ての礎です。余程専門的な内容でない限り、書かれているのが日本語である限り、どんな事でも解読は可能です。言い換えれば、数学の勉強でもそもそも国語が理解出来ないのであれば、問題を解く事は出来ません。多くの国民に活字に触れる機会を増やして欲しいと思います。子供にも英語ではなく、先ずはしっかりと日本語教育を叩きこんで欲しいものです。

それでは本題に入ります。2024年3月某日。仕事先の送別会の後、一人抜け出してC店へ行きました。一人で三次会です。送別会はそれはそれで面白かったし、最後に共に働いた仲間を送り出す事が出来て良かったと思います。しかし、純粋に酒を愉しみたいなら、そこら辺の居酒屋じゃなくバーでなくては。

本当は一人で行くつもりだったものの、普段あまり酒を飲まなそうな仕事仲間の一人が付き合ってくれると言う事で、意外な展開となりました。

既に時間が遅く、三軒目だったのもあり、滞在時間は短くなりました。先ずは前回と同じくラスティーネイルを注文。連れも何かカクテルを頼んでいました。二杯目はアラン10年を。せっかく付き合ってくれたお礼に、連れにも同じ物を注文し、会計は私に付けました。モルト好きが増えてくれることを期待して・・・

この夜は私が一方的に酒に関する蘊蓄を語っていたように思えます。スコッチ愛好家にとっては常識かもしれませんが、スコッチの琥珀色は偶然の産物です。徴税を逃れるために樽の中に酒を隠したら、樽から風味や色が移り、しかもそれが美味いじゃないかと言う発見があったのです。スコッチ作りの決まりが無かった頃は粗悪な酒が流行り、結果として食糧不足(原料に麦類を使うので)、アルコール中毒者の増加とそれによる労働力不足と税収の低下がありました。それが最低年数を三年とするなど規定が出来る事で、税収の安定化や酒の品質向上に繋がり現在に至ると言う話です。簡単に出回る酒と違い、年数の規定がある事で安酒とは一線を画し、「箔が付く」と言う訳です。このような話の他、酒に纏わる蘊蓄を連れに聞いてもらいました。私はまだまだ浅学なので、私の口から出た言葉を「蘊蓄」と言って良いものか、小心者の私は気にしてしまいますが、C店主は「完璧です」と言ってくれました。社交辞令でも嬉しかったです。バーテンダーは一見気安いように見えても仕事に関しては厳しいので、多分嘘は無いと思います。酒が好きと言っても拘りを持ち、金・時間・情熱を注げる本当の愛好家はなかなかいないので、同好の士が増えればバーテンダーも素直に嬉しいのでしょう。今後も勉強を続け、人に伝え同士を増やすべく、知識を蓄えていこうと思った次第です。

2024年5月某日 A店

2024年5月某日。連休に入ったことで恒例のバー通いをしました。とても暑い日で、恐らく夜も昼間の暑気が残るだろうと予想し、半袖のポロシャツとジーンズと言う出で立ちで向かいました。新調したばかりのキーンのジャスパーロックスを履いて。片道三十分はかかるので、良い性能試験が出来ました。いつも通り、繁華街のラーメン店で台湾ラーメンと生ビールを注文し、替え玉まで頼みました。私は休日の場合、昼から酒を飲むのでここに来る前、既にビールを一缶とワイルドターキーをシングルで四杯程飲んだ状態でした。もう酒が少し回っているような感じでしたが、先ずはA店へ行きました。

最初の一杯はゴッドマザー。ウォッカとアマレットを使ったカクテルです。グラスに添えられているのは桃の葉です。折ると桃そのもの或いは杏仁のような甘い香りがあり、このカクテルと調和しているのが分かりました。A店主は見た目や香り付けを良く考えている人だと改めて感じました。

二杯目はシャルトリューズ・ヴェール。香草系リキュールで、バーにはなくてはならない酒だとか。この前ジョーヌを飲んだので、緑の方を試しました。ジョーヌが43.0度、ヴェールが55.0度と開きがありますが、ヴェールは喉に閊えたりせず飲み易かったです。ただ、ジョーヌと味の違いが分かりませんでした。アブサン等他の香草系リキュールと違い、シャルトリューズは「歯磨き粉みたいな味」が控え目なので、まだ飲み易く美味いと思います。A店主が色々と教えてくれましたが、現在は修道院では作られていないようです。秘伝の製法を知る三人が同時に死なないよう、同じ航空機に乗っていけない決まりがあるのは興味深い話でした。

