タリスカー 10年

初めに

2024/12/17開封、価格は4,980円。度数45.8度、容量700ml。産地はスコットランドのスカイ島、1830年創業のタリスカー蒸留所です。アイランズモルトに分類されます。

タリスカーの日本公式ページに、前蒸留所所長のマーク・ロッホヘッド氏が残した良い言葉があったので、紹介したいと思います。厳しい自然環境でウイスキーを造り続ける理由について、こう答えています。

「どんなに厳しくとも自然の力には逆らわず、荒れ狂う風雨もミストも全て受け入れます。なぜなら、それらはタリスカーの味わいを生み出す自然の恵みだからです。」

色・香り、味わい

液体色は濃い琥珀色。香りはピート、潮、香辛料、それから香り立つ甘さ。私には他に香ばしいチョコレートのような感じもしました。素晴らしい。タリスカーは独特の個性があり、多分目隠しした状態でも香りが分かると思います。この香りは以前と変わっていない。三分の一程飲むと、メープルやキャラメルのような甘い香りが出始めたと思います。

私が福祉の仕事を始めたばかりの頃、初任者研修で知り合った同じ受講生の一人にこの酒を勧めたら、美味しいと言って貰えたのは良い思い出。外箱に描かれた厳しい自然の海と、スカイ島の地図と文字が金色で彩られているのが、とてもセンス良いですね。

口いっぱいに広がる完成度の高い香りは、これまで通り。これぞタリスカーと言う感じ。単純にやれピートだとか、香辛料がどうこうのような表現では追い付かない、独特のものがあります。上手く言葉で説明出来ないですが。しかし味わいはやはりと言うか、以前より膨らみが無く、若い印象を受けました。最初の一杯の印象ではやはりタリスカーも、原酒不足による品質低下から逃れられていないように感じられました。
しかし、その不安はすぐに払拭されました。何杯か飲んだところで(液面がラベルに到達する前ぐらいから)、ようやく本領を発揮してきました。上澄み部分との印象から大きく変化し、味わいがとても深くなりました。香辛料の刺激が絶妙で、豊かな甘みと熟した林檎のような果実系の味覚もあります。

ピートは程良く、アルコールは滑らか。フェノール値はハイランドパークと同程度、ボウモア以下だとか。このぐらいのピートが適切でしょう。香辛料の刺激が結構強いが、後に続く香りの良さと深い味わいにより調和が取れて、心地良く消えて行きます。味の輪郭がはっきりして、ぼやけた感じがしない。この明瞭で、力強い味わいがタリスカーの良いところ。

タリスカーのピートは、アイラモルトのそれとは一線を画すと思います。瓶に「sweet smoke」と表示がありますが、燻した香りの中に唯一無二の個性が光っています。上手く言い表せないが、このピートを纏った味わいはタリスカーだけのものです。

余韻に苦み・渋みがあり、余韻のピートは軽く心地良い。口当たりは軽くないが重くもなく、それでいて決して中身が無いのとは違います。とても美味しく、飲む手が加速する。一気に飲むと勿体無いが、美味いものはどうしようもありません。タリスカーの良さは、10年の良さでしょう。他の年数物やNASの商品、瓶詰め業者の商品でなくても、公式の10年で満足出来る完成度の高さだと思います。どの銘柄でも基本的な年数物がしっかりしているかどうかで、真価が問われます。

最後に

残念ながら、随分と値上がりしてしまったタリスカー。以前は10年が3,000円ぐらいだったと思います。18年が一番安い時で10,000円を切っていましたが、今は20,000円越え!!10年が値上がりしてから暫く遠ざかっていました。数年ぶりに購入しましたが、私が一番好きな銘柄タリスカーの実力は健在でした。流石に20年、30年前より品質が劣るでしょうが、無いもの強請りしてもしょうがない。今の味に慣れるのも大事だと思います。

タリスカーは個人的に、最も品質が高い蒸留所の一つだと思います。スコッチ好きで未だ飲んでいない人、これからスコッチ入門する人にも是非飲んで欲しい逸品。自信を持ってお勧めします。

記事公開2025年1月25日

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