初めに
2024/1/14開封、価格は5,190円。度数41.6度、容量700ml。産地はニュージーランドのスケープグレース蒸留所。スケープグレースとはならず者、ろくでなしの意。ニュージランドで80年かけて濾過した、無汚染の南アルプスの氷河水を仕込みに使用しています。
材料はレモンとオレンジの皮、コリアンダーの種、カルダモンの実、ナツメグ、ジュニパーベリー、ガーデンアンゼリカの根、リコリスの根、アイリスの根、桂皮、クローブの蕾、カシアバーク。ニュージーランドのジンを飲むのはサウスジン以来です。
色・香り、味わい
五つの天然の植物成分を使い、液体色を黒色に見せています。材料は蝶豆(バタフライピー)、薩摩芋、アロニアベリー、サフラン、パイナップルです。蝶豆と言えばシックス・ドッグスのジン(別記事参照)にも使われている材料です。黒と主張していますが、よく見ると黒の強い青色です。太陽光の下では深紫に見えます。
香りは独特で形容し難いです。宣伝ではパイナップルとレモンが前面に出ているとか言っていますが、駄菓子のガムたいな人工的な匂いで、すっとした薄荷のような香りもあります。
最初の感想は何か歯磨き粉っぽい感じでした。口に広がる香りはパイナップルとは思えないが、確かに甘い果実感があったと思います。余韻にすっとした爽やかさがあります。桂皮やカシアバークが効いているのでしょう。少し舌が痺れるような感覚がありました。中間に苦味が、余韻にぴりぴりとした刺激があり、暫く口の中が歯磨きの後のような感じになります。
全体的に華やかで芳香剤的な香りが強く、果実感があります。舌で転がすと豊かな果実感が分かります。これは主材料よりも、香料に使われている苺やパイナップルの効果だと思います。宣伝の通り、青臭さ、土っぽさはあると思います。
薩摩芋が原料は珍しいですが、着色に貢献しているだけで味わいには影響が無いように思えます。素直に美味いと言える部類ではないが、面白い商品ですね。
カクテル
ジン30mlにウィルキンソンのトニックウォーターを適当。苦味が少しだけあり、余り甘ったるくならず締りが良いジントニックに仕上がりました。レモンをたっぷり絞って飲むと苦味が消え、さっぱりして良い感じでした。
それから、ジンとフェルディナンズのレッドヴェルモットを凡そ3:1の割合で攪拌。マティーニも作ってみました。とても怪しく妖艶な色合い。スケープグレースの主張が強く、芳香剤みたいな香りが健在ですが、苦味が消えて甘く飲み易くなりました。しかし、飲んだ後の刺激や薄荷のようなすっとした感じが残留して余計な感じです。マティーニよりジントニックの方が合いそうです。
最後に
王道的なジンとは一線を画す、悪く言えば色物的なジンだと思います。一度飲めば充分かと。視覚的には楽しませてもらいました。