モンキー47 ドライジン

  • 2023-05-03
  • 2023-05-03
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初めに

2023/4/9開封、価格は5,280円。度数47.0度、容量500ml。産地はドイツ、シュヴァルツヴァルト地方(黒い森)にあるブラックフォレスト蒸留所。

名前の由来はアルコール同数と、使われている材料が47(!)もあることです。これ程沢山の材料を使ったジンは、今までお目にかかったことがありません。材料は手摘みされ、最上級の湧き水を使用しています。シュヴァルツヴァルト地方の都市と自然が一体となった景観は素晴らしく、一度訪れてみたい場所です。

色・香り、味わい

色は無色透明。開栓して香りを嗅いだ瞬間に確信しました。これは美味いと。最初の印象は爽やかなレモン。香りは控えめですが、これまで飲んだジンの中でも屈指の香りの良さです。

最近飲んだジークフリート、シュタインヘイガーと続けてぱっとしなかったドイツのジン。久しぶりに当たりのドイツジンと遭遇しました。系統としてはフェルディナンズにも少し似た、華やかなジンだと思います。スピリッツの質はフェルディナンズの方が高いだろうと思われます。フェルディナンズが葡萄由来に対して、モンキー47は糖蜜が原料のスピリッツを使用しているようです。

味わいは香水のような華やかさ、植物の青臭さがあり、私には薔薇の花の香りも感じました。豊かな甘みがあります。柑橘っぽさがあると思いますが、あまり主張せず、優しく伝わって来るのが好印象。余韻に、レモンのような仄かな酸味と爽やかさが舌に残ります。少し苦味もありますが、嫌な感じはしません。

香辛料のような香りがありますが、刺激は弱く、これまた良い調整がされていると思います。材料の調和が取れて、完成度が高いジンです。3杯目ぐらいで刺激が強くなってきたと思います。個人的には、甘味がもう少しすっきりしていると良いと思いました。

すっとするミントっぽさ、生姜、桂皮なども伝わって来ます。香りの良さとしてジャスミンの効果もあるかと。華やかですがフェルディナンズとは少し方向性が違い、苦味や香草っぽさを効かせ、より複雑な味わいです。流石に47もの材料が使われているだけあって、これまで飲んだ中で一番複雑な味わいのジンだと思います。

植物の瑞々しさ、青臭さが溢れており、霧の立ち込める深緑にいるような気分にさせてくれます。豊潤さ、新鮮さに溢れ、素材の上質さが窺えます。いくつかの英語サイトで使われている中では、苔桃が特別な材料と評していますが、果物の香りと若干の苦味を与えるようです。苔桃は「エイトランズ・オーガニックジン」にも使われています。仕込みに使われている水の良さも、なんだか伝わって来るようでした。極めて上質なジンです。

最後に

富山で27.8度、九州では30度に到達するなど、7月並みの暑さを記録した4月でした。季節がおかしくなった日本列島の暑さを吹き飛ばしてくれるような、爽やかで素晴らしいジンでした。値段は確かに高いですが、値段に見合った内容だったと思います。ご馳走様。

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