初めに
2021/10/23購入、価格は19,150円。度数57.2度、容量500ml。私が購入したウィスキーの中では過去最高額です。去年の10月に購入して、年末年始用で大事に温存していました。
産地はニュージーランド、今は閉鎖されたウィローバンク蒸留所です。この商品はイギリスのロンドンに本拠を構える世界的に有名な小売店（瓶詰業者でもあります）である、ウイスキーエクスチェンジ社向けに2018年に出された限定品です。
バーボン樽で熟成後、長期間ニュージーランドワインのフレンチオーク樽で追加熟成されています。宣伝文句は「見事に複雑なニュージーランドのブレンドウイスキー、味はフルボディかつ複雑で、ダークフルーツとウッディーなスパイスが長く続く」。
色、香り
かなり濃いカラメル色、或いは黒みがかった琥珀色です。瓶の中だとかなり黒っぽく見えます。今まで見た中で一番濃い色！グラスに注ぐと血液のような暗い色をしています。
高い酒なので今回はかなり慎重にコルクを抜きました。コルクを抜いた途端に芳醇な香りに出迎えられました。チョコレート、芳醇な干し葡萄、砂糖菓子やブランデーケーキといった甘い香りがします。抜いた瞬間でここまではっきりした香りは初めてです。
外箱や中身も凝っており、高級感やどこか威厳のようなものも感じられます。中身だけでなく、手に取った人に満足感を与えるような気遣いは、結構重要な事だと思っています。
味わい
色だけじゃなく味も濃い！！最近飲んだテンプルトンライバレルストレングス2020のような濃厚さがあります。あまり優しくない感じで、57.2度という度数はそのまま直に伝わって来ます。私が無知なだけかもしれませんが、ブレンドでカスクストレングスはこれまでお目にかかった事がありませんでした。
飲むと濃い葡萄のような果実感と強い香りが突き抜けます。味の濃さとこくがあります。果実のお酒を飲んでいるような感覚があり、今まで飲んだ事がない感じです。スコッチともバーボンとも一線を画す独特の味わいだと思います（スコッチよりはバーボン寄りと思われる）。
えぐみを少しだけ感じますが、木の香りでしょうか。木の香ばしさや青臭さのようなものも感じ取れます。18年なら程良い熟成期間だと思いますが、熟成感はあまり高くないと評価しました。カスクストレングスの刺激が強くて、風味が伝わり辛いのでしょうか。
香辛料と言うより、薬品臭ささや少し強めの苦み、余韻として湿布のような？香りがありました。複雑で癖のある味わいですが、好みが分かれるかもしれません。相性が良ければ、癖になる味わいと思われます。
開栓して三日ほど経ってからの再評価として酸味、錆っぽさ、鉄のような香りを感じました。飲む度に色んな表情を見せてくれます。費用対効果で言えば、同価格帯或いはもっと安い価格帯でも、品質で競合出来る商品は間違いなくあると思います。しかしこれは独自の個性が有り、惹き付ける魅力があります。
最後に
貯蔵されている原酒を使い切ってしまったらもう二度と飲む機会はないので、あくまで記念に購入しました。まだ出回っていますが、本当に美味しかったらもう一本買おうかと思っていましたが、止めました。
今後、入手する機会は無いと思いますが良い記念になりました。蒸留所の閉鎖と言うのは一つの時代の終わりと言うか、何か寂寥感みたいなものがあります。在庫が無くなる前に出会えて良かったと思います。ご馳走様でした。
