初めに
2021/8/7購入、価格は4,280円。産地はアラン島アラン蒸留所。95年に創設されたまだ若い蒸留所です。ファーストフィルのバーボンバレルで熟成させた原酒を主に、シェリーホグスヘッドで熟成させた原酒をヴァッティングしてあります。度数46度、容量700ml。世界のモルト愛好家達の間で評価が高いとのことです。
色、香り
色はやや薄い琥珀若しくは黄金。香りはかなり弱いです。私の鼻では何かの果実臭とだけ分かりました。公式にある通り、何となくバナナと言うのは当て嵌まるかと。あとは蜂蜜っぽさもあると思いました。
味わい
ノートにはシトラスとありますが、私の第一印象は桃、若しくは洋梨と感じました。シトラスかどうか分かりませんが、確かに柑橘っぽさもあるかと思います。そして、胡椒のようなぴりっとした香辛料のような刺激と香りが鼻腔を抜けました。やや塩味があり、潮も感じます。アルコールの刺激は弱め。宣伝文句だと甘い物を連想させますが、そこまで甘ったるい感じではありません。やや青臭さがあり、若く瑞々しい果実の甘味を思わせます。想像していたよりずっと複雑な味わいでした。確かに10年にしては柔らかさとしっかりした美味さがあり、下手な老舗の蒸留所よりよっぽど品質が高いと思いました。老舗の人達、歴史の上に胡坐をかいていると追い抜かれちゃいますよ~。
最後に
実に良い銘柄を発見したと思います。値段はそこそこ張るものの、普段から手元に置いておきたいと思わせる出来でした。現在、原酒不足や良い樽が無いことから、モルトは全体的に品質低下の一途を辿っています。原酒不足の要因としてはインドや中国などで消費が増えたこともあるようですが、いい加減に原酒確保に努めたらどうかと思います。品質は下がっているのに値段はじわじわ上がっているのは、消費者として納得がいきませんね。モルトの品質が元に戻るには一度、徹底的に売れなくならないと、どうしようもないかもしれません。
ところで、中国のような人権侵害国家に輸出するのは本当に止めて欲しい。そこまでしてお金が欲しいですかねー。世界はどんどんおかしくなっていきますね。