最後に飲んだのがルドルフ・イェリーネク・スリヴォヴィッツ5年です。チェコ製でプラムを使ったブランデーと言うのが珍しく。5年とありますが、熟成に木樽ではなくステンレスを使っているようで、確かに色は無色透明のままです。メスカルとか最近飲んだシンガニのような野性的な味わいでした。ピスコやシンガニは蒸留回数が少なく雑味が残っているようですが、これもそんな感じなのでしょうか。これはこれで興味深い酒ですが、やはり私は樽熟成したブランデーの方が美味いと思います。

2024年5月某日 B店

A店から馴染みのB店へ。先ずは旬のカクテルでモヒートを注文。それからテキーラのブランコを適当に頼むと、エル・フォゴネロが出てきました。ブランコは冷やした物しかないようで。この前ウォッカを頼んだ時も冷蔵された物を提供されました。やはりこのあたりの酒はストレートでじっくり味わうのではなく、カクテルの材料として使われる事が多いのでしょうか。

三杯目はロッホローモンド12年水楢。この商品はすぐに売り切れてしまったそうです。確かに木の良い香りがしたと思います。多少酔っていたので記憶が怪しいですが、瓶の裏面に「二百年物の木材が使われている」と言う記載があったと思います。二百年と言うと建材であれば上等な部類(年輪の数=耐用年数)になるので、この年数の木樽はかなり貴重なのだと思います。軽く華やかで飲み易く、果実感のある良い酒だったと思います。

四杯目はケイデンヘッドのアードベッグ11年。1994年蒸留、瓶詰2005年です。これだけはハーフだったので、多分値段が高いのだと思います。アードベッグの公式ではなく瓶詰物は珍しく感じました。これは公式の現行品とは違い、ピートの強さを余り感じませんでした。私はアードベッグはピートをやり過ぎな感じなのと、品質の低下もあり近年は遠ざかっています。この商品はそれとは如実に違いがあり、チーズのような発酵臭が存在し、私には寧ろポートシャーロットが近いと感じました。美味かったと思います。

五杯目は公式のモートラックの12年(特級表示)。モートラックは何と言っても何年か前に飲んだヴァリンチ(手詰めの意)が圧倒的に美味く、それ以外はいま一つと言う印象が払拭出来ない銘柄です。こちらの商品は80年代の原酒を使っていると思います。男性的で革の香りがし、美味いと言えば美味いですが。80年代の原酒を使ったスコッチで言えば、タリスカー10年の地図ラベル、ボウモア12年の鴎ラベルを超える物が無く。それとどうしても比較してしまいますが、舌が肥えてきたのでしょうか。

最後に飲んだのがタイユヴァン。見た事も聞いた事も無い銘柄でした。コニャックにしてはかなり色が濃いと思います。コニャックは一般に酸味の強い白葡萄が使われるそうですが、こちらはワインのように濃く暗い液体に見えました。実際に飲んでみると、赤ワイン(黒葡萄)のような渋みがあったのが驚きでした。葡萄を直接口に入れたような感じと言うか。とても珍しいコニャックだと思います。この日、一番印象に残ったのはこの商品でした。

B店主は最近のコニャックは厚みが無いとぼやいていましたが、果たして本当でしょうか?原酒に余裕があった時代の古いモルトが、必ずしも厚みがあったり熟成感があるとは限らないので。確かに10年前、20年前或いはそれ以前の方が「当たり」が多かったかもしれませんが。無い物強請りしても仕方ないので、現行品の中から自分に合った良品を見つけるしかないと思います。バーは貴重な酒を見る機会が多いですが、あちらも商売なので悪く言えば「貴重と言うだけ」で置いてある商品もあるかと思います。それが必ずしも美味いとは限らず。私は高い酒を飲みたいのではなく、美味い酒を飲みたいだけなので、値段や流通に振り回されず、自分の眼で真贋を見極めたいと思います。兎も角、この晩も美味い酒を飲み、勉強になる事が多く収穫がありました。

記事公開 2024年5月6日

最終更新 2024年9月21日

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